使用しなくなった「Azure VM」の削除の手引き

1.はじめに

マイクロソフト社が提供する「Azure」は、検証やサブスクリプションやリソースの移行作業を行った後、もう今後使わなくなったモノから自由に削除することができます。
しかし、削除できるとはいえど仮想マシン(VM)で使っていた「リソース」の削除作業を行わない限り、課金し続けることになります。
これからご紹介するのは「Azureの仮想マシン(VM)」削除作業と、作業時の注意点をご紹介いたします。

2.仮想マシン(VM)(VM)の削除作業の前に知っておくべきこと

1.VMを消しても課金は続く

Azureの「仮想マシン(VM)」は[概要]から消したい仮想マシン(VM)ビューを開いて、画面右上にある[削除]を押すだけで削除をすることができます。しかしストレージや仮想ネットワーク、ディスクなどのリソースが残ります。残ったこれらがパブリックIPアドレスであった場合、この状態を維持し続けるとアドレスに対する課金が発生します。つまり、Azureの仮想マシン(VM)を「完全に削除」するには、使用していたリソースの削除も別途必要であるということです。

2.削除していく前の注意事項

仮想マシン(VM)のみを削除しただけならば、ディスクからの復元が可能です。ただし、ディスクを削除した場合にかぎりデータの復元はもちろん、仮想マシン(VM)の復元もできませんので、作業前に必ずバックアップ作業、移行作業が済んでいることを確認したうえで実行することが望ましいです。
また複数の仮想マシン(VM)の診断ログを格納している「診断用ストレージアカウント」の中には、削除の対象ではない仮想マシン(VM)の診断ログも格納していることがあります。仮にこのアカウントを削除してしまった場合、仮想マシン(VM)の起動が不可能になりますので注意が必要となります。

3.仮想マシン(VM)の課金の仕組み

「仮想マシン(VM)」のみを削除したとしても、「リソースが残っていれば課金が続く」のは「仮想マシン(VM)を構成する要素」が関係しています。
「仮想マシン(VM)」を構成する要素は以下の3つから構成され、それぞれで課金の仕組みを持っています。

  • コンピュート要素
  • 「仮想マシン(VM)」の要素の1つである「コンピュート要素」は主に、CPU,メモリ、ハードウェアの要素から成り立っています。これら要素を仮想マシン(VM)に割り当てていた時点で「課金払い」が発生します。

    • 1.Virtual Machines
    • コンピュートにあたる部分の基本的課金払いの考え方は、CPU、メモリといった「リソースを割り当てることで動作する」こと課金のベースとなっています。このベースを軸にしているため、リソースを割り当てている限り課金が発生し続けます。
      また使用するOSがWindowsかLinux系のいずれかで課金額が変わってきます。金額が変わる要因としては、Windows自体に「ライセンス料」が含まれているからです。
      仮想マシン(VM)の課金は「使用している時間」ごとに課金がされていき、結果として「割り当てがされている時間分」発生し続けます。課金の停止、つまり「削除」という手段をとるならば、「割り当て解除済み」という状態にしておく必要性があります。

    • 2.Virtual Machines -SQL Server
    • 仮想マシン(VM)に「SQL Server」をインストールものも利用可能となりますが、仮想マシン(VM)とは別途で「SQL Server」自体そのもののライセンス使用量として課金が発生します。つまり、「SQLServer」をWindows搭載の仮想マシン(VM)にインストールした場合は仮想マシン(VM)の課金料金とSQL Serverの使用料金の2つを支払うことになります。

  • ディスク要素
  • 仮想マシン(VM)のOSイメージの保存は、「仮想ディスクファイル(VHDファイル)」を利用して、それをCドライブに割り当てられます。OSイメージの実体そのものは仮想マシン(VM)作成時に指定した「ストレージサービス」に保存されます。
    この「VHD」はストレージ上に保存がされているため、ディスク利用料とストレージ使用料金とはこれも「別途」それぞれで料金が発生する上、ストレージサービスにアクセスした際「トランザクション」の量に応じても課金が発生します。
    ディスクの課金額は表示されている容量そのもので発生するのではなく、「制限された容量以内で使用された領域分」だけ課金されることになります。

  • ネットワーク要素
  • 外部のインターネット環境を通した、仮想マシン(VM)の通信を実行した際、インバウンド通信(外部から仮想マシン(VM)内部への通信)アウトバウンド通信(仮想マシン(VM)内部から外部への通信)の通信が発生します。
    前者の「インバウンド通信」はAzureでは無料、つまり無課金で使用することができます。しかし、後者の「アウトバウンド通信」では、通信相量に応じた「バイト単位」での課金料金が発生します。

3.仮想マシン(VM)の削除作業

1.仮想マシン(VM)の削除

以下は仮想マシン(VM)の削除作業の手順となります。

  • 1.削除したい仮想マシン(VM)のビューを開きます。
  • 2.ビューを開いたら[概要]をクリックします。
  • 3.その時に「ディスク名」「ネットワークインターフェイス名」「診断用アカウント名」などの確認を行います。
  • 4.問題がなければ画面右上にある[削除]をクリックします。
  • 5.すると[削除の確認画面]が表示されます。
  • 6.問題なければ[はい]をクリックします。

これで「仮想マシン(VM)」のリストの右側に[削除]に変わっています。しかし、これで削除作業が完全に終わったわけではありません。まだ使用していたリソースの削除作業が残っています。

2.リソースグループの削除

以下はリソースグループの削除作業の手順となります。作業を行う前に注意点としてディスクも削除致しますので「データ移行」が完了していることが前提となります。一度ディスクを削除してしまうと復旧作業が行えませんのでご注意ください。また今一度削除対象となる「リソースグループ名に間違いがないか」の確認も同様に行ってください。

  • 1.リソースグループのアイコンを開きます。
  • 2.開くとリスト中に[削除]の状態になっているものがありますので、そちらを選択ます。
  • 3.リスト中に[種類]のリスト中に、[ディスク] [ネットワークインターフェース] [ストレージアカウント] [パブリックIPアドレス]などがありますので、それらすべてチェックします。
  • 4.チェックを入れたら[削除]を押します。
  • 5.押したら日本語で[はい]と入力して[削除]を押します。
  • 6.画面右上の通知アイコンに通知が出ましたら削除が完了となります。

5.まとめ

仮想マシン(VM)の削除の作業はいたって簡単ですが、仮想マシン(VM)を削除してそこでおしまいというわけではありません。必ず利用していた「リソース」の停止状態(削除)作業も忘れずに行う必要があります。また、診断用アカウントがないと仮想マシン(VM)の起動失敗の原因となりますので、対象を間違えないように十分な注意を払った上で作業を行いましょう。

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