【種類別】Pythonの仮想環境を使うメリット4つと使い方を紹介!
Pythonとは?
Pythonとはオランダ人プログラマーによって開発された、オープンソースのプログラミング言語です。その用途はさまざまで、WebアプリケーションやAI開発、ビッグデータ解析など多岐にわたります。
Pythonはコードが書きやすく読みやすく、誰が書いても同じようなコーディングとなるように開発されています。また、Pythonは多くのライブラリがあり、それらを利用し簡単にプログラム作成ができます。
仮想環境とは?
Pythonの特徴として仮想環境を構築できるという点が挙げられます。仮想環境とは、同じマシン内に別マシンのようなPythonの環境を構築できることです。
仮想環境は論理的に独立した環境で、パッケージによる依存性や互換性に左右されることなく実行可能となります。
たとえば、本来の環境rootでは合致するバージョンしか動かすことができなくても、仮想環境であればバージョンに左右されずに動かすことができます。
Pythonで仮想環境を使うメリット4つ
Pythonは、現在WebアプリケーションやAI開発など多くの分野で使用されているプログラム言語ですが、その中でも特徴的なのが仮想環境を利用できるという点です。
Pythonで仮想環境を使うということには多くのメリットがあります。ここでは、それらの中からPythonで仮想環境を使うことのメリット4つについてご紹介します。
仮想環境を使うメリット1:複数のバージョンのPythonを使用
仮想環境を使うメリットに、複数のバージョンのPythonを使用できるという点があります。
異なるバージョンのPythonは、通常の環境では一緒に使用することができませんが、仮想環境においては異なるバージョンであっても同時使用が可能になります。
複数のバージョンをインストールしている場合には、仮想環境においてバージョン指定することにより、異なるバージョンを使い分けることが可能になるのです。
仮想環境を使うメリット2:モジュールの入れ替えや追加が可能
仮想環境を使うメリットに、モジュールの入れ替えや追加が可能になるという点があります。
仮想環境を利用することで、システム全体で使用しているPythonの環境に影響しないように、pipコマンドなどを用いてモジュールを追加や入れ替えを行うことができます。
モジュールによってインストール方法は異なりますが、pipコマンドは多くのモジュールにおいて使用可能になります。
仮想環境を使うメリット3:同じモジュール内でバージョンの使い分けができる
仮想環境を使うメリットに同じモジュール内でバージョンの使い分けが可能という点があります。
モジュールとはファイルのようなもので、そのファイル内に関数が格納されており、他モジュールを読み込むことによりモジュール内の関数を使用できます。
モジュールは目的により使い分けられますが通常は同じバージョンを使用します。しかし、仮想環境を利用すれば、異なるバージョンを同じモジュール内で使い分けることができます。
仮想環境を使うメリット4:簡単に作れて簡単に削除できる
仮想環境を使うメリットに、仮想環境は簡単に作れて簡単に削除できるという点があります。
Pythonでは仮想環境を作る場合や削除する場合にはコマンドを入力するだけで実行可能です。
Pythonのバージョンアップが頻繁にされている中で、トラブル回避のためには仮想環境を利用することが適していますが、構築や削除が面倒では元も子もありません。仮想環境は構築も削除も簡単であることがとても重要だといえます。
Pythonの主な仮想環境3つ
Pythonの仮想環境には多くのメリットがあるということがわかりましたが、仮想環境を作成するためのソフトにはいくつか種類があります。初めてPythonの仮想環境を使うという方は、どのソフトがいいかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ここではPythonの仮想環境3つをご紹介します。ここで紹介する仮想環境は、Pythonの仮想環境の中でも主要なものばかりですので、ぜひご参照ください。
仮想環境1:venv
venvはPython3.4以降に標準搭載された仮想環境のプログラムで、Pythonがあればすぐに使用できること、そして純正プログラムの安心感があります。機能面では3つ目に紹介をするvirtualenvと大きく変わらないため、使いやすさで決めてもいいでしょう。
ただしvirtualenvと違って、仮想環境始動後にコマンドラインがリセットされるので、以前のコマンドを見るには終了しなければなりません。
仮想環境2:conda
Pythonを初めて使うという方の多くがインストールしている、Anacondaというソフトウェアの中に含まれる仮想環境がcondaです。
condaは管理がしやすく、使いやすい仮想環境です。OSが違っても使い方は同じで、関連するライブラリをダウンロードすることが可能となっています。
また、Pythonのバージョン指定も簡単に設定が可能なため、違う仮想環境へすぐに変えることが可能です。
仮想環境3:virtualenv
virtualenvは、Pythonのサードパーティ製のライブラリで、使用したい場合はインストールをする必要があります。
インストール後、仮想環境を作成する場合は「virtualenv ○○」とコマンドを実行するだけで○○という仮想環境を作成できます。
また、virtualenvでは仮想環境が始動した後もコマンドラインがリセットされることがないため、簡単に前のコマンドを見ることができます。
【種類別】仮想環境の使い方4つ
