Webエンジニアの残業についての詳細3つ|残業が厳しいと思ったときの対処法

Webエンジニアの労働環境は良くない?

今回は、Webエンジニアの残業についての詳細3つと残業が厳しいと思ったときの対処法について紹介していきます。Webエンジニアを目指している方は、Webエンジニアのリアルな労働環境を把握しておきましょう。

Webエンジニアに限らず、IT全般は慢性的に人材が不足しています。人材が不足していることで一人当たりの負担が多く残業が増えるため、Webエンジニアの労働環境は良いとは言えないでしょう。

Webエンジニアの仕事の流れ3つ

はじめに、Webエンジニアの仕事の流れ3つについて紹介していきます。Webエンジニアの基本的な仕事は、要件定義と企画・開発業務・サイトの運用・保守、という流れになっています。Webエンジニアの基本の業務になるので、しっかりと把握しておきましょう。

Webエンジニアの仕事の流れ1:要件定義と企画

Webエンジニアの仕事の流れとして1つ目は、要件定義と企画です。要件定義とは、クライアントとヒアリングし、正確に要望を汲み取り、その要望をどう叶えていくのかを文章としてまとめたものです。

企画は、新規の事柄の計画です。企画は、Webエンジニアだけではなく、プロデューサーやディレクター、マーケターと協力して行うこともあります。

Webエンジニアの仕事の流れ2:開発業務

Webエンジニアの仕事の流れとして2つ目は、開発業務です。開発業務では、開発環境を整え、実際にプログラミングやコーディングなどサイト制作を行っていきます。

プログラム言語は、現場によって異なりますが、PHP・HTML・JavaScript・Ruby・Java・Python、などが使われています。クライアントから急な仕様変更を希望されることもあるので、柔軟に対応する能力が問われるでしょう。

Webエンジニアの仕事の流れ3:サイトの運用・保守

Webエンジニアの仕事の流れとして3つ目は、サイトの運用・保守です。Webサイトをユーザーに提供していく上では、設計や開発業務以上に、その後の運用、保守作業が重要になってきます。

サーバー上の処理に不具合が発生しないよう、定期的にバックアップを取得したり、エラーが起きたりした際はモニタリングし、バグを発見した場合は修正、復旧を行います。正常かつ安全にサービスを続けていく上で欠かせない仕事です。

Webエンジニアの残業についての詳細3つ

Webエンジニアの残業とは、どの程度の残業時間なのか、残業代はきちんと出るのか、残業が多くなる時期はいつなのかなど、気になってしまう部分ではないでしょうか。

次は、Webエンジニアの残業についての詳細3つについて紹介していきます。Webエンジニアの平均残業時間・みなし残業が多い理由・Webエンジニアの残業が多くなる時期、について見ていきましょう。

残業についての詳細1:Webエンジニアの平均残業時間

エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」によると、Webエンジニアの平均残業時間は、1カ月24.8時間です。

建築・土木系エンジニアが28.4時間、素材・科学エンジニアとITエンジニア20.4時間、製造系エンジニア(制御・ソフトウェア系)は18.2時間なので、他業種のエンジニアと比較すると、平均的残業時間は多い職種になるでしょう。

残業についての詳細2:みなし残業が多い理由

Webエンジニアは、みなし残業を取り入れている給与形態が多いです。みなし残業とは、「みなし時間」によって残業を行うことを認める制度であり、毎月の給与の中で一定の時間外の残業代を含ませて支払う固定残業制度とも呼ばれています。

Webエンジニアにみなし残業が多い理由としては、残業して当たり前という方向性があることと、企業にエンジニアが少ないことが主な要因としてあるでしょう。

残業して当たり前という方向性がある

開発には納期が決まっているため、納期までに間に合わなければ、残業することで間に合わせるというのが当然という考え方が、Web業界や実際の開発現場には根付いています。

Web系に限ったことではありませんが、納期がある業種は残業ありきの現場、職種ということが認識として浸透しているため、みなし残業の形態は多いでしょう。

企業にエンジニアが少ない

納期に間に合わず残業になりやすい傾向としては、Web系の開発現場は常に人材不足なため、一人で請け負う業務が多く余裕がないため、予定通りに進みにくいことがあります。

「月に○○時間残業で△△万円支給」という契約でも、企業内にエンジニアが少なければ自分が請け負った仕事は全て任されてしまうので、少ない賃金で残業する可能性もあるでしょう。

残業についての詳細3:Webエンジニアの残業が多くなる時期

Webエンジニアの残業は、プロジェクト毎の納期前・システムのリリース前・急な仕様の変更・バグやシステムトラブル発生時、などの時期に多くなる傾向があります。少数精鋭で開発しているベンチャー気質の会社の場合は、特に多忙になるでしょう。

プロジェクト毎の納期前

スムーズに開発が進んでいれば、そこまで残業は多くないこともありますが、基本的にプロジェクト毎の納期前は多忙になるでしょう。システム開発において、納期は絶対に守らなければならない存在です。

