Pythonの標準ライブラリ15選|おすすめの書籍も合わせてご紹介
Pythonの標準ライブラリとは?
Pythonの標準ライブラリとは、プログラムを組むために便利な関数を備えたモジュールを持つライブラリのことです。
Pythonの標準ライブラリを使用することで、複雑な処理をするプログラムを簡単に書けるようになります。またPythonの標準ライブラリには乱数の生成が可能なrandomモジュールや、数学の関数を備えたmathモジュールなど、さまざまなモジュールがあります。
標準ライブラリと外部ライブラリの相違点
標準ライブラリは、Pythonに標準で用意されたライブラリのことで、外部ライブラリは、標準で用意されておらずインストールが必要なライブラリのことです。
標準ライブラリには、importで呼び出せるモジュールに加えてimportの必要がない組み込み関数などがあります。
外部ライブラリは、機械学習で使用するTensorFlowなどがあり、インストールしてからimportで呼び出す必要があります。
Pythonの標準ライブラリ15選
Pythonには、プログラムを組むために便利な標準ライブラリが数多くあります。
具体的には、json、random、math、pip、pandas、Pillow、sys、Numpy、datetime、os、dateutil、re、calendar、matplotlib、sklearnなどがあります。
ここでは、Pythonの標準ライブラリを15個紹介していきます。
Pythonの標準ライブラリ1:json
1つ目のPythonの標準ライブラリは、jsonです。
jsonは、JavaScript Object Notationの略で、RFC7159とECMA-404で定義される、データ交換用のフォーマットです。
さまざまな用途で利用できる、汎用性のあるデータになります。
Pythonの標準ライブラリ2:random
2つ目のPythonの標準ライブラリは、randomです。randomは、疑似乱数を生成できるライブラリで、乱数とはランダムに生成される数値のことです。
たとえば、1から100までの整数の中から乱数を1つ生成すると、1から100までの数の中からランダムに整数が生成されます。
乱数はスマホゲームのガチャやゲームのサイコロなど、さまざまな場面で活用されています。
Pythonの標準ライブラリ3:math
3つ目のPythonの標準ライブラリは、mathです。
mathは、数学の関数を備えたライブラリで、数学的な計算をするのに役立ちます。
mathでは、指数関数や対数関数、三角関数、角度変換、双曲線関数、ガンマ関数のような特殊な関数など、さまざまな関数を使用できます。また、円周率や自然対数の底などの関数で使用する定数も利用可能です。
Pythonの標準ライブラリ4:pip
4つ目のPythonの標準ライブラリは、pipです。
pipは、Pythonのパッケージ管理システムで、WebサービスのAPIを利用するパッケージなどの、インストールが必要な外部のパッケージを簡単にインストールして管理できるようになります。
pipではパッケージのインストールやアップデート、アンインストールや検索など、パッケージに関するさまざまな操作が可能です。
Pythonの標準ライブラリ5:pandas
5つ目のPythonの標準ライブラリは、pandasです。
pandasは、データ解析用のライブラリで、データの統計量を表示したりグラフ化したりするなど、データサイエンスや機械学習で必要な作業が簡単にできるようになります。
データサイエンスはデータの読み込みや並べ替え、欠損値の補完など、pandasは主にデータの前処理で重要な役割を担います。
Pythonの標準ライブラリ6:Pillow
6つ目のPythonの標準ライブラリは、Pillowです。
Pillowは、画像処理のためのライブラリで、画像の拡大などの単純な操作や画像の読み込みなどの、基本的な操作ができることが特徴です。
画像処理でよく使われるライブラリとしてOpenCVというライブラリがあります。OpenCVはPillowと比べて高度な画像処理ができ、状況に応じてどのライブラリを使用するのか、もしくは変える必要があります。
Pythonの標準ライブラリ7:sys
7つ目のPythonの標準ライブラリは、sysです。
sysは、インタプリタに関するライブラリで、インタプリタや実行環境に関連した変数や関数がまとめられています。
インタプリタとはPythonなどのプログラミング言語のソースコードを、機械語のプログラムに翻訳・変換しながら処理・実行するプログラムの実行方法のことです。
Pythonの標準ライブラリ8:Numpy
8つ目のPythonの標準ライブラリは、Numpyです。
Numpyは、科学技術計算で使用されるライブラリで、多次元配列を扱えるので機械学習や画像処理、音声処理などの、コンピュータサイエンスの分野でよく使用される言語です。
Numpyは、for文を削減してプログラムの処理速度を速くできたり、シンプルで見やすいコードを書けるようになったりさまざまなメリットがあります。
Pythonの標準ライブラリ9:datetime
9つ目のPythonの標準ライブラリは、datetimeです。
