Azureの冗長性について

Azure geoレプリケーション

Azure Strageでは、データを障害や災害から保護するために常にデータのコピーが複数格納されます。geoレプリケーションとは、地理的に離れた場所にあるリージョンに同じデータをレプリケート(複製)し、災害や障害が発生した場合、複製したデータを利用してシステムの可用性・地理的冗長性を実現する仕組みです。プライマリリージョンが障害の発生などでサービスが停止した場合、代わりにセカンダリリージョンに対して読み取り操作(フェールオーバー)を実行することで、一時的/長時間にわたる問題に対処でき、継続して機能するようアプリケーションを調整することでができます。フェールオーバーは自動的にMicrosoft によって制御されています。 ほとんどのAzureリージョンでは(東日本/西日本リージョン含む)、Azureストレージアカウントの手動フェールオーバーは実行できません。プライマリリージョンの問題が解決し使用可能になり次第、アプリケーションはプライマリ リージョンからの読み取りに戻すことができます。バックアップと似ていますが、バックアップはある時点の元データを複製して長期にわたって保持し障害が発生した場合に障害発生ポイントに戻ってデータを復元するのに対し、レプリケーションは元データに合わせて常に更新が行われるという違いがあります。

Azure データの冗長性

データセンター/リージョンにアクセスできなくなった場合や特定のハードウェアで障害が発生した場合でも常に使用できるように、Azureのデータはレプリケートされています。レプリケーションオプションには、さまざまなレベルの冗長性と持続性によって分けられたシナリオが用意されています。

ローカル冗長ストレージ(LRS)
Geo冗長ストレージ(GRS)
読み取りアクセスgeo冗長ストレージ(RA-GRS)
ゾーン冗長ストレージ(ZRS)
geoゾーン冗長ストレージ(GZRS)
読み取りアクセスgeoゾーン冗長ストレージ(RA-GZRS)

プライマリリージョン 冗長性

Azure Storageのデータは、プライマリリージョンで常に3回レプリケートされています。
Azure Strageでは2つのプライマリリージョンでのデータレプリケーションオプションが用意されています。

1、ローカル冗長ストレージ(LRS)

プライマリリージョンの1つの物理的な場所内で、データを同期的に3回コピーします。データセンター全体が利用できなくなった場合はデータ利用不可能になります。最も低コストな冗長性オプションであるが、耐久性の面では他オプションに劣ります。サーバーラックやドライブの障害からはデータは保護されますが、データセンター内で災害が発生した場合全てのレプリカが回復不能になる可能性があります。

2、ゾーン冗長ストレージ(ZRS)

プライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータを同期的にコピーします。(可用性ゾーンとは:Azureリージョン内にある物理的に離れたデータセンターのこと)ゾーンが使用できなくなった場合でも、読み取り/書き込み操作両方でデータにアクセスが可能です。プライマリリージョンでは、一貫性、耐久性、高可用性を必要とするシナリオではゾーン冗長ストレージ(ZRS)の利用が推奨されています。

セカンダリリージョン 冗長性

プライマリリージョンから地理的に離れたセカンダリリージョンに追加でデータをコピーすることによって高可用性を高めることができます。 セカンダリリージョンにコピーを行うことで、地域全体が停電になった場合やプライマリリージョンが復旧できないような災害が発生した場合にもデータは保護されます。Azure Strageでは、セカンダリリージョンにデータをコピーするための2つのオプションが用意されています。

1、geo 冗長ストレージ (GRS)

geo冗長ストレージ (GRS)におけるデータは、ローカル冗長ストレージ (LRS) を使用してプライマリリージョンで3回(1つの物理的な場所で)同期的にレプリケートされた後、セカンダリリージョンに非同期的にレプリケートされます。セカンダリリージョンのデータへの読み取りアクセスのために、読み取りアクセスgeo冗長ストレージ (RA-GRS) を有効にします。

2、geo ゾーン冗長ストレージ (GZRS)

geoゾーン冗長ストレージ (GZRS)におけるデータは、ゾーン冗長ストレージ (ZRS) を使用してプライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間で同期的にレプリケートされた後、セカンダリリージョンに非同期的にレプリケートされます。 セカンダリリージョンのデータへの読み取りアクセスのために、読み取りアクセスgeoゾーン冗長ストレージ (RA-GZRS) を有効にします。Microsoftでは可用性と持続性を必要とする場合GZRS/RA-GZRSの使用を推奨しています。

参考文献:
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/common/storage-redundancy
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/common/geo-redundant-design

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