AIのAPIとは?利用するメリットとAIのためのクラウドAPIのサービス4つ
AIのAPIとは
API(Application Programming Interface)とは、ソフトウェアやプログラムの機能を共有できるもの、またはその仕組み(インターフェース)です。ソフトウェアやプログラムの一部を公開し、他ソフトウェアとの機能共有を可能にしています。
多くコンテンツの送受信に使うHTTPで提供されるため高い汎用性を有し、主にWeb上の通信で使うことから、Web APIとも呼ばれます。
AIのAPIを利用するメリット6つ
AIのAPIを利用するメリットは主に6つ、効率的なサービス開発・他社データの利用ユーザーの利便性向上・サービス開発のしやすさ・セキュリティレベルの向上・AIを使ったサービス構築が楽になることです。
いずれのメリットも、AIを取り入れたサービスの開発や提供において役立つものとなります。具体的な内容を確認し、APIがどう役立つのかを理解しましょう。
AIのAPIを利用するメリット1:効率的にサービス開発できる
AIのAPIを利用するメリット1つ目は、効率的にサービスを開発できることです。既存サービスの中から自社に必要なプログラムを既に公開しているAPIを使うことで、プログラミングや高度処理を省くことができます。
1からプログラムを組まなくても開発に取り掛かれるため、開発に際したハードルが下がり、開発時間が短縮されるという点も利点となるでしょう。
AIのAPIを利用するメリット2:他社データを利用できる
AIのAPIを利用するメリット2つ目は、他社データを利用できることです。APIで情報のリクエストを行えば、他社のサイトやサービスから最新の情報を取得できます。
取得した情報はマーケティングデータのようになるので、活用次第で自社のサイトやアプリに新機能を追加するために役立ちます。
AIのAPIを利用するメリット3:ユーザーの利便性向上
AIのAPIを活用するメリット3つ目は、ユーザーの利便性向上です。APIは自社サービスと他社が持つサービスを連携できるため、サービス提供にあたって必要な機能を実現することができます。
例としてはホテルと配車アプリで、ホテルアプリと配車アプリの機能を連携することで、ユーザーがホテルや観光地に向かう時の利便性が高くなります。
AIのAPIを利用するメリット4:サービスが開発しやすくなる
AIのAPIを利用するメリット4つ目は、サービス開発が行いやすくなることです。必要なプログラムが公開されたAPIの使用で開発が効率的になるため、開発にかかる時間やコストが削減されます。
また、APIの多くは無料で、バグ修正やシステム運用を自動化すれば負荷を軽減できる可能性があるため開発も管理もしやすいのです。
AIのAPIを利用するメリット5:セキュリティレベルが上がる
AIのAPIを利用するメリット5つ目は、セキュリティレベルが上がることです。連携サービスのAPIを使うことで、ログイン認証の際に該当アカウントでログインすることができます。
会員登録の際にSNSなどのアカウントでログインできる仕組みはAPIによるもので、自社で会員登録機能を作るよりも、Webサービスの大手企業が作ったアカウント機能の方がセキュリティ性が高いため、構築が簡単で信頼度も高くなります。
AIのAPIを利用するメリット6:AIを使ったサービスの構築を楽にする
AIのAPIを利用するメリット6つ目は、AIを使ったサービスの構築が楽になることです。既存サービスから公開済みのAPIを使うと1からの開発が不要になるため、システムやサービスの構築が楽になります。
外部サービスとの連携も簡単になるため、サービスの拡張も容易なことから、知識や技術に富まなくても多様なサービスを提供できるようになります。
AIのクラウドAPIサービス4つ
APIの提供形態にはクラウドもあります。プラネットフォーム側の機能を手軽に利用でき、サーバー作成・リソースの変更や削除・サーバーの起動や停止・ストレージの割当など操作が提供されます。
クラウドAPIサービスはいくつかありますが、中でも特に有名なのはIBM・Microsoft・Amazon・Googleなど大手企業が提供しており、各クラウドAPIについてご紹介しますので、参考にしてください。
AIのクラウドAPIサービス1:IBM Cloud「Watson API」
