CCNPの試験コース5選|難易度や試験対策4選もあわせてご紹介!

CCNPとは

CCNP(Cisco Certified Network Professional)とは、シスコシステムズ社が提供するシスコ技術者の認定資格の一つです。シスコ技術者認定は難易度別に5段階に分かれ、CCNPはプロフェッショナルレベルの技術を認定します。

エンジニアがCCNPを取得すれば、大規模ネットワークの導入や運用・保守などを行う知識やスキルを有することが証明されます。

CCNPの難易度

まず、CCNPの下位資格であるCCNAの難易度も、近年高くなりつつあります。

また、CCNPはネットワークに関する高度な知識だけでなく各コースに複数科目が設けられ、難易度は決して低くありません。

なお、スキル標準ユーザー協会が示す「ITSSのキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップ Ver11r2」によると、CCNPは7レベルのうち「与えられた作業を全て独力で遂行できるレベル3」にあたります。

CCNPの試験コース5つ

CCNPの仕組みは2020年に改訂され、認定コースが8種類から5種類へ変更されました。

認定コースは「CCNP Collaboration」「CCNP Enterprise」「CCNP Service Provider」「CCNP Security」「CCNP Data Center」に分かれ、どのコースも複数の科目に合格する必要があります。

有効期間は3年間で、失効した場合は受験し直さなければいけません。

CCNPの試験コース1:CCNP Collaboration

「CCNP Collaboration」は、電話やメール、テレビ会議などのコミュニケーションツールを統合することで、コスト削減や生産性の向上などを図ることを目的とした認定です。

具体的な必要スキルは、シスココラボレーションやユニファイドコミュニケーションのアプリケーション、デバイスおよびネットワークの設計、導入、設定、トラブルシューティングに関する高度なコラボレーションスキルが求められます。

CCNPの試験コース2:CCNP Enterprise

「CCNP Enterprise」は、コアエンタープライズネットワーク技術に関する知識が問われます。

エンタープライズネットワークの自動化などの広範囲なスキルが必要であり、今後エンジニアとしての業務において基盤となる認定です。

この認定試験を受けるには、3年~5年のエンタープライズネットワーキングソリューションの実装経験を持つことが推奨されています。

CCNPの試験コース3:CCNP Service Provider

「CCNP Service Provide」は、プロバイダなど大規模インフラ業務に関する試験です。

具体的には、サービスプロバイダーネットワークの設定や検証、最適化、トラブルシューティングなどのスキルが必要になります。

この試験を受けるには、3年~5年のサービスプロバイダソリューションの実装経験を持つことが望ましいとされています。

CCNPの試験コース4:CCNP Security

「CCNP Security」は近年のITの発展に伴って重要性が高まりつつあるセキュリティに関する認定資格です。

具体的に必要なスキルは、ルータやスイッチなどのネットワーク機器のセキュリティや、ファイアウォール、VPNなどの導入やサポート、トラブルシューティングなどの知識が求められます。

なお、3~5年の実務経験を有する人の受験が望ましいとされています。

CCNPの試験コース5:CCNP Data Center

「CCNP Data Center」は、近年のネットワーク環境のクラウド化への移行を踏まえたスキルを有していることを認定する資格です。

具体的に必要なスキルは、ネットワークやストレージの専門知識だけでなく、ユニファイドコンピューティングとユニファイドファブリックの分野における、データセンターの高度な概念に関する知識です。

受験には3~5年の実務経験があるエンジニアに適した資格です。

CCNPを取得するメリット4選

前述した通り、CCNPは難易度が高く、スクールの研修を受けたり、公式のトレーニングプログラムを受講したりする必要があり、多くの学習時間を要します。

さらに、受験費用が1コース(3~4科目)で10~15万円と高額になります。

そんなCCNPを取得するメリットなど、CCNPを取得したあとの情報をまとめました。

CCNPを取得するメリット1:年収アップを目指せる

エンジニアが収入を上げるために大切なのは、知識・スキルと実績です。その知識やスキルを客観的に証明する手段として、難易度の高いCCNPは非常に有効です。

また、実務経験も必要ですが、CCNP資格を取得することで、キャリアアップを図ることができます。プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーへと昇格していけば、当然年収アップが見込めます。

