キャッシュとは?AWSのキャッシュを使うメリット7つとキャッシュの利用例
AWSとは
AWSとは、Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスのことです。
AWSではインターネットを通して、サーバーやストレージ、データベースやソフトウェアなどの基本的なサービスから、データ分析や機械学習、IoTなどのサービスまで利用できます。
AWSは、高いパフォーマンスを発揮するサービスを安価で利用でき、アプリケーションの開発などに役立つことでしょう。
AWSにおけるキャッシュとは
AWSにおけるキャッシュとは、データを高速に処理するために、一時的にデータを保存するためのストレージです。
キャッシュはデータを一時的に保存しておく高速なストレージで、同じデータへのリクエストが発生した際に、データを参照する時間を縮められます。
キャッシュの機能により、修得したデータや計算されたデータを、効率的に再利用できるようになります。
キャッシュの仕組み
キャッシュは、データの保存元である低速なストレージへのアクセスの機会を減らすことで、データの取得性能を高めて、高速な処理を実現しています。
キャッシュ内のデータは、RAMなどの高速にアクセスできるハードウェアに保存され、同じデータのリクエストがあったときに使用されます。
データベースのデータは長期間保存できるストレージに保存されますが、キャッシュは一時的にデータのサブセットが保存されます。
AWSのサービス5つ
AWSには、アプリケーション開発やシステム開発に便利な、さまざまなサービスがあります。
例えば、Amazon ElastiCache、Amazon RDS、Amazon Neptune、Amazon Redshift、Amazon DynamoDBなどがあります。
ここでは、AWSで提供しているサービスについて、5つ紹介していきます。
AWSのサービス1:Amazon ElastiCache
1つめのAWSのサービスは、Amazon ElastiCacheです。
Amazon ElastiCacheは、AWSのインメモリキャッシュのサービスで、インメモリデータストアやインメモリキャッシュとして機能し、高速なデータの処理が可能です。
高速なデータの処理により、大量のデータを使用するアプリケーションの構築や、アプリケーションのパフォーマンスの改善に役立つことでしょう。
AWSのサービス2:Amazon RDS
2つめのAWSのサービスは、Amazon RDSです。
Amazon RDSは、リレーショナルデータベースに関するサービスで、クラウド上でリレーショナルデータベースの構築や管理運用が簡単にできるようになります。
Amazon RDSでは、MySQLやSQL Serverなどの6つのエンジンからデータベースを利用でき、既存のデータベースを簡単にAmazon RDSに移行できます。
AWSのサービス3:Amazon Neptune
3つめのAWSのサービスは、Amazon Neptuneです。
Amazon Neptuneは、フルマネージドのグラフ型データベースで、大量のデータの関係性を保持しながら、データを保存できます。
Amazon Neptuneはフルマネージド型なので、データベースのセットアップやバックアップをサポートしていて、高速なパフォーマンスを発揮するデータベースを簡単に利用できます。
AWSのサービス4:Amazon Redshift
4つめのAWSのサービスは、Amazon Redshiftです。
Amazon Redshiftは、クラウドのデータウェアハウスを構築するサービスで、大量のデータにクエリを実行し、データを分析できるようにするためのツールです。
大規模な構造化データや非構造化データへのクエリを、低コストで高速に実行でき、リアルタイムな分析もできるようになるでしょう。
AWSのサービス5:Amazon DynamoDB
5つめのAWSのサービスは、Amazon DynamoDBです。
Amazon DynamoDBは、フルマネージドなkey-value型のドキュメントデータベースで、大規模なデータも高速に処理できます。毎秒2000万件を超えるリクエストをサポートし、1日に10兆件以上のリクエストを処理できます。
大規模でリアルタイムなレスポンスが必要なアプリケーション開発や、Webサービスの開発などに役立つことでしょう。
AWSのキャッシュを使うメリット7つ
AWSのキャッシュは、AWSのサービスを利用する際に便利なツールで、AWSのキャッシュを使うメリットには、さまざまなものがあります。
例えば、コスト削減、過剰プロビジョニングの必要性を軽減すること、データベースの負荷が軽減できること、アプリケーションのパフォーマンスが上がることなどです。
ここでは、AWSのキャッシュを使うメリットについて、7つ紹介していきます。
AWSのキャッシュを使うメリット1:コスト削減
1つめのAWSのキャッシュを使うメリットは、コスト削減です。
キャッシュを使わずに高速な処理ができるデータベースを構築する場合には、AWSのリソースを追加する必要があり、コストが高くなってしまいます。
AWSのキャッシュでは、高いリクエストレートやIOPSがサポートされていて、データ取得性能を強化しているので、データベースを利用するためのコストを削減できます。
AWSのキャッシュを使うメリット2:過剰プロビジョニングの必要性を軽減する
2つめのAWSのキャッシュを使うメリットは、過剰プロビジョニングの必要性を軽減することです。
プロビジョニングとは、アプリケーション上でのユーザーのリクエストなどを予測して、データなどのリソースを提供できるように事前に準備しておくことです。
AWSのキャッシュでは、インメモリキャッシュにデータではなく一般的なキーを保存することで、過剰なプロビジョニングを削減しています。
