Tkinterとは~Python内での役割は?~

はじめに

PythonのGUIライブラリに複数付属していますが、本記事では、標準で付属している「Tkinter」についてどのようなGUIライブラリなのか、どのようなメリット、デメリットがあるのかをご紹介します。

Tkinterとは

Tkinterとは、「ティーキンター」や「ティーケーインター」と呼ばれ、Window、Mac OSX、Linuxといった主要なOSにも対応しているクロスプラットフォームなGUIライブラリです。
Tkinterは、Tcl/Tkをベースにしています。
Pythonで扱うためGUIライブラリで、Python以外でも、Ruby、Perl等の言語でもTkinterのようなライブラリは存在します。

Tcl/Tkとは

Tkinterは、Tcl/Tkを扱うためのGUIライブラリとご説明しましたが、Tcl/Tkについて知っておく必要があります。
まず、Tclとは、「ティクル」と呼ばれ、「Tool Command language」の頭文字を取ったもので、1988年にスクリプト言語として登場しました。Tclは非常にシンプルな仕組みの言語として有名です。
その後、Tk(Tool Kitの頭文字を取ったものです)という、TclでGUI開発を行うためのツールキットが開発されました。
これらを「Tcl/Tk」と呼び、現在でもGUI開発では根強い人気があります。

Tkinterのメリット

Tkinterはどのようなメリットを得ることができるのか、Tkinterの代表的なメリットについてご紹介します。

・標準で付属している

Tkinterの最大のメリットは、Pythonに標準で付属しているGUIライブラリだということです。標準で付属しているということは、開発環境にPythonが入っているだけで、操作するGUIライブラリということです。
他のGUIライブラリを使用した場合、インストールが上手くいかない等の場合もあります。OSなどの環境によっては、非常に面倒さ操作が必要になる場合がありますが、Tkinterでは標準で付属しているGUIライブラリのため、そのようなトラブルは発生しません。
そのため、特にPython初心者の方々が、視覚的に動くものを作成したいと思ったときに問題なく作成することができます。

・シンプルな文法と起動の速さ

シンプルな文法についてですが、Tkinterはシンプルな文法のため、使用する際に分かりやすく、理解がしやすいです。また、処理速度の速さですが、Tkinterは起動の速度が速く、処理速度についても問題ない速度で操作します。
Tkinterはシンプルな文法、起動の速さが評価されており、Pythonにおけるもっとも基本的なGUIライブラリとしての立ち位置を築いています。

・Tkinterのデメリット

Tkinterのメリットについてはご紹介しましたが、デメリットもあります。Tkinterの代表的なデメリットについてご紹介します。

・機能面が乏しい

Tkinter の基にしているTcl/Tkはコンパクトなため、他のGUIライブラリと比べると機能面が乏しいと感じる方も少なくありません。Tk8.5でテーマ付きのウィジェット(UIパーツ)が導入されたことで、使いやすさは向上しましたが、他の大きめのGUIライブラリと比べると機能面が乏しいです。そのため、複雑な機能の実装には向いていません。

・コードが煩雑になる

Tkinterは使用するUIパーツが多い場合、ソースコードが煩雑になってしまい、レイアウトが読み取りにくくなってしまいます。
そのため、ソースコードの解析に時間がかかってしまいます。
また、Tkinter では、ウィジェット(UIパーツ)を配置する際、種類、オプション、レイアウトを順に追って設定しないといけないなどルールがあり、少し面倒です。

・基にしている言語が古い

Tkinterの基にしているTcl/Tkが古い言語のため、情報があまりありません。そのため、滅多に起きませんが、問題やトラブルが発生した場合、自身で解決しなくてはいけない可能性があります。

代表的なTkinter の関数

・Tk()

Tkinterを使用する際に最も重要なのがTk()関数です。Tk()関数を使用することで、メインウィンドウを作成することができます。

・Label()

ラベルを作成したい場合に使用する関数です。Label(text = ‘ラベル名’)のように使用します。

・Entry()

入力ボックスを作成する場合に使用します。Entry(width = 幅)のように使用します。

・Radionbutton()

ラジオボタンを作成する際に使用します。Radionbutton (text = ‘ラジオボタン名’)のように使用します

最後に

今後、エンジニアが不足していくと言われている背景が原因で、近年、エンジニアを未経験から目指している人は少なくありません。エンジニアと言っても様々な種類のシステムの開発を行います。本記事でご紹介したPythonはAIや機械学習に使用されることが多いです。
そのため、Pythonを学習するステップとして本記事でご紹介したTkinterから学習を始め、AIや機械学習を学習するなどの学習ステップをお勧めします。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。