【3タイプ別】ネットワークエンジニアの夜勤の特徴!夜勤がない企業の選び方とは

ネットワークエンジニアに夜勤がある理由

ネットワークエンジニアに夜勤がある理由は、ネットワークを24時間、有人監視する必要があるから、トラブル対応やメンテナンスがあるからです。

ネットワークエンジニアの仕事は主に、ネットワークの設計、構築、運用、そして保持に分かれます。なかでもネットワークの構築と保持は、夜勤と直接的な関わりが深い業務です。

【3タイプ別】ネットワークエンジニアの夜勤の特徴

ネットワークエンジニアの夜勤の種類は、大きく3つに大別されます。夜間業務と突発的夜勤、シフト制夜勤です。

これからこの3つの夜勤について、上記の順番で解説していきます。

ネットワークエンジニアの夜勤の特徴1:夜間作業

夜間業務では、定期的なメンテナンス業務を行います。

ネットワークの快適な利用を実現するためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。このような定期的なメンテナンスは、ネットワークの利用者が少なく、一定時間システムを止めても支障の少ない、夜間や土日に行われることが多いです。

定期的なメンテナンスを夜中に行う場合、夜勤が発生します。

夜間作業はそれ程多くはない

夜間業務の頻度は、会社や運営しているネットワークの規模によって若干ばらつきがありますが、多くても数か月に一度くらいです。

ネットワークのメンテナンスは、毎日など比較的短い期間では行わないため、それほど頻繁な夜間業務はない、というわけです。

ネットワーク構築業務で発生する

定期的なメンテナンスが主な作業である夜間業務は、ネットワーク構築エンジニアの担当です。

ネットワーク構築業務とは、ネットワーク設計時の計画に基づいて、実際にネットワーク機器を構築し、ネットワークを利用可能な状態にする業務です。

ネットワークを構築したエンジニアが、定期的なメンテナンスを行うのです。

ネットワークエンジニアの夜勤の特徴2:突発的夜勤

突発的夜勤とは、その名の通り、運営しているネットワークにトラブルが起きたその日の夜に、発生する夜勤です。

トラブルに対応してネットワークを正常に保つ、これも、ネットワークというインフラを提供するネットワークエンジニアにとって、大切な仕事の1つと言えるので、こればかりは仕方のない夜勤だと言えるでしょう。

トラブルが起きた場合に発生する

突発的夜勤は、ネットワークにトラブルが起きた時に発生する夜勤です。言い換えるなら、トラブルが発生しない限り、突発的夜勤は発生しません。

ネットワーク構築が貧弱でない限り、トラブルが起こることはそう多くないため、夜勤の頻度は少なめです。

構築エンジニアや保守エンジニアが担当する

突発的夜勤には、構築・保守など、ネットワークエンジニアの一部が従事します。

トラブルの原因が、ネットワーク構築にある場合には構築エンジニアが、ネットワーク保持に問題がある場合には保守エンジニアが、という具合に、トラブルの状況に合わせて、それぞれの専門スタッフが解決にあたります。

これら業種のネットワークエンジニアにとって、多少の夜勤は切っても切り離せない業務内容の一環です。

ネットワークエンジニアの夜勤の特徴3:シフト制夜勤

シフト制夜勤では、夜勤がシフト制になっており、定期的に夜勤が回ってきます。

ネットワークエンジニアは、ネットワークのお医者さんや看護師さんという位置づけであるため、医師の当直や看護師の夜勤をイメージすると分かりやすいです。

2交代制・3交代制がある

シフト制業務は、2交代制と3交代制の2つに分かれます。

「2交代制」とは、1日を2分割し、そのどれかの時間帯に勤務をするやり方です。つまり、1回の勤務時間は、実質12時間ということになります。

「3交代制」とは、1日を3分割し、そのどれかの時間帯に勤務をするやり方です。つまり、1回の勤務時間は、実質8時間ということになります。

担当する時間が夜間の場合、それは「シフト制夜勤」となります。シフト制業務では、3交代制が多いようです。

週に夜勤が入る回数

シフト制夜勤において、夜勤シフトの担当になるのは、週に1~2日程度です。

夜勤以外の曜日にしっかりと体調を整える必要があります。

下流工程で発生することが多い

シフト制業務があるのは、「監視業務」で、「下流工程」と呼ばれています。

「監視業務」は、ネットワークの異常の有無を確認し、異常があれば初期調査を行った後、担当エンジニアに連絡をする仕事です。経験の浅い新人ネットワークエンジニアに任されることが多いため、「下流工程」と呼ばれます。

「監視業務」は24時間休まず、ネットワークの異常チェックが必要な仕事のため、夜間シフトになると、必然的に夜勤が発生するのです。

ネットワークエンジニアの夜勤を避ける方法3つ

「規則正しく、朝起きて仕事をし、夜は寝る生活を送りたい。」と考えている方にとって、夜勤があるとその理想は叶いません。

ここからは、夜勤がつきものとされているネットワークエンジニアが、夜勤を避ける方法について、①「監視業務を避ける」、②「上流工程を担当する」、③「CCNAを取得する」の順番に沿って、詳しく解説していきます。

これら3つの方法はどれも、最終的には「ネットワークエンジニアとしての経験や知識を積む」ことに集約されます。

夜勤を避ける方法1:ネットワーク運用監視業務を避ける

ネットワーク運用における「監視業務」は前述のように、新人でもできる「下流工程」にあたります。24時間の監視が必要な、シフト制業務を避けることで、夜勤を遠ざけることができます。