AWSのキャッシュを使うメリット3:データベースの負荷が軽減
3つめのAWSのキャッシュを使うメリットは、データベースの負荷が軽減できることです。
AWSのキャッシュでは、重要な読み取り負荷の一部を、バックエンドデータベースからインメモリレイヤーにリダイレクトして、データベースの負荷を軽減しています。
負荷の軽減で、低速なパフォーマンスやスパイク時に発生するクラッシュも防止できます。
AWSのキャッシュを使うメリット4:アプリケーションのパフォーマンスが上がる
4つめのAWSのキャッシュを使うメリットは、アプリケーションのパフォーマンスが上がることです。
キャッシュに使われるメモリは、ハードディスクやSSDなどよりも高速にデータをやり取りできるので、インメモリキャッシュからのデータの読み取りも高速にできます。
高速なデータへのアクセスができるので、アプリケーションの全体的なパフォーマンスも上がります。
AWSのキャッシュを使うメリット5:IOPSの増加
5つめのAWSのキャッシュを使うメリットは、IOPSの増加です。
IOPSとは、1秒当たりの入力・出力オペレーション数のことで、IOPSが高いと大量のデータでも高速にやり取りできます。
分散されたサイドキャッシュとして使われる単一のキャッシュインスタンスは、毎秒数十万単位のリクエストに対応でき、データベースインスタンスを置き換える可能性があるので、総コストの削減にもつながります。
AWSのキャッシュを使うメリット6:アプリケーションの使用量に予測対応出来る
6つめのAWSのキャッシュを使うメリットは、アプリケーションの使用量に予測対応出来ることです。
アプリの使用量のスパイクに対応できるようにすることは大切で、データベースへの負荷がかかると、データを取得するための レイテンシーが大きくなるため、全体的な予測ができません。
高スループットのインメモリキャッシュを利用することで、アプリケーションの使用量のスパイクに予測対応できるようになります。
AWSのキャッシュを使うメリット7:高速で予測可能パフォーマンスが提供できる
7つめのAWSのキャッシュを使うメリットは、高速で予測可能パフォーマンスが提供できることです。
インメモリキャッシュにキーを保存して、過剰プロビジョニングの必要を削減すると同時に、頻繁にアクセスされるデータに対して、高速で予測可能なパフォーマンスを提供できます。
AWSキャッシュは、大規模なデータへのアクセスが必要なシステムやSNSの運用などに役立つことでしょう。
AWSのキャッシュの利用例5つ
AWSのキャッシュは、AWSのサービスを高速かつ低コストで利用できるようになるツールで、AWSキャッシュの利用例には、さまざまなものがあります。
例えば、デザインパターン、アプリケーション、キャッシュの練習法、RAM、インメモリエンジンなどがあります。
ここでは、AWSのキャッシュの利用例について、5つ紹介していきます。
AWSのキャッシュの利用例1:デザインパターン
1つめのAWSのキャッシュの利用例は、デザインパターンです。
分散コンピューティング環境のデザインパターンにおけるキャッシュは、さまざまなシステムからアクセスされる一元的なレイヤーとして機能します。また、ローカルキャッシュは、ローカルアプリケーションでのみ使用できます。
分散キャッシュ環境では、データのコンシューマーすべてに活用されるように、一元的な場所にデータが保存されます。
AWSのキャッシュの利用例2:アプリケーション
2つめのAWSのキャッシュの利用例は、アプリケーションです。
キャッシュは、Webアプリケーションやデータベースなどに利用でき、SNSやゲームなどの読み取り操作の多いアプリケーションワークロードのレイテンシーを削減し、IOPSを改善できます。
データベースのクエリの結果や計算負荷の高い計算、APIリクエスト・レスポンスなどのデータを、キャッシュで一時的に保管しています。
AWSのキャッシュの利用例3:キャッシュの練習法
3つめのAWSのキャッシュの利用例は、キャッシュの練習法です。
キャッシュを使う際に、キャッシュにあるデータの有効性を把握することが重要で、取得されたデータが存在しないなどのキャッシュミスを防ぐことが大切です。
キャッシュに有効期限のコントロールを適用して、必要に応じてデータの有効期限を調節できるようにしたり、必要に応じてキャッシュの可用性を調節したりします。
AWSのキャッシュの利用例4:RAM
4つめのAWSのキャッシュの利用例は、RAMです。
RAMでは、高いリクエストレートやIOPSがサポートされていて、キャッシュによりデータ取得性能が向上し、コストの削減を実現しています。
キャッシュ内のデータは、RAMのような高速にアクセスできるハードウェアに保存して使用され、従来のデータベースやディスクベースのハードウェアを使うよりも、高速にデータにアクセスできます。
AWSのキャッシュの利用例5:インメモリエンジン
5つめのAWSのキャッシュの利用例は、インメモリエンジンです。
データをハードディスクやSSDではなく、RAMなどのメインメモリに読み込むインメモリデータベースを構築するために、インメモリエンジンが使用されます。
インメモリエンジンを利用すれば、従来のディスクベースのハードウェアへのアクセスを削減し、低レイテンシーのパフォーマンスを実現しています。
AWSのキャッシュを利用してパフォーマンスを上げよう!
ここまで、AWSのキャッシュを利用するメリットや利用例などについて紹介してきました。
AWSのキャッシュは、より低コストでAWSのサービスに高いパフォーマンスを発揮させられる便利なツールです。
AWSを利用している方は、ぜひAWSのキャッシュを利用して、AWSサービスのパフォーマンスを上げてみてください。