プログラムにおけるアルゴリズムとは?アルゴリズムの必要性3つ

プログラムにおけるアルゴリズムとは

「アルゴリズム」とは問題解決のための計算方法や処理方法であり、プログラムの基盤となるものです。

例えば交通機関を利用する際に「乗り換え検索」を利用したことがある人も多いでしょう。所要時間・料金・乗り換え回数ごとに複数の検索結果が出てきます。

何を優先させるかによってアルゴリズムは変わってきます。アルゴリズムは目的の動作を行うための一連の命令であり、プログラムにとって重要な役割を果たします。

プログラムにおけるアルゴリズムの必要性3つ

現代のコンピューターの進化は、仕事の効率化や人々の便利で豊かな生活を実現しています。コンピューターは多様なプログラムによって稼働しますがそのプログラムの基礎となるものがアルゴリズムです。

ではプログラムにおけるアルゴリズムは、具体的にどのような役割を果たしているのでしょうか。

ここでは、アルゴリズムの必要性を3つご紹介します。

プログラムにおけるアルゴリズムの必要性1:パフォーマンス向上

アルゴリズムはパフォーマンスを向上させて結果が出るまでの時間を短縮することが可能です。

コンピューターやサーバーには「サイバースペース」と呼ばれる仮想空間があり、この中にデータを格納しているデータベースが存在します。プログラムで命令することにより、コンピューターはデータベースに必要なデータを取りに行きます。

そのデータを取りに行く回数が少ないほどパフォーマンスが高いことになります。

プログラムにおけるアルゴリズムの必要性2:保守性を高める

プログラムには機能の追加・変更、障害発生への対応がしやすい「高い保守性」が必要であり、優れたアルゴリズムはそれを可能にします。

コンピューターにおいて、正常な状態を保つことを「保守」といい「保守性」は保守のしやすさを表します。

プログラムにおいて、大切なことは「分かりやすさ」です。難解で複雑なプログラムは、後から修正する際に作った本人でもすぐに対応できない可能性があるため保守性は重要な要素です。

プログラムにおけるアルゴリズムの必要性3:プログラムの処理能力に大きな差を無くすため

アルゴリズムは、プログラムの処理能力に大きな差を無くすことができます。

プログラムは内容によって処理速度が変わりますが、近年の容量の大きいコンピューターは処理能力速度が上がったと感じる人も多いでしょう。

処理速度には動作環境も関係しますが、プログラム開発時において重要なのはアルゴリズムの計算時間の指標である「計算量」です。

計算量を適正化することでデータ量が増えても処理能力を高めることができます。

アルゴリズムの種類4つ

コンピュータープログラムの基盤となるアルゴリズムには、さまざまな種類があります。

身近なところでは、インターネットやSNS、アプリなどにもアルゴリズムは使われており、日常生活に浸透しています。いまや人々の暮らしに欠かすことのできない存在とも言えるでしょう。

ここでは、主なアルゴリズムを4つご紹介します。

アルゴリズムの種類1:検索アルゴリズム

検索アルゴリズムとは、検索エンジンにおける検索結果の表示順を決めるプログラムです。

膨大な情報量が存在するインターネット上で、ユーザーが必要な情報を見つけるために必要なのが、検索アルゴリズムです。

検索アルゴリズムは、検索ワードとウェブサイトとの照合、有用性や正確性の確認などを行い、関連性の高い情報を表示します。

「Google検索」などが代表的なものです。アップデートを重ね、利便性を維持しています。

アルゴリズムの種類2:幾何学系アルゴリズム

幾何学系アルゴリズムとは、コンピューターグラフィックの分野で使用されるアルゴリズムです。

幾何学系アルゴリズムには、凸包(とつほう)とレイトレーシングがあります。

凸包は複数の点の集合に対し、それらを全て含む最小の凸多角形を作るアルゴリズムです。レイトレーシング(光線追跡法)は光の動きや反射を再現する方式であり、3Dグラフィックの手法の1つです。

アルゴリズムの種類3:ソートアルゴリズム

ソートアルゴリズムとは、特定の条件のもとでデータを並び替えるアルゴリズムです。

プログラムにおいてデータの並び替えはよく使われる処理方法であり、その種類も多く存在します。隣り合うデータを比較して整列していく「バブルソート」、集合から最小値または最大値を選択・交換を繰り返して並び替える「選択ソート」などがあります。