AIのためのクラウドAPIサービス1つ目は、Watson APIです。IBMが提供するAIサービス&ツールで、APIの機能とAIモデルの管理・監視が行なえるツールが含まれています。
使用する企業に向けてコグニティブ環境が維持もでき、AI技術者がいなくても拡張可能な安定システムが保持され、使用しているシステム内で活用すると様々な変革が可能で、アルゴリズムはビジネスデータから効率的に学習できます。
AIのクラウドAPIサービス2:Microsoft Azure「Cognitive Services」
AIのためのクラウドAPIサービス2つ目は、Cognitive Servicesです。REST APIシリーズとクライアントライブラリSDKを含めて提供されるクラウドベースのサービスで、AIやデータサイエンスの知識や技術がなくても構築が行えます。
このAIサービスのカタログには、視覚・音声・言語・Search・決定があり、自社アプリへコグニティブ機能を追加することが簡単に行えるようになっています。
AIのクラウドAPIサービス3:AWS(Amazon Web Services)「AIサービス」
AIのためのクラウドAPIサービス3つ目は、AWSのAIサービスです。AWS(Amazon Web Services)は世界的に採用されているクラウドプラットフォームで、各国のデータセンターから175以上の機能を提供しています。
サービスの種類が多くその中に機械学習などAIに関するサービスもありAIサービスと他機能を併せて活用することで、低コストでより速く簡単に構築や移行が行なうことができます。
AIのクラウドAPIサービス4:Google Cloud(GCP)「AIビルディングブロック」
AIのためのクラウドAPIサービス4つ目は、AIビルディングブロックです。Googleが提供しているAPIで、Google社の特定アプリが持つ機能を他社のアプリやサービスの中で使うことができます。
例えばGoogle Calendar APIでは、Googleカレンダーの各機能をWebサイトやアプリで表示可能で休日やイベント日などをカレンダーに記入すると、そのままサイトに反映されます。
クラウドAPIの機能8つ
クラウドAPIにはいくつかの機能があります。主な機能8つ、会話・テキスト・視覚・構造化データ・スピーチ・推奨・翻訳・その他の機能です。
同じAPIでも提供元によってどの機能を取り入れているかは異なるため、機能を把握しながら自社に必要な機能は何なのかを考えることも大事ですので、自社に合ったAPIを取り入れるために、機能ごとの内容がどのようなものなのかを確認しておきましょう。
クラウドAPIの機能1:会話
クラウドAPIの機能1つ目は、会話です。会話機能のAPIには、チャットボットとメッセージングがあります。
チャットボットAPIはチャットボットの本体で、言葉や回答データの登録で会話を組み立て可能であり、メッセージングAPIはSNSとチャットボットを繋げるもので、SNS上でチャットボットを使う時に必要となります。Twitter・Facebook・LINE・slackが主流です。
クラウドAPIの機能2:テキスト(NLP)
クラウドAPIの機能2つ目は、テキスト(NLP)です。NLP(Natural Language Processing)は自然言語処理のことで、テキスト文書の分析や解釈を行う機能になります。
また、分析・解釈するテキストをニーズに合わせて組み立てられるカスタムテキスト分析も存在し、もともとのAIサービスが持つNLPが自社ニーズに合致しない時は、カスタムテキスト分析を活用してみましょう。
クラウドAPIの機能3:資格確認
クラウドAPIの機能3つ目は、視覚確認です。視覚確認で行う分析は、画像と動画に分けられます。
画像分析は基本機能に顔認証(感情分析)など顔に特化した高次元ソリューションなどで、動画分析は、物体・場所・行動・商品・動物の種類など映像内に表示されているものを識別するなど機能があり、双方ともカスタムタイプも存在します。
クラウドAPIの機能4:構造化データ
クラウドAPIの機能4つ目は、構造化データです。構造化データ(Structured date)は表形式にまとめられたデータのことで、クラウドAPIではこの構造化データを使って回帰(数値予測)や分析を行えます。
