Googleが提供するGASとは?

Googleでも用いられるスクリプトとは

Googleが提供されるサービス上で用いられるスクリプトはGAS(Google Apps Script)というものです。GASは、ウェブ開発において幅広く利用されているJavaScriptをベースにしており、JavaScriptをGoogle社が提供する各種サービスを追加で利用できるように拡張したものとなります。GASと単純に呼ぶときはそのプログラミング言語もしくはその開発環境を指します。GASを用いることでサービスを利用した自動的な処理の構築、業務の効率化を図ることが可能になります。

GASについて

GASはよくExcelなどのMicrosoft社が提供するOffice製品で用いられているVBAと同じように考えられがちですが、その実態は異なります。GASは先述した通りJavaScriptをベースとして構築されていますが、VBAはVisual Basicをベースとして構築されています。ベースとしているプログラミング言語の特徴を引きずっている点もありますが、基本的にVBAはオフラインでのローカルPCでの利用がメインであるのに対してGASはウェブ開発を中心に幅広く利用されているJavaScriptをベースにしているためクラウド上での利用が可能でオンラインでの利用に適しています。VBAとGASを比較すると、VBAの方がローカルで動作する分多少マシンのスペックには依存するものの動作が速いといった特徴があります。GASはオンラインでスクリプトを実行する関係上どうしても動作がVBAに比べて若干遅くなります。ところがGASはGoogleのサーバー上で動作するため、オンラインにおけるGoogle社が提供する各種サービスや外部アプリケーションと連携を行える利点があります。どちらを利用するか、は頻繁に作業で用いるアプリケーションなど周囲の環境を考慮した上で検討した方が良いでしょう。

GASを用いるメリットはオンラインで動作すること、他のサービスやアプリケーションとの連携が行いやすい他にも存在します。まず一つ目に挙げられるのは、その手軽さです。他のプログラミング言語の様に開発環境を用意する必要がありません。かつ、無料で利用が可能であるので教材を用いて学習した内容をフィードバックとしてすぐに実践して試してみることが可能です。2つ目のメリットとして挙げられるものは、GASを学習することはJavaScriptの学習のとっかかりになり得ます。GASが使えればJavaScriptが使えるようになる、という単純なものではありませんがGASはJavaScriptをベースにしているためその文法などの基本的な部分には類似点が多くあります。そのためGASを学習する上でJavaScriptを習得している方にとってはハードルが低くなると共にこれからJavaScriptの習得を感がている方にとっても良いきっかけとなります。確かにGASにもデメリットと言える部分はありますが、オンライン環境で作業することは大半となる昨今の情勢においてはほとんどデメリットとならず使えるようになることで得られるメリットが多く存在します。

GASを用いる上で注意しなければいけない点もいくつかあります。GASにおける最大のデメリットともいえる部分が作成したスクリプトの実行時間の制約です。スクリプトの実行時間は通所のGmailやG Suiteのアカウントにおいて最長6分と定められており、スクリプトの実行中に6分を超えるとタイムアウトとなり実行処理を行っているプログラムは強制終了がかかりエラーが発生します。つまり、あまり大規模なプログラムは時間の関係上組めないということとGoogleのサーバー上で実行されている関係上読み込みなどに時間がかかるため、その点も考慮しつつ工夫してスクリプトを組む必要が出てくる、ということです。2点目として、1日のスクリプトの実行回数に上限があるということです。メールの送信の自動化やGoogleカレンダーのイベントの登録など、Google社が提供する各種サービスと組み合わせて自動化のスクリプトを実行することが可能ですが、それぞれのスクリプトに1日の実行回数に上限が設定されています。この上限を超えるとプログラムは実行出来なくなり組んだスクリプトによる処理は動作しなくなります。3点目としてJavaScriptをベースにしているものの、あくまで利用されているのは基本となる構文や制御構文、関数などといった基本部分のみであり、かつベースとしているJavaScriptは最新のものではないためJavaScriptを元々習得していた方からすると利用できない機能などが存在する可能性があります。こういった点には注意しておかなければスクリプトを組む上で問題が生じますので慎重に考慮する必要があります。

GASの利用例

ここまでにも何点か使用例を挙げていますが、改めてGASを用いたスクリプトの利用例について紹介させていただきます。GASのスクリプトが利用されているのはタスクの自動化です。GoogleスプレッドシートにおいてExcellのマクロの様に自動化を行うことも出来ますし、毎日決まった時間に特定のメールを送信する、定期的に決まったサイトやSNSからニュースを収集してくる、といったことでの利用が可能です。マクロのようなGoogle社が提供するサービス内での自動化はもちろんのこと、外部のアプリケーションと連携させることでその価値は何倍にも高まります。

終わりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか。GASは非常に利用価値が高く、G SuiteなどのGoogle社が提供するサービスを業務で利用している場合、GASを用いてスクリプトを作成することは大いにメリットがあります。弊社ではGASを用いたシステム開発の支援なども行っておりますので、これを機に導入を検討されてはいかがでしょうか。