最終的なソート結果は同じですが、使うアルゴリズムによって並び替え回数や速度が異なります。

アルゴリズムの種類4:暗号化アルゴリズム

暗号化アルゴリズムとは、情報を暗号化する方法です。

情報の漏洩を防ぐ目的で使われています。近年ではあらゆる情報の電子化が進み、セキュリティの強化が不可欠です。

代表的な暗号アルゴリズムは、「公開鍵暗号方式」「共通鍵暗号方式」の2つです。

公開鍵暗号方式は、暗号化と復号に使う鍵が別々で、セキュリティが高い方式です。「共通鍵暗号方式」はそれぞれの鍵が同一で、処理速度が速い反面、安全面は劣ります。

アルゴリズムの学習方法5つ

最近では、テレワークの推奨により、通信・インターネット業界やIT系エンジニアへの注目が高まっています。これから就職する人の中にも、プログラミングに携わる仕事に着目している人も多いでしょう。

プログラミングにおいてアルゴリズムは欠かせませんが、アルゴリズムを習得するためにはどうすれば良いのでしょうか。

続いて、アルゴリズムの学習方法を5つご紹介して行きます。

アルゴリズムの学習方法1:プログラミングテストを実施する

1つ目はプログラミングテストの実施です。適性や得意不得意の分野の把握に役立ち、効率的に学習できます。

2019年12月から、プログラミングコンテストサイトを運営するAtCoder社は、プログラミングスキルを可視化できる試験として、実践を想定した「アルゴリズム実技検定(PAST)」を開始しました。

そのほか、PHP技術者認定試験やRuby技術者認定試験など、さまざまなプログラミングテストがあります。

アルゴリズムの学習方法2:アルゴリズムのソースコードを書く

次にご紹介するのは、ソースコードを書く方法です。ソースコードを書き出し、日をおいて内容を忘れた頃に読み返してみましょう。

一般的に「読みやすく内容が明確」「機能の追加や修正が容易」といったものは、良いソースコードとされています。

自分の書いたソースコードをすぐに理解できれば、良いものといえるでしょう。これを繰り返すことで、アルゴリズムへの知識が深まり、合理的なプログラムの作成に役立ちます。

アルゴリズムの学習方法3:評価が高い書籍を読む

書籍を使った学習も効果的です。

初心者にもやさしい内容であったり、イラスト付きで分かりやすく解説しているものもあるので独学の場合にもおすすめです。

内容が充実した書籍を難易度に応じて段階的に読むと良いでしょう。評価が高い書籍を選ぶことで効率的に学習することができます。

アルゴリズムの学習方法4:企業サービスを利用する

企業サービスを利用することで自分に合ったスタイルの学習ができます。

プログラミングスクールでは正確で最新のスキルを学ぶことができ、難しい分野や不明点を掘り下げて指導してもらえる点が魅力です。通学・オンライン受講の両方に対応している企業もあります。

そのほかに無料の学習サイトやプログラミングアプリもありますので、スキマ時間を利用して無理なく学ぶことができます。

アルゴリズムの学習方法5:プログラムに慣れる

最後はプログラムに慣れることです。

初めのうちは短いアルゴリズムを何度も繰り返し学習して、苦手意識を払拭することがポイントです。その後さまざまな種類のアルゴリズムを使って練習すれば身に付きやすくなります。

また学習方法2の「アルゴリズムのソースコードを書く」と合わせて実践することで、しっかりと身に付けることができるでしょう。

アルゴリズムの例「クイックソート」

「クイックソート」とは高速処理を可能とするソートアルゴリズムの1つです。

初めにデータ列の中間を「基準値」とし、その基準値より大きいか小さいかでデータ列を2つのグループに分類します。その後グループ内で新たに基準値を決めて、基準値より大きい値と小さい値に分けていきます。

クイックソートではこの一連の流れを繰り返すことで並び替えが行われています。

プログラムの効率をあげるにはアルゴリズムを勉強しよう

この記事ではプログラムにおけるアルゴリズムの必要性や種類、学習方法についてご紹介しました。

プログラムは一度作れば終わりと言うものではなく、日々の更新や改善・修正が必要です。プログラムの精度や能力を高めるためには、その基礎となるアルゴリズムはとても重要です。

より良いプログラムを作るためアルゴリズムへの理解を深めましょう。