構造化データの回帰と分類には、AutoML(Automated ML)が関係し、AutoMLは自動化された機械学習を表す機能で、自動的に最適機能で学習モデルを選択できます。
クラウドAPIの機能5:スピーチ
クラウドAPIの機能5つ目は、スピーチ(音声)です。スピーチの機能は、音声の合成と認識の2つに分類されます。
音声合成の主な機能は入力されたテキスト自然に読み上げることで、対応できる範囲や制度は提供元によりますが音声認識に関しては音声をテキストに変換することが主な機能となり、合成と同様に対応できる範囲や言語など細かな部分は提供元で違いがみられます。
クラウドAPIの機能6:推奨
クラウドAPIの機能6つ目は、推奨です。推奨(Recommendation)はパーソナライズ機能として、おすすめの商品などをレコメンドできます。
ユーザー1人1人へパーソナライズされた情報を提供でき、提供する場所の選択が可能なものもあり、個人に合った商品をおすすめできるため、自社の商品やサービスのアピールをして利益に繋げることができますし、ユーザーが感じる利便性の向上にも結び付きます。
クラウドAPIの機能7:翻訳
クラウドAPIの機能7つ目は、翻訳です。翻訳の仕方はAPIで異なり、主に単語単位のタイプとHTMLまるごとタイプがあります。
HTMLまるごとタイプでは、HTMLドキュメントを送信するだけで翻訳結果を伝えてくれて、対応している言語にも違いがあるため、使用する前に確認しましょう。
クラウドAPIの機能8:その他
その他のクラウドAPI機能には、時系列データの相関分析・文書検索・Web検索があります。文書検索とWeb検索は、ユーザー専用の文書検索やWeb検索のエンジンを構築できる機能です。
時系列データの相関分析では、時間経過で記録された時系列データの分析を行い、分析により過去の傾向や周期性を把握することができ、この結果は未来変動の予測に役立ちます。
AIでAPIを利用するためのフロー5つ
AIでAPIを利用するまでの流れは、提供しているサイトにいく・アプリを登録・キーなどを取得・設定する・実装するの5段階に分けられます。
利用までのフローを理解し、気になるAPIを取り入れてみましょう。
AIでAPIを利用するためのフロー1:APIを提供しているサイトにいく
AIでAPIを利用する時には、まずAPIの提供元サイトにアクセスしましょう。
APIの利用を開始する手順は提供元サイトからしか行えないため、使いたいAPI名で検索してアクセスしてください。
AIでAPIを利用するためのフロー2:AIPサイトからアプリを登録する
APIの提供元サイトにアクセスできたら、連携したい自社アプリの情報を登録します。
必要になる情報は、アプリ名・アプリのドメイン・コールバックなどです。これらの正確な入力を済ませれば、利用に際した登録が完了します。
AIでAPIを利用するためのフロー3:AIPキーとシークレットを用意する
情報を入力して登録が完了すると、APIキーとシークレットが発行されます。
APIキーはID、シークレットはシークレットキーと呼ばれることもあります。これらは利用する時のパスワードになるため、セキュリティ性を重視した管理を行ってください。
AIでAPIを利用するためのフロー4:アプリに取得したものを設定する
APIキーとシークレットを取得したら、自社のアプリでAPIを利用することができます。
しかし取得しただけでは使えないため、自社アプリの方でAPIキーとシークレットを設定してください。
AIでAPIを利用するためのフロー5:実装する
設定まで完了できたら、最終フローとしてプログラムを実装します。
知識や技術を必要としないAPIもありますが、場合によっては自社でのプログラミングが必要になることもあるでしょう。その際は、APIごとに公開されているリファレンスやガイドが参考になります。
AIでAPIを使い便利なサービスを作ってみよう!
AIはWebを通じたサイトやサービスにおいて有益な存在になるため、取り入れたいと思う企業は多くいます。しかし、1から作るとなると時間などコストが重なるため、導入が遠退きがちです。
APIはそういった状況を回避する便利なツールですので、活用して自社やユーザーにとって便利なサービスを作ってみましょう。