有名なデータベース10選|データベースの選び方や種類4つ紹介
データベースって何?
データベースは、データの集合体です。データベースには、ただデータを溜め込むだけではなく、溜め込んだ後に活用しやすい状態で蓄積していきます。
データベースというとIT技術を駆使して構築するイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、多くの人が業務データを登録しているExcelや、カテゴリごとに分類された文書や書類、住所録などもデータベースの一種といえます。
データベースを利用するメリット
データベースにデータを溜め込んでおけば、ある特定の情報が必要になったときに、迅速に適切な情報を探しだすことができます。
蔵書がたくさんある部屋を想像してみましょう。本が無造作にいろいろなところに積み重ねられていると、必要な本を「発掘」する作業が必要になります。
本が分類され、あいうえお順に本棚に並べられていれば、目的の本は簡単に見つけられます。データも整理して蓄積することで、簡単に検索し利用できます。
データベースとDBMSの関係は?
DBMSとは、データベース管理ソフトのことで、データベースを管理するために必要なアプリケーションの集合です。
データベースは、データを蓄積するための入れ物・箱であり、DBMSでは箱にデータをどのように入れるか、どのように箱からデータを取り出すかを管理できます。
DBMSには複数の種類があり、DBMSの種類によってデータベースへのデータの格納の仕方や利用方法が異なり、適した利用場面も異なります。
データベースの種類4つ紹介
ここでは、データベースを管理するためのDBMSの中から、4つの種類を紹介します。いずれも、データベースとして採用されていることが多く、データベースを検討する際も耳にすることの多い種類のDBMSです。
データベースの種類1:階層型
階層型データベースでは、データの親子関係を保持した状態でデータを蓄積します。組織図や家系図のようなデータ構造です。
データを登録する際に、親子をたどるための「ルート」を登録しておくので、データをたどりやすく、検索スピードが速いというメリットがあります。
組織のように、複数の親子関係があり複数の親データに属する子データは、親データごとに登録するので、データ登録が重複するというデメリットもあります。
データベースの種類2:NoSQL
NoSQLとは、その名の通りデータベースを操作する言語であるSQLを使用しないデータベースを指します。
データベースとしての根本的な考え方は、リレーショナル型データベースと大きくは異なりませんが、NoSQL型の方が単純な構造になります。
NoSQL型のデータベースは単純な構造のデータに向いており、データが増えていくことも問題になりませんが、複雑な構造のデータは扱いが難しくなります。
データベースの種類3:リレーショナル型
リレーショナル型は、表形式でデータが蓄積されており、複数の表を関連付けて複雑なデータを構成できます。
リレーショナル型では、重複データの登録を排除することができます。例えば、複数の部署に所属する社員も、「社員」としては1データ登録しておき、所属部署と関連付け、複数の部署に所属しているデータとして扱えます。
複雑なデータの管理に向いていますが、データが増えたときに性能劣化が発生する可能性もあります。
データベースの種類4:ネットワーク型
ネットワーク型は、階層型とデータ構造は近いものの、重複データを持たずに、複数の親データと直接結びつけて管理できます。
重複データを持たないので、階層型よりも効率的にデータ管理ができますが、親:子がn:m(多対多)の関係になるので、管理が複雑になります。
有名なデータベース10選
ここでは、よく使われている有名なデータベースの中から10種類の製品を紹介します。
各データベースでは、得意とするデータ管理や向いている業務が重なり合う部分もあります。各データベースの特徴を見ていきましょう。
有名なデータベース1:PostgreSQL
PostgreSQLは、データベースの種類としてはリレーショナル型データベースにあたります。重複データを持たずに登録できるよう、データ構造を整理して登録していきます。
PostgreSQLは無償で手に入れることができるので、プログラム開発の練習用に用いられたり、小規模システムのデータベースとして採用されていたりします。
有名なデータベース2:Oracle Database
Oracle Databaseは、リレーショナル型の有償データベースです。日本国内のリレーショナル型データベースとして圧倒的なシェアがあります。
Oracle Databaseは、クライアントサーバーシステムの時代から使われてきましたが、最近のクラウド環境にも対応しています。
有名なデータベース3:MongoDB
