AIと歩む未来

1.はじめに

近年、AIの存在は日本のみならず、世界的に注目を集めており、今後AIの開発が進むことであらゆる産業や商業などで導入が検討されていく中、今後無くなっていく仕事も数知れず存在します。そんなあらゆる面で利用価値が大きく期待される「AI」がこれからの未来にどのような影響を及ぼすのかについて展開していきます。

2.AIが社会進出を果たすと

1.AIが仕事を奪われると予測されている

近い未来において「AIが仕事を奪う」「AIによって仕事がなくなる」などの意見が新聞やニュースでも一時期話題を呼びました。今私たちが従事している職業や、行っている仕事をAIがこなす社会というのは、想像がしにくいものです。しかし、今なおAIの研究、開発は近年の第三次人工知能ブームにより、加速的に発展を遂げています。さらに、機械学習や深層学習(ディープラーニング)を通じて、人間が行う複雑な問題にもAIが対応できるようになるまできております。これをきっかけとしてAIが未来の社会に進出をして、私たちの仕事を奪ってしまうという予測につながるというわけです。
この主張の根拠となるのは、国内外の研究施設で発表された論文にあります。
イギリス、オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授および、カール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究により、近い将来、今ある仕事の90%は機械(AI)に置き換えると発表し、国内では野村総合研究所が10~20 年後に、日本の労働人口の約 49%が就いている職業において、それらに代替することが可能と発表しています。特に「単純作業」や「生産性のある作業」に関しては人間が行うよりもAIで実施した方が効率的であり生産性がとれる高い分野といえます。

2.どんな仕事がなくなっていくのか

近い将来、AIが人間に代わって仕事をするとなれば、以下のような仕事がなくなるとされています。

  • 小売店のレジ
  • ホテルの受付
  • 電話オペレーター
  • データ入力作業
  • 銀行の融資担当
  • 保険の審査担当
  • 筆記、会計、監査の事務員
  • 測定作業員
  • 新聞配達員

上段で挙げた仕事は、ごく一部に過ぎず、こられの仕事の特徴として、共通していえることが2点あります。それは、人間がやるよりも、正確に処理ができる上作業効率が向上することと人間に代わってすべてこなすことができることです。
たとえば、事務員やデータ入力系の作業といった、数字を取り扱う仕事はAIが台の得意とする仕事の1つです。計算や計測作業は正確性が問われるだけでなく、オペレーション上のミスも少なく、AIで賄うことが可能です。また、単純なデスクワークや資料整理、文字入力などの定型業務も上記特徴とガッチするのでAIが代わって作業する方が効率的であります。

3.なくならない仕事

逆にAIが社会に進出してもならない仕事は、以下のような仕事になります。

  • アートディレクター
  • 映画監督
  • 商品開発院
  • フリーライター
  • 医療関係
  • 小中高教員
  • 保育士
  • 俳優
  • 広告ディレクター

上段で上げたAIに代替されにくい仕事もまたごく一部になります。代替されやすい仕事の特徴である2点が当てはまらないものが当てはまります。
複合的な知性や複雑な判断が要求される仕事、あるいは型に捉われないような仕事がなくならないものとなります。該当するものは、芸術や考古学、哲学など、抽象的な概念の理解が求められる仕事は、AIにとってその概念を理解することは困難とされています。また、専門的なコミュニケーションや交渉が求められる仕事も同様です。AIは、人間の感情や発言の裏側までを想定することは非常に困難であるため、代替が困難であることが予測できます。

3.AIの現状

1.現状のAIが抱えている課題

AIは一見して万能にして人間を超えた存在として、大きく取り上げられていますが、今なお発展し続けているAIでもできないことや苦手なこと、課題の1つや2つを抱えている現状にあります。以下はAIが抱えている課題となります。

  • ・データの少ない問題に取り組むことが苦手
  • AIは私たちが物事を学習するように、学習するための教材となるデータが必要となり、データなくして実用的なAIの誕生はあり得ません。しかも、AIは大量のデータを基に学習をします。これは人間が何度も足し算や掛け算などの計算問題を問いて計算を身に着けるようなものです。
    このように学習に用いることができるデータが少ない場合には、十分に学習ができないため、データが少ない問題に取り組むことを苦手としています。

  • 学習したこと以外の実行は苦手
  • 実用的なAIを作成するためには、大量のデータを必要とします。つまりは、現段階においては学習したことのみしかAIは応用が利かず、逆に学んだことのないことを処理するということは困難であります。

  • 言葉の意味、概念を理解・解釈するのが苦手
  • 現状でのAIは、人間のように持っている知識や情報を用いてそれを解釈するということが苦手です。AIにとって、言葉の意味や概念が分からないことや、この世に存在しないものを受け入れ解釈するということができません。AIの学習は人間が用意した「データ」を頼りに学習をしています。そのため、データにないことを理解、解釈しろというのは困難に近いものでしかありません。

  • 倫理的かつ常識的な判断が苦手
  • 過去にAIを実装したGoogleの画像認識システムにおいて問題が起きたことはご存知かもしれません。倫理観のある人間であれば、そのような問題を起こすことはありません。この一件からAIは人間とは違い、「物事の善悪の判断」といった倫理的かつ常識的な考えを持ち合わせておりません。つまりは人間にとって実用的なAIでさえも、意図せずして倫理的な問題行動を起こす事態があります。

  • 自らを問い立てることが苦手
  • AIを使用して何をするか、どのような課題を解決すべきかは、制作者たる人間が設定をしなければなりません。AIは、人間と違い、自発的に課題や問いを立てることが困難です。というより、課題や問いの類は「こんな風になったらいいな」という欲求に基づいて設定するものであり、今現在、人間の欲求を理解できるものは存在しません。ただし、渡されたデータに基づいて課題を見つけるということは、現在のAIで見つけることは不可能ではありません。とはいえ、見つけた課題が本当に解決すべきか銅貨本当に価値のある問題設定なのかどうかは人間にしか判断できないものです。

4.まとめ

AIの発展は私たちの生活をより便利なものにしてくれる反面、多くの仕事をAIが代替してしまう可能性があります。今後の未来においてなくなる仕事もあれば、新たに生まれる仕事、人間がやらねば成り立たない仕事と新しい仕事のスタイルになっていくでしょう。
新聞やニュースでは「近い未来ではAIに仕事を奪われる」と悲観的な表現で述べられていますが、逆に「解放される」という言い方であれば、単純作業となる仕事はすべてAIに任せて、私たちはAIができないような仕事に時間をあてがうことが可能になります。このようにAIとともに「共存」し「仕事を遂行できる」考え方こそが新しい働き方を切り開きます。