AI開発の基本

AI開発

現在様々な企業がAI開発に力を注いでいますが、AI開発はどのように行われるのか、どうすれば個人でもできるのか説明していきます。実際、開発したいけど難しそうに思う方がいらっしゃるので簡単に開発が可能なサービスも紹介します。

AI(人工知能)とは

AIの定義は人それぞれで多少のずれがありますが、総務省平成28年版情報通信白書によると「人工的に作られた人間のような知能、ないしはそれを作る技術。人間のように知的であるとは、「気づくことのできる」コンピュータ、つまり、データの中から特徴量を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータという意味である」と名義されています。人口知能を開発するには下記の知識が最低限必要になります。

機械学習

機械学習とは、人工知能における研究課題の一つで、人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術・手法のことで、データから反復的に学習し、そこに潜むパターン(特徴)を見つけ出すこととされています。機械学習を理解するには数学の知識が必要になります。主に線形代数、確率・統計学、微分・積分を利用します。

ディープラーニング

ディープラーニング(深層学習)は「ニューラルネットワーク」と呼ばれるアルゴリズムを何層も使って機械がデータから自動で学習する方法のことを言います。ネットワークの層が多ければ多いほど、複雑な判断を正確に行えるため、「ディープ(深層)」「ラーニング(学習)」と呼ばれています。人間の脳にも存在する脳神経細胞(ニューロン)を模して造られた仕組みまるで人間のように学習ができます。

開発の流れ

AIを開発の際は4つ工程に分かれて行われます。

  • 構想フェーズ:業務・事業がAIで自動化できるか検討し、AIを導入するために必要な定義を作成し、データを収集・整理します。
  • PoCフェーズ:機械学習の仮モデルを構築し、構想段階で考えたものが実現可能かを検証します。実際のデータを用いて機械学習モデルの構築します。
  • 実装フェーズ:PoCフェーズで構築したモデルを本番の運用で求められる性能などに向上させ、構想した業務やサービスを実現するシステムに組み上げていきます。
  • 運用フェーズ:これまでのフェーズを経て構築された機械学習モデルを搭載したシステムを運用していきます。構築した機械学習モデルの精度の監視とシステム全体の保守を行います。

AIでできること

予測

  • 数値予測:売上や需要の予測
  • ニーズ予測:個人や集団などの発注予測やニーズの推移
  • マッチング:コンテンツマッチ広告、検索連動広告

分類

  • 情報判断:画像、文章分類判断
  • 識別:音声認識、顔認証
  • 検知や予知:予兆検知、故障検知

実行

  • 自動化:自動運転、クレーム処理対応、Q&A
  • 生成:画像生成、機械翻訳、文章生成や作曲
  • 最適化:進路の最適化、ゲーム攻略

開発できるプログラミング言語

AIはプログラミング言語で開発を行います。現在では多くのプログラミング言語での開発が可能です。一部のプログラミング言語は下記のようになります。

  • Python:現在、機械学習の分野でのシェア率No.1
  • R:統計解析に強みを持つプログラミング言語
  • Julia(ジュリア):速度が高速で、文法がシンプル
  • C++:最高水準の速度で動作するが、やや難易度が高い

AIが作成できるサービス

初心者がAIを作る現実的な方法としては、「無料ツール」「API」「フレームワーク」を利用して開発する方法がおすすめです。この3つの方法のうち、最も簡単なのは無料ツールやWebサービスを使ってAIを作ることです。APIやフレームワークを利用するためには、プログラミングやIT開発のスキルが必要です。

AutoML

Googleが提供するWebサービス。機械学習の専門知識がなくても、学習データだけあれば機械学習モデルを自動で構築できます。

Neural Network Console

ソニーが提供するディープラーニング(深層学習)のプログラムを生成できる総合開発環境です。Neural Network ConsoleはGUIでニューラルネットワーク構造を視覚しながら直感的に設計、学習、評価ができます。

AIメーカー

AIメーカーは個人で開発された誰でも手軽に機械学習を始められるWebプラットフォーム。画像認識と文字起こしの2つに対応しており、環境構築も不要なので非常に手軽にAI(人工知能)作成を試すことができます。

まとめ

如何だったでしょうか。今回はAIについて説明させていただきました。AI開発自体は多くの人が興味あるものだと思います。実際に個人で開発に挑戦している方もいるのでこの機会にサービスや書籍などを利用して個人で開発してみてもいいかもしれません。