Java Gold を解説!プログラミング未経験者が目指すには難しい!?


Java Goldとは?

Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 8 認定資格
通称Java Goldは、Oracle社によって提供されているベンダー資格です。
その名の通り Java に関する資格であり、Javaアプリケーション開発に必要なプログラミング知識・実装能力を証明する試験です。
Java SE8 資格は ”Bronze”,”Silver”, ”Gold” と難易度ごとに3段階にわかれていて、その中で最も難しい試験という位置づけとなっているのが、この”Java Gold”です。
このJava Goldを取得することでどの程度の実力を証明できるかというと、

・Javaアプリケーション開発に必要とされる汎用的なプログラミング知識
・設計者の意図を正しく理解して、独力で機能実装が行える

以上の能力を有しているということを証明できるということになります。
Bronze や Silver では、上級者の指導のもとで実際にコードを書くといったレベルでした。
それと比較すると1人のJavaエンジニアとして独立できるレベルに達していることが求められる試験であるため、非常にレベルの高いということになります。
当然ながら、実務経験のないエンジニアが1から取得するには並大抵の努力では難しく、設計や細かい仕様まで知り尽くした実務経験が3〜4年以上ある人が受けるようなものです。
「プログラミングのプの字も知らなかったけれど、頑張ったらSilverに合格できたし、Goldもまあなんだかんだ余裕で合格できるでしょう」
という軽い気持ちで学習を始めたとしたら、すぐに打ちのめされること間違いないでしょう。

試験概要

試験名 : Java SE 8 Programmer Ⅱ

これは少しわかりにくいですが、
「Java SE 8 Programmer Ⅱ」という試験に合格することで、「Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 8」という資格を取得できる。
ということです。試験名に資格の名前が入っていないので、受験の際はよく確認しましょう。

・Java Gold は”Java Silver”資格を保有する者だけが受験資格を有します。
Java Goldが欲しいけれどまだ何も資格を持っていません という人はまずSilverを取得しましょう。そこからようやくスタートです。

試験詳細

時間 : 150分
問題数 : 85問
合格ライン : 65%
85問のうちの65%であるため、およそ56問正答すれば試験合格です。

Java Gold の出題範囲

SilverとGoldの出題範囲で被っている個所は2割もない と思ってください。

最初にBronzeを、その後Silverを取得という流れを組んだ人は、Silverの学習で大きく躓いたということはそこまで多くはなかったと思います。
なぜなら、BronzeとSilverの出題範囲は近く、似たような内容のものも多いため、「Bronzeの発展形」というような感覚で学習が進められるためです。
しかし、SilverとGoldの出題範囲はそうはいきません。
Silverまでの知識が基礎として根付いていることを前提として、新しく登場する範囲が大半を占めています。

Java Goldの出題範囲


・Javaクラスの設計
・コレクションとジェネリクス
・ラムダ式、組込み関数型インタフェース
・Stream API
・例外、アサーション
・日付 / 時刻API
・Java I/O、NIO2
・並行性
・JDBCによるデータベース・アプリケーション開発
・ローカライズ

開発におけるデザインパターンやコアライブラリの仕様、関数、地域ごとに対応させるローカライズ、など、まさに実際に世に出すための開発をするのに必要な知識と実装力を求められているのが、出題範囲を見るだけでもわかります。
果たしてJava Silverの範囲と被る点がどれほどあるでしょうか。
かろうじてラムダ式がSilverでも少し出てきた程度でしょう。
これらは実務経験を通して、こういう場面ではJavaではどうする、○○を使う、こういう書き方をする、などと少しずつ身に付けていくものです。したがって、完全未経験でありながら実装の知識まで学習することは、イメージが付きにくく非常にハードな道のりとなります。
目安としては、Silverを合格した段階からスタートしたとして、毎日8時間欠かさない学習時間を確保できたとすると、およそ 1ヶ月半~3ヶ月 はかかるとみて良いでしょう。
逆に、実務経験を経てからであれば、Goldの学習は「経験を通じて得たこれらの知識を再整理するという過程となる」ことに繋がります。経験内容を学習に充てる というこの方法を取ると、学習内容と実際の使われ方がマッチするためイメージしやすく、定着しやすいです。
未経験から資格の学習”だけ”にひたすら工数を投下するよりも、実務経験を経てから再度Goldの学習をする方が、かかる工数で言えば短くなります。

でも未経験だとしてもGoldがあればいい評価されて有利になりますよね?

