AIエンジニアの必要知識、未経験でも仕事はできる?

0.はじめに

「近い将来、AIに仕事を奪われる」とここ数年囁かれています。「すぐには変わらないでしょ?」と思う方も多くいらっしゃるかもしれませんが、店頭での接客がAIロボットになったり、問合せフォームはAIが回答している場面も昨今見かける様になり、着実にAIが対人の仕事を一部を担っています。では、AIを作る側の人間はどんな仕事をしているのか?未経験でも目指せるのか?本日はAIエンジニアの必要知識・仕事内容について簡単に解説していきます。

1.AIエンジニアが担う役割

AIエンジニアという職種自体、会社により仕事内容が違うことが様々です。一般的なイメージでAIエンジニアとITエンジニアの大きく違う点を挙げるとするならば、「AIに学習をさせて、課題を解決する」という点ではないでしょうか。

エンジニアとしてプログラミングやコンピュータサイエンス、GUIの使用はあれど、AIに学習をさせることはAIエンジニアが担う仕事です。そのため、ITエンジニアの様な「仕様書に沿った内容の実装」ではなく「どうすればAIが正確に処理できるか」を日々試行錯誤します。もちろん、AIは日々進化を遂げているためエンジニアも学習をし続ける必要があります。それでは、AIに学習をさせるためにはどの様な知識が必要になるでしょうか。

2.AIエンジニアの必要な知識

求められる知識として、大きく下記5つが挙げられます。

・ビッグデータ解析

・数学知識

・統計学知識

・機械学習

・プログラミングスキル

なぜ必要なのか、下記に詳しく解説していきます。

・ビッグデータ解析

AIにどのデータを学習させるのかを導く際に必要です。結果から原因を推測する「ロジスティック回帰分析」や関連性のない事象から要因を見つけ出す「アソシエーション分析」等があります。

・数学知識

AIの基礎・正確性を高めるために必要です。特に「線形代数」「微分積分」は必ずと言っていいほどAI開発に使われます。「線形代数」は人間が処理しきれないほどの大量のデータを処理し分類すること、「微分積分」は可能な限り誤差を少なくすることに使用されます。

・統計学知識

データに基づいた新たな可能性を引き出す際に必要です。データ分析の中の一つの手法とも言えますが、例えば「6月にコーヒーが売れる理由を天気を使って説明したい」というときに統計学は用いられます。よく挙がる例としては「回帰分析」「標準偏差」です。そのため、ビジネスにおいて説明・提案をする際に説得力を持ちます。

・機械学習

AIに法則を掴んで自動化してもらうために必要です。有名な話だと、最強の棋士に勝利した将棋AIは機械学習を用いて法則を掴み自動化することで最適な手法で対決に勝利しています。前段の「データ解析・数学知識・統計学知識を自動化すること」というイメージが近いかもしれません。

・プログラミングスキル

今まで説明した知識をAIに教えるために必要です。AI開発でよく使われる言語といえば「Python」「C++」がメジャーです。ビッグデータ利用では「R」も使用されます。データ解析、統計学知識をプログラムとして落とし込めるプログラミング知識があることがAIプログラマーと言えるでしょう。

AIは奥が深く他にも必要スキルは様々ですが、代表例は上記の通りです。

3.未経験でもなれるのか

ここまでの説明で「数学は無理だ・・・」「文系を専攻していた自分には若干ハードルが高い」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、理系専攻ではなくても未経験でもAIプログラマーを目指すことは可能です。もちろん、学生時代から勉強していた人たちもいる中、社会人でのAIエンジニア転職を希望するなら相当な努力と覚悟が必要です。勉強のステップは様々ですが、未経験からAIエンジニアを目指すことは若干ハードルが高くなる為、近しいスキルの職種を目指すことから始める方が将来的にAIエンジニアとして仕事ができる可能性は高くなります。下記は、AIエンジニアに近しい職種の一例です。

・ITエンジニア

・インフラエンジニア

・データアナリスト

他にも様々ありますが、中でも「データアナリスト」をはじめとするデータ分析専門職種は、AI関連業界で注目されています。「データ」とつく職種では仕事内容は様々ですが、アルゴリズムの調整や統計を用いたデータ分析調査など、AIが行うことと類似した仕事内容です。最初に数学的知識を身につけるのであればデータ系専門職種、最初にプログラミングの知識をつけるならITエンジニアを目指すことが、後々AIエンジニアを目指す際に役立ちます。

4.最後に

いかがでしたでしょうか?エンジニアにも様々なジャンルがある中、本日はAIエンジニアの簡単な基礎知識・仕事内容をご紹介いたしました。数学に苦手意識がある方も多くいらっしゃるかもしれませんが、AIエンジニアを目指す上では数字的な知識をプログラミングで表現する必要があります。日々学習し続けるAIと同様、AIエンジニアも日々学習を続けることで世界は進化し続けていきます。本日はAIエンジニアの簡単な説明になりましたが、これからAIエンジニアを目指す方にとって少しでも参考になれば幸いです。