ここまでPythonで仮想環境を使いたい場合におすすめの仮想環境を3つご紹介しました。
しかし、実際に仮想環境を作りたい場合に具体的にどのようなコマンドを打てばいいかわからないという方も多いでしょう。
ここでは前述の主要な3つの仮想環境において、仮想環境を作成する方法や使用する方法、削除する方法と終了方法の4つの使い方についてご説明します。仮想環境使用の基本手順ですので、しっかり確認していきましょう。
【venv】仮想環境の使い方1:作成方法
venvで仮想環境を作成するには、「python -m venv ○○」(○○は仮想環境名)というコマンドを実行します。仮想環境プログラムのvenvはPython3.4以降のバージョンであれば、すぐ使用することができます。
まずはPythonのバージョンを確認し、該当バージョンであれば、仮想環境の作成を行いましょう。そうすると、コマンド実行により作業ディレクトリ内に仮想環境のファイルが作成されます。
【venv】仮想環境の使い方2:使用方法
venvで仮想環境を使用するには、「○○¥Scripts¥activate」(○○は仮想環境名)コマンドを実行します。このコマンドの実行によりWindowsではコマンド画面が更新されます。
venvを起動し「pip list」のコマンドでライブラリを確認するとライブラリは空の状態であることが確認できます。また、venvでライブラリをダウンロードし、プログラム実行する場合もコマンドを使用し実行できます。
【venv】仮想環境の使い方3:削除方法
venvで仮想環境を削除するには、「○○ rm -rf」(○○は仮想環境名)というコマンドで消去ができます。仮想環境を削除した時点で、作業フォルダも消えていますので、仮想環境は無効化されています。
ただし、venvで仮想環境を削除する場合には、誤操作を防ぐためにも、まずは「deactivate」で仮想環境を終了してから行うようにしましょう。
【venv】仮想環境の使い方4:終了方法
venvで仮想環境を終了するには、「○○$deactivate」というコマンドを実行すれば終了できます。
このコマンド実行後にプロンプトが外れたことを確認しましょう。また、venvで仮想環境を終了するには、端末からログアウトすることでも無効化されて終了できます。
【conda】仮想環境の使い方1:作成方法
condaで仮想環境を作成するには「conda create -n ○○」というコマンドを実行します。コマンド実行後に「進めていいですか?」と聞かれるのでyキーを入力します。
これで仮想環境が作成されます。
【conda】仮想環境の使い方2:使用方法
condaで仮想環境を使う方法としては、「activate ○○」というコマンドを実行します。すると、コマンドディレクトリが「C:」だったものが「○○C:」と、仮想環境○○が使用されていることを示しています。
【conda】仮想環境の使い方3:削除方法
condaで仮想環境を使用し、その後その仮想環境を残さずに削除したいという場合もあるでしょう。
condaで仮想環境を削除するには、「conda remove -n ○○ –all」(○○は作成した仮想環境の名前)というコマンドを入力して実行することで削除ができます。
【conda】仮想環境の使い方4:終了方法
condaで仮想環境を終了するには、コマンド画面そのものを消してもいいですし、また「deactivate」というコマンドを入力するとコマンド画面を残したまま仮想環境を終了することができます。
また、condaの仮想環境から別の仮想環境を使いたい場合には、「conda activate ○○」というコマンドを入れることで違う仮想環境にシフトすることができます。
【virtualenv】仮想環境1:作成方法
virtualenvで仮想環境を作成するにはPCにvirtualenvがあるか確認し、ない場合にはダウンロードします。そして仮想環境を作成するには「virtualenv ○○」というコマンドを入力します。
すると、現在の作業ディレクトリに仮想環境ファイル群が設定されます。virtualenvで作成した仮想環境では作業ディレクトリが作成されていくため、作業ディレクトリ毎に仮想環境を作ることになります。
【virtualenv】仮想環境2:使用方法
virtualenvで仮想環境を使用するには「python ○○」(○○は作業ディレクトリにセットされたファイル群)とコマンドを入力し、実行します。
作業ディレクトリ毎に仮想環境を作成しなければならないため、作成した仮想環境で使用できる作業ディレクトリは既にセットされたものということになります。
【virtualenv】仮想環境3:削除方法
virtualenvで仮想環境を削除するには、プロジェクト直下に作成されたフォルダを削除するだけで、削除が可能です。
virtualenvで仮想環境を削除するには、「rm -rf ○○/」(○○は仮想環境名)コマンドで実行できます。
【virtualenv】仮想環境4:終了方法
virtualenvで仮想環境を終了するには、「deactive」というコマンドを実行すれば終了することができます。もしくは、コマンド画面を閉じるという方法もあります。
仮想環境を使用してPythonを快適に使いこなそう
Pythonでは仮想環境を使用することにより、バージョンにとらわれることなくプログラム実行ができるというメリットがあります。Pythonの仮想環境は使用していくほどに、手放せないほど便利なものと感じる方も多いでしょう。
ここで紹介した内容も参考にして自分に適した仮想環境を探し、仮想環境を使用してPythonを快適に使いこなしましょう。