納期に間に合わないと罰則金が発生する可能性もあり、クライアントとの今後の取引にも影響するため、納期の遅れが無いよう、プロジェクト毎の納期前は激務になるでしょう。

システムのリリース前

リリース日に、きちんとした状態のシステムを間に合わせなければ契約違反となり、違約金が発生する可能性もあるので、リリース前はチェック体制が強化され、作業時間が増える傾向にあるでしょう。

リリース日が迫っているので、修正対応の時間に余裕がありません。作業時間は深夜までかかる日が続いたり、徹夜になったりすることもあるでしょう。

急な仕様の変更

なぜ急な仕様の変更が発生する時期は、Webエンジニアの残業が多くなるでしょう。急な仕様の変更によって、予定にないシステムをプラスしたり、新しいシステムを入れたりすることでそれまでのプログラムに不具合が起きる可能性もあり、確認作業も増えてしまいます。

元々の予定でスケジュールを組んでいるので、急な仕様変更が入った部分は予定になく、納期が近い場合には大抵激務になることが予想されます。

バグやシステムトラブル発生時

バグやシステムトラブル発生時は、すぐに修正、復旧させなければならないため激務になります。急いで復旧させる理由としては、例えばショッピングサイトであれば、システムに問題が起きていると、ユーザーは買い物ができず、その間売り上げは0になってしまいます。

ショッピングサイトでなくても、表示がおかしいとユーザーが離れてしまうことがあるので、トラブル発生時は急いで対応しなければならないでしょう。

Webエンジニアの残業が厳しいと思ったときの対処法2つ

すでにWebエンジニアの職についたものの、残業が辛すぎて困った、という方もいるでしょう。次は、Webエンジニアの残業が厳しいと思ったときの対処法2つについて紹介していきます。

Webエンジニアの残業が厳しいと思ったときの対処法は、残業時間を短くなるようスキルアップするか、思い切って会社を変えて、今よりも余裕がある体制を作っている企業への転職を考えたほうが良いでしょう。

残業が厳しいと思ったときの対処法1:スキルアップを目指す

残業が厳しいと思ったときの対処法として1つ目は、スキルアップを目指すことです。スキルアップすることで仕事のスピードは上がり、今よりも残業時間が減る可能性は高いでしょう。

ただし、これはスキル不足で残業してしまう場合に限ります。スキル不足ではなく、単純に数人分の仕事を任されてしまったなど、仕事の量が膨大過ぎる時は、仕事の振り分けをプロジェクトリーダーなど取りまとめている人にお願いしましょう。

残業が厳しいと思ったときの対処法2:転職を考える

残業が厳しいと思ったときの対処法として2つ目は、転職を考えることです。扱っているプロジェクトの傾向や人材不足など、会社によって自分の努力でどうにもならない労働環境のことがあります。

残業によって自分の時間が持てず、睡眠不足や食生活も乱れがちになっているのであれば健康を損なうリスクも高くなります。このような状況の時は、会社を変えることを視野に入れましょう。

Webエンジニアの残業以外でも大変なこと3つ

最後に、Webエンジニアの残業以外でも大変なこと3つについて紹介していきます。Webエンジニアの仕事で大変なことは残業だけではありません。

Webエンジニアの残業以外でも大変なことには、速度感が求められる・技術の変化が激しい・1人の負担が重い、などがあります。

残業以外でも大変なこと1:速度感が求められる

残業以外でも大変なこととして1つ目は、速度感が求められることです。現在Web業界は、アジャイル開発が中心となる流れがあります。アジャイル開発は、多くの場合チームに分かれて小単位で実装とテスト、実装を繰り返して開発を進めていきます。

チームに分かれて作業しているため、作業全体の進捗具合を把握しにくいデメリットがあります。速度感を持って作業に取り組まないと納期に間に合わない可能性が出てくるでしょう。

残業以外でも大変なこと2:技術の変化が激しい

残業以外でも大変なこととして2つ目は、技術の変化が激しいことです。Web業界は変化が激しい業界といわれています。今習得した技術が来年はもう廃れていき、使用しなくなってしまうということも十分あり得ます。

新しい技術が登場し流行すれば、常に取り入れていく姿勢が必要になるため、プログラム言語やフレームワークが時代に合わせて次々と変化するでしょう。技術の習得に疲弊してしまうという人は多いです。

残業以外でも大変なこと3:1人の負担が重い

残業以外でも大変なこととして3つ目は、1人の負担が重いことです。大企業の場合は、エンジニアの数も確保されていることが大半なので1人の負担が重くなる可能性は低いですが、ベンチャー企業など少数精鋭で回しているところは1人の負荷が高い傾向にあります。

自分が得意としない分野も対応することを求められるので、作業効率は悪くなり、余裕がない状況の中で仕事をすることになるでしょう。

Webエンジニアの残業の実態を把握しよう

Webエンジニアの残業についての詳細3つ、残業が厳しいと思ったときの対処法についてなど紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

Webエンジニアは仕事柄どうしても残業がつきまとう仕事なので、残業の実態についてはきちんと把握しておきましょう。

残業をある程度受け入れる心構えができる人、Web関連の技術において自主的に学べる人、技術の変化にも対応していける人はWebエンジニアの適正は高いでしょう。