datetimeは、日付や時間を扱うためのライブラリで、日付のデータ整形出力や日付文字列の解析に便利なライブラリです。現在の日付の取得などができます。
datetimeライブラリのtimedeltaクラスでは、ある日時から1日後の日時を求めたり、日付間の間隔を求めたりするなどの、日付同士の演算が可能です。
Pythonの標準ライブラリ10:os
10個目のPythonの標準ライブラリは、osです。
osは、OSに依存した機能を使うためのライブラリで、使える関数や変数は使用するOSによって若干異なります。
osでは、ディレクトリの作成や移動などのファイルの操作やパスに関する操作、現在の作業ディレクトリの表示、そのほかの高度なファイルやディレクトリの操作など、さまざまな作業ができます。
Pythonの標準ライブラリ11:dateutil
11個目のPythonの標準ライブラリは、dateutilです。
dateutilは、datetimeと同じように日付や時刻を扱うライブラリです。dateutilは、うるう年の処理や月単位、年単位の日付演算をdatetimeよりも簡単にできるようになります。
また、日単位の日付の計算に関しても、dateutilで問題なくできます。
Pythonの標準ライブラリ12:re
12個目のPythonの標準ライブラリは、reです。
reは、正規表現に関するライブラリで、パターンにマッチする文字列の検索や文字列の置換など、文字列に関する作業ができます。
正規表現とは文字列の集合を、意味合いを持たせた記号を組み合わせて表現する手法で、文字列の書式チェックや表記ゆれに対応した文字列の抽出など、さまざまな場面で使用されます。
Pythonの標準ライブラリ13:calendar
13個目のPythonの標準ライブラリは、calendarです。
calendarは、カレンダーに関する関数を備えたライブラリで、月曜日を週の始まりとしたカレンダーの操作ができます。calendarにsetfirstweekdayを用いて、ほかの曜日を週の始まりとして設定することも可能です。
また、calendarでは、カレンダーをプレーンテキストやHTMLなどとして生成ができます。
Pythonの標準ライブラリ14:matplotlib
14個目のPythonの標準ライブラリは、matplotlibです。
matplotlibは、Pythonの描画ライブラリで、棒グラフや線グラフ、3Dグラフなどのグラフの作成に役立ちます。
matplotlibは、数値解析や人工知能の開発、画像解析や、あらゆるシミュレーションなど幅広い分野で使用されていて、さまざまなデータを可視化するのに役立っています。
Pythonの標準ライブラリ15:sklearn
15個目のPythonの標準ライブラリは、sklearnです。sklearnは、機械学習のためのライブラリで、現在でも活発に開発がされています。
sklearnは、多くの機械学習アルゴリズムを実装していて、どのアルゴリズムも同じような書き方で利用でき、機械学習のプログラミングに役立つことでしょう。
また、サンプルのデータセットが付属していて、すぐに機械学習を試せます。
Pythonの標準ライブラリを学ぶための本3選
ここまで、Pythonのおすすめの標準ライブラリについて、紹介してきました。
Pythonには、標準ライブラリを学べる本が、数多くあります。たとえば、Pythonライブラリの使い方、色々なPythonライブラリを知るための本、逆引きPython標準ライブラリなどがあります。
ここでは、Pythonの標準ライブラリを学ぶための本を、3冊紹介していきます。
おすすめの本1:Pythonライブラリの使い方
1つ目のおすすめの本は、Pythonライブラリの使い方です。
Pythonライブラリの使い方は、Pythonのライブラリの中から比較的手軽に利用でき、知っておくと便利なものを説明しています。
12種類のライブラリを扱っていて、サンプルプログラムで実際の利用方法を見ながらライブラリの学習ができます。
おすすめの本2:色々なPythonのライブラリを「知る」ための本
2つ目のおすすめの本は、色々なPythonのライブラリを「知る」ための本です。
色々なPythonのライブラリを「知る」ための本はタイトル通り、Pythonのライブラリを知るための本です。それぞれのライブラリについて、最低限必要な使い方を説明しています。
色々なPythonのライブラリを「知る」ための本では、標準ライブラリのほかに、外部ライブラリについても説明しています。
おすすめの本3:逆引きPython標準ライブラリ
3つ目のおすすめの本は、逆引きPython標準ライブラリです。
逆引きPython標準ライブラリは、Pythonの標準ライブラリを活用して数値演算やGUI、テキスト処理などで使えるテクニックを数多く記載しています。
プログラミングの目的別にどのような機能を使えばよいかを解説しているので、実際のプログラミングの現場でも役に立つことでしょう。
Pythonの標準ライブラリには色々な種類がある
ここまで、Pythonの標準ライブラリについてや、標準ライブラリの学習に役立つ本について紹介してきました。
前述したように、Pythonの標準ライブラリにはさまざまな種類があります。おすすめの書籍も参考にしながらそれぞれの特徴を理解し、標準ライブラリをうまく活用することでプログラムを簡単に書けるようになることでしょう。