ただし、新人の下積み時代には、この「監視業務」を担当させる会社が多いため、避けて通ることは困難です。

夜勤を避ける方法2:上流工程を担当する

上流工程を任されるようになると、監視業務がなくなるので、シフト制の夜勤がなくなります。
ただし、上流工程の中にも、ネットワークの構築・保守は、先ほどの「夜間作業」と「突発的夜勤」の箇所で述べた通り、夜勤があります。しかし、下流工程の「監視業務」ほど頻繁に夜勤があるわけではありません。

上流工程の中で、ほとんど夜勤がないのは「ネットワーク設計」や、「情報システム部」、「ネットワーク運用」です。

「ネットワーク設計」は、クライアントと連絡を取って、クライアントの要望に沿ったネットワークを計画し、構築のエンジニアに設計書を提出する仕事です。クライアントとの連絡も、設計書を作成するのも日中になるので、ほとんど夜勤がありません。

「情報システム部」は、クライアントのネットワークではなく、自社のネットワークの構築・運用・保守を行う部署です。自社のネットワークの設定変更が必要な場合でも、自社の営業時間後や休業日の日中にトラブル対応をすることが可能なので、夜勤はほとんどありません。

「ネットワーク運用」は、構築・保守のエンジニアと比べると夜勤の頻度は下がります。ネットワークが運用されるのは、クライアントがネットワークを使用する時間帯なので、日中の仕事が多いのです。

夜勤を避ける方法3:CCNAを取得する

夜勤を避ける1番有効な方法は、CCNAを取得することです。

CCNAとは、ネットワーク関連機器メーカー、シスコシステムズ社が実施している、ネットワークエンジニアの技能を世界基準で問う試験です。

CCNAを取得することは、ネットワークエンジニアとしての基礎知識を習得したことの証明に繋がるので、下流工程から早く抜け出したい、就職後すぐに上流工程に携わりたい、と考えているなら、CCNAを取得しましょう。

CCNAは、夜勤がない職種への就職、転職に有利に働く資格です。

ネットワークエンジニアの夜勤業務のメリット2つ

一見デメリットが多そうに見える夜勤ですが、メリットもあります。

ご自身にとって、夜勤のメリットとデメリット、どちらの存在の方が大きいのかを見極めて、夜勤業務を受け入れるか否かを決めると良いでしょう。

夜勤業務のメリット1:深夜手当や夜勤手当が付く

労働基準法第37条では、深夜労働に対して、時給に換算して通常の1.25倍の給与を支払う義務が使用者にある、と定められています。

すなわち、シフト制夜勤などの深夜労働をすると給与がアップするのです。

他には、夜勤の際の出勤時間は昼過ぎであるため、通勤・帰宅ラッシュに巻き込まれないこともメリットの一つです。

夜勤業務のメリット2:監視業務などは不具合が起こらない限り忙しくはない

新人ネットワークエンジニアに任されることが多い「監視業務」ですが、ネットワークにトラブルが起こらない限り、忙しくはありません。毎回トラブルが起きるというわけではないためです。

さらに、「監視業務」をはじめとするシフト制夜勤では、シフトで勤務時間がしっかりと決められており、時間になったら次の担当のエンジニアと交代ができるため、残業がないこともメリットです。

この夜勤の時間を利用して、CCNAなどの資格試験の勉強をすることができる現場も多いです。ここで勉強して、夜勤が終わったら自宅でゆっくり過ごすのも良いでしょう。さらに、夜勤中に利用できる「仮眠室」を設けている現場も多いので、仮眠も可能です。

また、監視業務担当のエンジニアから連絡を受けない限りは、ネットワーク構築・保持エンジニアの突発的夜勤は発生しません。

ネットワークエンジニアの夜勤がない企業の選び方2つ

夜勤を避けるためには、自身のネットワークエンジニアとしての経験や知識を積み上げることのほかに、就職先・転職先の会社を選ぶ方法があります。より確実に夜勤を避けるために、様々な会社の特徴を調べてみることも重要です。

夜勤のない企業の特徴として、「手がけるプロジェクトが豊富である」、「特定の顧客に強い」という2つが挙げられます。

夜勤がない企業の選び方1:プロジェクトが豊富であるか

プロジェクトが豊富であるということは、すなわち企業の規模が大きいということです。企業の規模が大きければ、様々な業務が細分化されており、社員の人数も多いため、夜勤にあたる確率が低くなります。

「極力夜勤を避けたい」という場合には、様々なプロジェックトに携わっている会社を選択しましょう。

ただ、このような企業でも、新人ネットワークエンジニアの頃は基本的に、深夜業務に配属させる企業もあるので、事前のリサーチが必須です。

夜勤がない企業の選び方2:特定の顧客に強いか

特定の顧客に強い企業は最初から、日中勤務と夜間勤務を別々に募集していることが多いです。

理由は、お得意様に対してしっかりと担当を決めて対応をしたいからです。日中と夜間の担当を分けておいた方が、エンジニア間での連絡が何かと便利です。そのため、最初から時間を分けて採用活動を行うのです。

日中勤務で採用されれば、夜勤とは無縁です。ここでも、しっかりとした企業リサーチが必要です。

ネットワークエンジニアの夜勤業務について知っておこう

ここまで読んで頂いた皆様は、ネットワークエンジニアの夜勤の実態、夜勤を避ける方法と夜勤のメリットをお分かり頂けたと思います。

ネットワークエンジニアにとって、夜勤は身近な存在ではあるけれども、夜勤の頻度や求められるスキルは低く、自身の努力次第で夜勤を避けることも可能です。

一方で、夜勤をすることで所得が上がる、通勤・帰宅ラッシュに巻き込まれなくて済む、など、メリットも存在します。

ネットワークエンジニアとしての就職・転職を考えている皆様は、「自分の暮らし方をこれからどうしていきたいのか」、ということを基準に、日中業務につくのか、夜間業務につくのかを選択するとよいでしょう。