エンジニアとして転職エージェントを選ぶ際のポイント9選|注意点なども紹介

転職エージェントとは

転職エージェントとは、人材紹介サービスのひとつです。求職者のさまざまな相談に乗りながら、プロの視点で最適なマッチングを見極めて、そこへと求職者を導きます。

具体的な業務は、提出書類の添削、面接へのアドバイス、入社日、給与条件等の企業に対する交渉など、多岐にわたります。

現在は価値観やライフスタイルが多様化したため、企業や求職者のニーズも変化し続けています。その非常に流動的な転職市場の中で水先案内人として活動する転職エージェントの役割は、今後ますます重要になるでしょう。

エンジニアとして転職エージェントを選ぶ際のポイント9選

転職エージェントの役割は、求職者をサポートして転職を効率良く進めることです。それゆえ、エンジニアが転職エージェントを選ぶ際のポイントは、それ以外の人の場合と比べて、特に違いはありません。ここでは、そのポイントについて具体的に見ていきます。

転職エージェントを選ぶ際のポイント1:転職エージェントの強みを調べておく

転職エージェントは、複数の業界にまたがって多くの案件を持つ総合転職エージェントと、ターゲットにする業界や層を絞り込んで専門的な案件を扱う業界特化型エージェントの2種類に大別できます。

分類の仕方は他にもありますが、いずれにしても転職エージェントにはそれぞれ特有の強みがあります。

その強みを把握しておかないと、自分に合った転職エージェントに行き着くまでに時間がかかり、転職活動の効率が悪くなります。

事前に強みを調べてから、転職エージェントに相談するようにしましょう。

転職エージェントを選ぶ際のポイント2:希望する企業や業界の出身者を選ぶ

転職活動はおおよそ3ヵ月から半年かかると言われていますが、その間にいかに自分のニーズに合った企業を紹介してもらえるかが非常に重要です。つまり、転職エージェントの力量は、求職者が転職したい業界に精通していることにあると言っても過言ではありません。

また、自分が狙う企業から内定がもらえるようなアドバイスができるかどうかも転職エージェントを選ぶ際のポイントになります。転職エージェントが希望する企業や業界の出身者の場合、内情に詳しいため、これらの点を満たしやすくなります。

転職エージェントの力量次第で自分の人生が左右されることを考えれば、希望する企業・業界出身の転職エージェントを選ぶことは、大切なポイントのひとつだと言えるでしょう。

転職エージェントを選ぶ際のポイント3:資料だけで求人判断をしない人を選ぶ

冒頭で述べたように、転職エージェントは、プロの視点で最適なマッチングを見極めます。そして、この見極めの対象は、資料だけでなく求職者の能力や人柄を含みます。

そもそもエージェントとは代理人を意味し、転職エージェントは本人に代わって転職希望者を企業に売り込むのが仕事です。それゆえ、転職希望者の人物像を捉えずに提出された資料だけで判断するのは、本末転倒も甚だしいと言えます。

確かに提出資料をよく吟味して整えれば、書類選考は通るかもしれません。しかし、最終的な面接は、あくまで人物評価で決まります。したがって、転職エージェントは、資料だけで判断をしないところを選びましょう。

転職エージェントを選ぶ際のポイント4:将来性を見据えた提案をする人を選ぶ

転職エージェントの役割は、必ずしも転職を目標とするのではなく、転職希望者の納得がいく結果に導くことにあります。それゆえ、転職すべきでないと判断したときは、そのようにアドバイスをします。

したがって、キャリアの相談に乗ってもらうことが重要になるので、転職エージェントは、企業を紹介するだけでなく、将来性を見据えた提案をしてくれるところを選びましょう。

転職エージェントを選ぶ際のポイント5:内定率だけで企業を選ばない人を選ぶ

自分目線の転職エージェントは売上ばかりを追求して、転職者の希望に寄り添わずに内定を承諾させることに注力します。転職先の年収に応じた成功報酬が支払われることが多く、それがその転職エージェントの評価や年収に直結するからです。

こうした背景があるため、転職エージェントが内定率だけにこだわっていないかをシビアに観察して、そうでないエージェントを選ぶようにしましょう。

転職エージェントを選ぶ際のポイント6:細かくヒアリングしてくれるか見極める

転職エージェントに登録すると、次は担当者からキャリアカウンセリングを受けることになります。そこでは、キャリアの棚卸し、PRポイントの整理などと共に、転職に関する要望の深堀りが行われます。

それから、転職するべきか、転職するならどの企業から内定がもらえそうか、職務経歴書はどう書けば通りやすくなるかなどについてアドバイスを受けます。それゆえ、話をよく聞いてしてくれる担当者でないと、これらの点がすべて疎かになり、実りある転職が望めません。