MongoDBは、NoSQL型のデータベースです。データベース自体はオープンソースですが、サブスクリプションと管理ツールは有償です。
MongoDBはNoSQL型という種類の中でも採用の多いデータベースです。クラウド型のアプリで多く採用されていますが、近年注目されているブロックチェーンのデータベースとしても採用されています。
有名なデータベース4:Microsoft Access
Microsoft Accessは、Microsoft Officeのパッケージに含まれるデータベースアプリケーションです。データベースの種類としては、リレーショナル型であり、リレーショナル型データベースの入門としても使われています。
プログラミングができない人でも、簡単なデータベースシステムを作ることができるので、データベースを理解するための研修で使われることもあります。
有名なデータベース5:Microsoft SQL Server
Microsoft SQL Serverは、Microsoft社の有償データベースです。データベースの種類としては、リレーショナル型にあたります。
業務システムで使われるデータベースとしては、Oracleに次ぐシェアを占めており、Microsoft社製のシステム管理ツールを導入する際にも必要になります。
有名なデータベース6:FileMaker
FileMakerは、データベースの種類としてはリレーショナル型にあたります。
FileMakerはデータベースとしての入れ物だけでなく、データベースを扱うためのプラットフォームソフトです。プログラミングのできない人でも簡単なデータベースアプリケーションを作れます。EXCELからのデータ流用も簡単にできます。
有名なデータベース7:MySQL
MySQLは、オープンソースのデータベースで、データベースの種類としてはリレーショナル型にあたります。オープンソースなので基本は無償ですが、商用利用する場合は有償になります。
無償なので、データベースを用いたプログラミングの研修や個人のシステム開発などで使われています。
有名なデータベース8:SQLite
SQLiteは、オープンソースのデータベースで、データベースの種類としてはリレーショナル型にあたります。
他のリレーショナル型データベースと大きく異なり、SQLiteはソフトウェアに組み込んで使う種類のデータベースとなります。容量もコンパクトなので、携帯端末で動作するソフトウェアに適してるでしょう。
有名なデータベース9:IndexedDB
IndexedDBは、JavaScriptを使ってデータを管理する種類のデータベースです。IndexedDBもプログラムへの組み込み型のデータベースです。
データベースの種類としてはリレーショナル型ではありませんが、キーと値を備え、表形式のイメージを持てるデータ構造となります。
有名なデータベース10:Web SQL
Web SQLは、HTMLで扱える種類のデータベースです。当初はHTML5の標準仕様として検討されていましたが、結果として標準仕様からは外れました。しかし、多くの主要ブラウザで対応されています。
バックエンドとしてSQLiteが使われているので、基本的なSQL文は使えます。データベースの種類としては、リレーショナル型に属します。
データベースの選び方
データベースには、データ構造の持ち方としての種類の違いだけでなく、各種類の中にも多くの製品があることをおわかりいただけたでしょう。これらの中から、どの種類のデータベースを採用するか決めるのは難しいと感じる人も多いでしょう。
ここでは、データベースの種類や製品の選び方について紹介していきます。
有料と無料のデータベースの違い
データベースは各種類とも、無償の製品も有償の製品もあります。同じ製品名であっても、無償のパッケージと有償のパッケージを用意している製品もあります。
同じ製品であれば、無償でも有償でも基本機能は同じです。一般的に、有償の製品の方が、使えるツールが多かったり、保持できるデータ量が多かったりします。
製品種類によって、無償でどこまで提供されるかも異なるので、使用期間や利用可能サイズを中心に確認しましょう。
目的に合ったデータベースを選ぶ
データベースは、データ構造の持ち方の種類によって、適した用途が異なります。人事管理や生産管理などに向いている種類はリレーショナル型であり、ドキュメント管理にはキー・バリュー型と呼ばれるNoSQL型が向いています。
データベースを使う目的を明確にし、目的にあった種類のデータベースを選択することが大切です。
データベースを使用して効率的な業務を実現しよう
多くのデータを保持していても、使いたいときにすぐに見つからないような保存の仕方では、宝の持ち腐れとなってしまいます。
データはデータベースを使って、後々利用しやすい形で保管しましょう。データを有効活用できるか無駄にしてしまうかは、業務にも大きく影響するはずです。