CCNPを取得するメリット2:エンジニアとしての証明になる

CCNPは世界基準の資格であり、国内でもネットワークエンジニアとしてプロフェッショナルレベルのスキルを客観的に証明できます。

しかも、CCNPの受験に際して、数年の実務経験を有することが推奨されているため、CCNPを取得していれば同時に一定の実務経験も証明されます。

ネットワークの構築・運用・管理ができる人材を求めている企業において、CCNPは魅力的な資格です。

CCNPを取得するメリット3:業界未経験でも業界に就きやすくなる

企業がネットワークエンジニアを募集する場合、まずはCCNAの取得を推奨しています。そのため、業界未経験者がその上位資格であり難易度の高いCCNPを取得していれば、熱意やポテンシャルを示すことができ、転職に有利に働くでしょう。

ただし、エンジニアの転職については、資格に加えて実務経験も重視されることも多いため、資格だけがすべてではありません。

CCNPを取得するメリット4:仕事で役立てられる

CCNAはネットワークエンジニアの登竜門であり基礎的な知識の資格です。他方、CCNPはより実務に沿った試験であり、エンジニアとしての業務に役立ちます。CCNPは各分野に細分化され、詳細かつ高度な知識を要するからです。

もちろん、資格で得た知識と実務で必要になる技術理解にはギャップがあり、CCNPの取得がすべてではありませんが、資格取得のために学習することで実務における負荷が大きく減ります。

CCNPの試験対策4選

CCNPの試験は年1回、パソコンで行われます。合格ラインや合格率は未公開です。

その出題形式は、「シミュレーション問題」「選択問題」「ドラッグ&ドロップ問題」「シナリオ問題」で、それぞれ難易度が異なります。

ここでは、 CCNPの試験対策について紹介します。

CCNPの難易度1:シミュレーション問題に向けた対策

シミュレーション問題は実際にターミナル画面を開き、指示に沿って設定を入れるという流れを模した出題形式です。

対策には、Cisco公式のシミュレーターであるパケットトレーサーを使うのが最良の手段でしょう。また、実際に中古のルーターやスイッチなどの検証実機を購入し、コマンド設定を入れてみるのも良いでしょう。

シミュレーション問題は配点が高い項目であるため、必ず正答できるようにしましょう。

CCNPの難易度2:選択問題に向けた対策

選択問題は、複数の選択肢の中から1つだけ、もしくは複数の正解を選ぶものです。

選択問題の勉強法は、まずテキストを集中的に行うことです。また、CCNP受験者向けの情報サイトなども活用しましょう。各情報サイトの選択問題の的中率は非常に高いため、しっかりと反復しておけば、合格を手にできるでしょう。

CCNPの難易度3:ドラッグ&ドロップ問題に向けた対策

ドラッグ&ドロップ問題は、解答領域に選択肢の中から正しい項目をドラッグ&ドロップで配置するという出題形式です。組み合せを自分で選択しなければならないため、選択問題よりも若干難易度が高くなっています。

ドラッグ&ドロップ問題の対策は、選択問題同様、テキストでの学習で何度も問題を解きましょう。それぞれの選択肢の概要をしっかりと掴んでおくと回答がしやすいでしょう。

CCNPの難易度4:シナリオ問題に向けた対策

シナリオ問題は、ある1つのネットワークから複数の設問が出されます。実際にコマンドを叩いて回答します。

シナリオ問題に対する勉強法は、実際にコマンドを入力する練習が必要になります。公式ラーニングパートナーの教育プログラム(集合研修)や大手情報サイトのトレーニングモードを受講して対策しましょう。

CCNPの取得を目指してみよう!

CCNPの試験コースの詳細や難易度、取得するメリット、試験対策などを紹介しました。

ネットワークエンジニアとして年収を上げたい場合は、資格取得だけでなく、実務経験が不可欠です。ネットワークの運用・保守だけではなく、設計や構築に携わる上流工程の実績を増やしましょう。

CCNPは難易度の高い資格です。長期的な視野でCCNPの取得を目指し、資格と実務経験でキャリアアップを図りましょう。