したがって、細かくヒアリングしてくれる担当者がいる転職エージェントを選ぶようにしましょう。

転職エージェントを選ぶ際のポイント7:対応が早い人を選ぶ

転職エージェントの対応の早さは各社で異なります。電話の折り返しやメールが早くレスポンスが良い担当者は優秀だと言えますが、必ずしもそういう人ばかりではありません。

とにかく相手からの反応が早くなければ、転職活動を迅速に進めることができません。特に企業に在籍しながら転職活動をする人は、反応がすぐに来なければスケジュールが組みづらくなります。

転職エージェントの担当者は対応が早い人を選ぶようにしましょう。

転職エージェントを選ぶ際のポイント8:相性が合う人か見極める

転職エージェントを利用すると、相性が合わない人が担当になることがあります。その場合、「希望に合う案件はありません」、「高望みしすぎでは」、「この求人で妥協した方がいい」などと言われて、自分の市場価値の評価にがっかりする確率が高くなります。

市場価値はどの角度から見るかで変わりますが、相性が合わない担当者は往々にしてネガティブな側面に着目しがちです。けれども、担当者が変わればボジティブな側面を見てくれるので、同じ求人でも転職エージェントの違いで選考結果が異なる場合があります。

転職エージェントは、口コミなども参考にして、相性が合うかどうかを見極めて選びましょう。

転職エージェントを選ぶ際のポイント9:希望地域を担当してる担当者か見極める

地元に帰って就職したいなど、働く場所にこだわる転職希望者もいるでしょう。その場合、転職エージェントの担当者が望む地域に精通していることが重要です。その分だけ多く、その地域の案件を紹介してもらえるからです。

また、勤務地については、それほど気を遣うことはありません。むしろストレートに意向を伝えた方が、交渉をスムーズに進められます。

しかし、望んだ勤務地に配属されても、その後に転勤を命じられる場合があります。それゆえ、転職エージェントの担当者は、希望する地域に明るく、転勤の可能性の有無をもアドバイスできる人を選びましょう。

エンジニアとして転職エージェント利用する際の注意点7選

ここまで、転職エージェントを選ぶ際のポイントについて見てきました。しかし、転職エージェントはいくつもあります。ここからは、エンジニアを含めた転職希望者が、転職エージェントをどのような視点で選べば良いかについて見ていきます。

転職エージェント利用する際の注意点1:複数登録しておく

それぞれのエージェントには、求人量が多い、サポート体制がしっかりしている、特定の年齢層に強い、特定の業界に人脈があるなどの特徴があります。それゆえ、複数の転職エージェントを利用することで、1社だけではまかない切れないサービスを他で補うことができます。

したがって、複数の転職エージェントを利用すると、各エージェントの得意なサービスを同時に受けられるので、複数登録をしておくことがおすすめです。

転職エージェント利用する際の注意点2:担当者が悪い場合はすぐに変更する

転職エージェントの担当者が悪い場合は、すぐに変更しましょう。担当者のアドバイスによって人生の岐路が決まることを考えれば、担当者に情けをかける余裕はないでしょう。

変更はそれほど大きな問題ではないため、担当者と相性が合わなかったり、その知識や能力に不満があれば、すぐに交替してもらいましょう。また、担当者の変更が難しい場合は他社を当たってみましょう。

転職エージェント利用する際の注意点3:嘘を報告しない

登録情報や職歴など転職エージェントとやりとりした一連の情報は、特に破棄してほしいと申し出ない限り記録として残ります。それゆえ、登録情報や職歴などについて嘘を報告すると、以前の情報と今回の情報が違うという事態になりかねません。

そうなれば、虚偽報告を行う危険人物と見なされて、紹介案件を限定されるなどの不利益を被ります。それゆえ、転職エージェントに嘘の報告をしないようにしましょう。

転職エージェント利用する際の注意点4:真に受けすぎない

付和雷同タイプの人が、複数の転職エージェントからいろんな情報を聞いたり、アドバイスを受けたりすると、視野が広がる反面、それらを消化し切れずに混乱することがあります。

特に、まだ自分軸が定まってない人がアドバイスを真に受けすぎると、余計にあれこれ選択に迷うため、転職活動が絞り切れずに中途半端で終わってしまいます。

それゆえ、自分軸が確立していない人は、後述する自己分析などを行ってしっかり自分の方針を固めてから、複数のエージェントからアドバイスを受けるようにしましょう。

転職エージェント利用する際の注意点5:求人を重複させない

同じ求人に複数のエージェントから応募することは、企業から「他の転職エージェントから応募が来たよ」と担当者に連絡が入るので避けなければなりません。また、求人の重複は企業とエージェントの担当者の双方に不信感を与えるので、破談となる恐れさえあります。

