社内SEの残業についての詳細3つ|平均残業時間はどのくらい?
社内SEの残業は多いの?少ないの?
SEと言うと残業が多いと噂の職業ですが、同じSEでも社内SEは残業が少ないといいます。なぜなら仕事内容が違ってくるからです。
そこで、なぜそのような事になるのか、その仕事内容に関することや残業が少ないと言われる理由などお話ししていきます。
社内SEの仕事内容4つ
上記でも述べた通り、社内SEはSIerのSEとは仕事内容が違ってきます。どちらもシステム開発や運用・保守スキルは等しく必要となりますが、社内SEの方がより幅広いスキルが求められます。
では、どのようなスキルが必要となってくるのか。SIerのSEではしないような社内SEならではの仕事内容について下記にていくつかお話ししていきます。
社内SEの仕事内容1:情報インフラの整備
社内SEは、効率的に業務を遂行できるよう社内の情報システムを構築したり、情報が流出したりしないようセキュリティ対策をしたりという社内の情報インフラの整備などを行います。
近年では、社内だけでなくリモートでも業務を行ったりしますので、社外からも利用できるシステムの構築なども必要で、それにともないセキュリティ対策の方も強化が必要となっており、社内SEの活躍の場は増えています。
社内SEの仕事内容2:サポートやヘルプデスク業務
大企業の場合、社内SEとサポート・ヘルプデスクは全くの別物という扱いで、社内SEはシステム開発などをしていればいいのですが、中小企業ではそうもいきません。
自社のスタッフにシステムの使い方や操作方法を教えたり、OA機器のメンテナンスやトラブル対応をしたりと、社内の技術的な業務に関していろいろと幅広く請け負っていくのも社内SEの仕事の1つとなっています。
社内SEの仕事内容3:ベンダーとの調整
社内システムを外部のシステム会社に発注する場合、会社の代表としてプロジェクトの進捗・品質・工数の管理を行います。
導入されるシステムが購買システムの場合、社内の該当する部署と「なにに使うシステムなのか、そもそも必要なのはどんなシステムなのか」を明らかにするために、他の部署とコミュニケーションをとり、調整しながら進めていくこともあります。
社内SEの仕事内容4:情報システムの企画・設計・構築・運用
会社の経営戦略を実現するためのシステムの導入などを目的とした企画を提案し、採用されたら開発に入りシステムを構築していくこととなります。主に業績アップや業務の効率化、コスト削減などの内容になります。
開発は外注する場合がありますが、いずれにせよ導入後はシステムの保守、変更や拡張などを社内SEが行いながら運用していくことになります。
社内SEの残業についての詳細3つ
続いては、SIerのSEより少ないと言われている社内SEの残業についてです。どれぐらい残業があるのか、なぜ残業が少ないのか、残業が出る可能性があるのはどんな時なのかなどの詳細をお話ししていきます。
残業についての詳細1:社内SEの平均残業
調査の仕方によっても変わってくるでしょうが、社内SEの平均残業時間は概ね13時間台とする調査結果があり、ここではIT系の職種の中では一番少ないという結果になっています。
2番目に残業が少ないのがヘルプデスクでおよそ16時間、その他は全て20時間以上という結果でした。ちなみに、SIerのSEはおよそ27時間とされています。
残業についての詳細2:社内SEの残業が少ない理由
統計の結果を見て、数字の上では残業が少ないということはわかりましたが、残業が少なくなる理由がわからないことには具体的な想像もつかないことと思います。そこで、下記にてその理由についてお話しします。
開発スケジュールが無理なく組めるため
社内SEは会社に所属するSEですので、自社のシステムを扱うのがメインであって取引先から無理な納期の発注を請け負う事はありません。
したがって、自社の中で無理なく開発スケジュールなどを組めるので、残業をしなければならないような事態になりにくいという事が言えます。
ニーズが汲み取りやすい
SIerのSEの場合、発注元の都合で急な仕様変更などもあれば納品後に差し戻され修正しないといけない事態になることがあります。
しかし、社内SEは自社のシステムを扱うのでそういった手間がかかる事もなくニーズが汲み取りやすく結果的に残業を抱える可能性が少なくなると言えます。
残業についての詳細3:残業が出る可能性がある時とは
残業が少なくなる理由などは上記の通りであり、社内SEでほぼ残業がない会社も存在はしますが、残業する事が全くないわけではありません。その残業をしなければならなくなる時とはどんな時かお話しします。
システムの導入時
勤めている会社が新システムを導入した際は想定外のトラブルが発生しやすくなり、その結果トラブルに対処するため残業しなければならなくなるといった可能性が出てきます。
その可能性は会社に勤めている社内SEの人員数にもよりますが、このような時は残業発生の可能性があります。
トラブルが発生したとき
社内SEの主な仕事はシステムの保守であることがほとんどですので、新システム導入の際のトラブルだけではなく、普段の日常業務の中でシステム障害が起こった際も残業しなければならなくなる可能性が出てきます。
会社の業務に支障が出るようなシステム障害が起こってしまった場合は一刻も早く解決しないといけないため、残業の可能性は高いと言えます。
求人票から見る社内SEの残業時間の判断方法3つ
SIerのSEとして働いていて社内SEへの転職を考えている方や、これから社内SEとして働きたいという方も、できる限り条件の良い会社に勤めたいことと思います。
ですが、SIerのSEは残業が多くブラック企業が多いと言われている中、社内SEの求人票に記載されている内容をそのまま鵜呑みにしていいものでしょうか。そこで、求人票から見る残業時間などの判断方法を3つお話しします。
残業時間の判断方法1:残業なしという旨が記載されている場合
実際のところ、社内SEで残業なしという求人を出している企業を普通の求人で見つける事はほぼ不可能でしょう。ほとんどの場合は非公開求人という形で転職エージェントが扱っていますし、人気の高い職になるので競争率も高いです。
そんな求人があった場合、それなりの大きな企業であれば本当に残業なしである期待は持てるかもしれませんが、システムメンテナンスなどがある場合は休日出勤の可能性がないとは言い切れません。
残業時間の判断方法2:残業が月に10~20時間と記載されている場合
このケースですと、上記で述べた社内SEの平均残業時間の範囲内になりますし、このような求人を出している企業がもっとも多く、そこそこの企業である事が多いと思われます。
平均すると1日あたり1時間弱になります。
しかし、これは企業によって違うと思いますが、この場合は人手が十分ではなくトラブルが起こった際に残業になる可能性があるということか、深夜や休日の出勤があると思っておいた方がいいでしょう。
残業時間の判断方法3:残業が月に30~40時間と記載されている場合
社内SEの平均残業時間は13.9時間とお話ししましたが、これはあくまで平均であり社内SEでも残業がかなり多い企業は存在します。もちろん、記載内容通りであればまだいいのですが、中にはそれ以上に残業がある企業も混じっているかもしれません。
平均で1日あたり2時間以上残業しないといけない可能性があり、ピーク時で4時間を越える事があっても不思議ではないかもしれません。
社内SEの残業について把握しておこう
ここまで、社内SEの残業についてのお話をいろいろとさせていただきました。社内SEは平均で見るとIT業界では残業が少なく、残業になる場合そのほとんどがトラブルが起きた場合やシステムメンテナンスなどです。
しかし、社内SEであれ残業の多い企業もあったりしますので、残業についてよく把握したうえで良い転職・就職をしましょう。