どんな資格であれ、資格の保有が第一印象にマイナスに働くことはありません。
実際、未経験者がJava Goldを取得していれば、「第一印象」として大きくインパクトを残せることでしょう。
以下ではそのインパクトを与えたい!という方の為に、学習方法の案と教材を紹介します。

主なJava Gold 資格学習用教材

・徹底攻略Java SE 8 Gold問題集[1Z0-809]対応
・オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Gold SE 8
・オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Gold SE 8 スピードマスター問題集

Bronze, Silverでも活躍する上記3冊シリーズは、もちろんJava Goldにおいても大いに役に立ちます。

・徹底攻略Java SE 8 Gold問題集[1Z0-809]対応

黒本と呼ばれる参考書です。
出題される問題は本試験に一番近く、内容が同じ問題(選択肢の順番だけ違う)が出題されることもあります。しかしながら、カバーしきれていない範囲もあり、模擬問題の章で初めて目にする問題というものも多くあります。
黒本で出題された問題は最初から最後まで全て理解し回答できるレベルでなければ、試験の突破は難しいと言えます。

・オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Gold SE 8

紫本と呼ばれる参考書です。
出題範囲における基礎がよく書かれているため、問題を解く中でわからないことが出てきたら紫本に立ち返る、という方法を取れます。黒本と合わせて重要な一冊になります。
ただし、読むだけで頭に入ってくることは難しいくらいにびっしり1ページに内容が詰まっていますので、面倒でも実際に手を動かして動きを確認することが大切です。

・オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Gold SE 8 スピードマスター問題集

白本と呼ばれる参考書です。
完全にGoldの範囲をカバーするためには白本も読み込めば完璧ですが、実際の試験では黒本が最も近い問題が出るため、深く読み込まなくても良いでしょう。

「資格を取ること」だけが目的にならないようにしよう

Java Goldそのものは難試験であるため、合格できればそれは間違いなく深いJavaの知識を持ち合わせていることの証明になります。
しかしながら、実務経験のないまま資格を獲得することはリスクもあります。

Java Goldを持ち合わせていれば当然、設計側も「Java Goldを持っているんだからどんな実装もある程度のカタチで落とし込めるだろう」と期待します。

そんなときに「資格はあるけれど経験は無いので、こういう場面で何をしたら良いのかわかりません」では、自分も設計側も困ってしまいます。当然エンジニアとしての評価はいただけないでしょう。

資格 だけを追い求めすぎた結果、実務では何もできない というジレンマに陥ってしまいかねません。
Silverまでと違ってJava Goldは投下する学習時間が大幅に増加するため、実際にJava Goldの知識を落とし込む時間を削ってしまってこのような事態に陥る可能性もゼロではありません。

特にエンジニアは技術力が伴っていなければただの人です。
いくら資格を取得できた知識があっても、それを活用できなければ現場でお荷物になってしまうのです。

エンジニアとして働くならば、資格を取って終わり。というわけではありません。
Java Goldという難関資格をどのように使っていくか、が大切です。

まとめ

・Java Goldは広範囲のプログラミング知識と、設計者の意図に沿った機能実装を行えるレベルを証明する資格。つまり取得者はそれだけの能力レベルがあるものとして見られる。

Java最高位の資格は未経験者にとって非常に魅力的なものに映ると思います。
Goldの知識を得てから現場に出てエンジニアとして経験を積むのも選択肢の一つだとは思いますが、

「資格だけで何もできない人」 になるか、
「現場で実装や設計ができるだけの人」となるか

これは本人次第です。現場で求められるのは「資格を持つ人」ではなく「実力がある人」ということを忘れてはいけません。
どう仕事していくかをしっかり見据えた上でこそ、挑戦する価値のある資格であると言えるでしょう。

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