したがって、複数の転職エージェントを利用している場合、ひとつの案件に対してはエージェントをひとつに絞って応募するようにしましょう。

転職エージェント利用する際の注意点6:自己分析をしておく

自己分析とは、自分の本質を理解するために過去の行動を内省して言語化することです。この自己分析は志望動機を考えるときに限らず、面接の場で自己をPRをするときにも役立ちます。なぜなら、面接では、よく内省ができているかを確認する深掘り質問がされるからです。

そして、面接で内省ができていないと判断されると不通過になります。しかし、自己分析には言語化が必要ですが、特に若い人はこの言語化のスキルが十分ではありません。それゆえ、転職エージェントの助けを借りて自己分析すると良いでしょう。

転職エージェント利用する際の注意点7:口コミサイトなどで下調べしておく

口コミサイトは、「担当者からなかなか連絡が来ない」、「態度が高圧的だった」などエージェントの対応に関する厳しい投稿が多くを占めます。しかし、面談で詳細な転職プランを考えてくれた、別のスタッフは丁寧に接してくれたなどの感想も見られます。

いずれにしても、口コミサイトは転職エージェントの実態を把握するのに役立つので、口コミサイトで事前に下調べてしてから、自分に適した転職エージェントを探しましょう。

転職エージェントを未経験エンジニアで利用する場合3選

転職エージェント選びでは、いかに自分にとって優良なキャリアコンサルタントに出会えるかが非常に重要です。しかし、転職未経験のエンジニアが転職を目指す場合、それに加えて以下の3点を考慮することも大切です。ここでは、それらについて見ていきます。

未経験エンジニアで利用する場合1:未経験エンジニアの年齢上限を調べておく

年齢、性別、国籍、地域などの内容は、法律により募集段階で制限することが禁じられています。しかし、転職エージェントは企業にヒアリングしているため、その求人票の裏に隠された募集スペックを理解しています。

それゆえ、転職未経験のエンジニアは、エージェントに聞くなどして年齢の上限を調べておくことが大事です。そうでないと、せっかく応募しても通過せず、労力が無駄になってしまいます。

それを避けるために、エージェントに受けたい企業に年齢制限があるかを率直に尋ねてみましょう。

未経験エンジニアで利用する場合2:文系の要素もあることを理解する

文系卒でもエンジニアになることは可能で、実際にエンジニアとして多くの文系出身者が活躍しています。逆に理系出身者でも、社会人としての振る舞いやマナーなど文系の要素をしっかりと身に付ける必要があります。

社会人経験を数年積んだ後に転職する人は、基本的なビジネスマナーを既に習得していますが、新卒者の場合、名刺の渡し方や電話のかけ方などを初めから学ばなければなりません。

またどんな職種でも、自社の商品やサービスについて詳しく知る必要がありますが、これも文系的要素と言えます。

社会人経験の長さにもよりますが、転職未経験のエンジニアは、文系的要素の習得を求められることがあることを理解しておくと、転職してから慌てることがないでしょう。

未経験エンジニアで利用する場合3:営業職も考えておく

新卒者は基本、卒業時にどんな実務的スキルを持っているかによって配属先が決まります。そして、理系の学生は卒業時点で専門的な知識を習得しているので、研究内容が仕事に直結することが多々あります。

しかし、文系の学生の転職は営業職しかないという固定観念には根拠がありません。文系大学を卒業して営業職以外に転職した人は数多くいます。逆に、理系大学の出身者でも、セールスエンジニアとして営業に配属されることもあります。

転職未経験のエンジニアは、転職の際に営業に回されることも考慮しておかないと、それを望まない場合に後で後悔することになります。

その可能性の有無を、信頼できる転職エージェントにしっかり確認しておきましょう。

転職エージェントを利用してエンジニアのキャリアアップに繋げましょう

ここまでエンジニアが転職エージェントを選ぶ際のポイント、利用する際の注意点について、転職未経験のエンジニアの場合を含めて見てきました。転職エージェントは複数登録するのが基本で、無料なのでまずは利用するのが得策です。

その際、ポイントとなるのがキャリアコンサルティングです。上述のように、転職エージェントの役割は、転職希望者を納得いく結果に導くことにあります。それゆえ、キャリアに関する相談では、将来性を見据えた提案をしてもらうことが重要になります。

優秀な転職エージェントを利用して、エンジニアとしてのキャリアアップをはかりましょう。