日本のエンジニアは軽視されている?7つの理由と価値を上げる方法を解説

日本のエンジニアは軽視されている?

アメリカなど海外の先進国と比較すると、日本のエンジニアは軽視されていると言われることがあります。

IT技術は現代社会で不可欠であることからエンジニアは重要視されそうなイメージがありますが、実際の社会的な評価はどのようなものなのでしょう。以下で日本のエンジニアの実情について、海外と比較しつつ見ていきます。

日本のエンジニアの実情

日本の企業におけるエンジニアの地位は、あまり高いとは言えません。多くの日本企業ではもの作りをするエンジニアより、営業職や企画を担当する部署の方が上の立場であると見なされる傾向があります。

企業における地位がそれほど高くないことから、日本のエンジニアは軽視されている可能性が高いと言えるでしょう。

それでは海外と比較するとどうでしょうか。続いて海外のエンジニアの実情も見てみましょう。

海外との比較

海外、特にアメリカでは技術に投資して会社を成長させるという考え方が根付いているので、エンジニアの地位は総じて高いと言えるでしょう。

日本と異なり企業の経営者にエンジニア経験者がついていることも多く、技術の重要性に対する認識がそもそも違うといった背景があります。技術に対する認識の差が、日本と海外におけるエンジニアへの待遇の差として表れていると言えるでしょう。

日本のエンジニアが軽視されていると言われる7つの理由

日本と海外を比較した際、日本のエンジニアは軽視される傾向があることを前項でお話ししました。

日本でエンジニアが軽視されるのは、技術に投資するという概念が日本ではそれほどメジャーではないということに加え、他にも考えられる理由がいくつかあります。

ここからは、日本のエンジニアが軽視されていると言われる理由を7つほど見ていきましょう。

日本のエンジニアが軽視される理由1:情報系出身のエンジニアが少ない

日本でエンジニアが軽視される理由として、情報系の学校出身のエンジニアが少ないことが挙げられます。エンジニアの求人を見てみると文系・理系、さらには経験者・未経験者を問わずに採用する企業が存在するのも事実です。

情報系学部で専門的に技術を学んだ人以外もエンジニアとして勤務できることで、エンジニアが社内で専門職としての立場を確立しづらい要因となっている可能性があるでしょう。

日本のエンジニアが軽視される理由2:知識不足のエンジニアが多い

専門的に学んだ経験がないエンジニアや未経験からエンジニアになった人は、会社に就職して働きながら必要な技術を学んでいくものです。

学校とは違い会社は学びがメインの場ではないため、体系的にエンジニアリングを学べず、知識や技術が不十分なエンジニアになってしまうこともあるでしょう。

知識不足のエンジニアが多いことも、日本のエンジニアが軽視される理由の一つと考えられます。

日本のエンジニアが軽視される理由3:エンジニア職以外の仕事の範囲が広い

エンジニアとして就職したにもかかわらず、技術系以外の仕事もしなければならないことがあります。技術系以外の仕事としては、営業やお客様対応、事務作業といったものが含まれるでしょう。

本来の業務以外もこなすことで、技術職の専門家であるという印象が薄くなる傾向があります。エンジニア職以外の仕事をこなすことで仕事全体を把握できるメリットはありますが、専門家として尊重されにくくなる面もあるでしょう。

日本のエンジニアが軽視される理由4:すぐにアウトソーシングする企業体質

アウトソーシングとは、会社の業務の一部を外部の専門家に委託することです。エンジニアのものもあり、企業によっては技術関連を外部に依存してしまっているところもあるでしょう。

技術がアウトソーシング頼みになると、自社のエンジニアの技術力が向上しづらく、企業のエンジニアに対する理解も浅いままになってしまいます。すぐにアウトソーシングする企業体質が、日本のエンジニアの軽視につながっている可能性があります。

日本のエンジニアが軽視される理由5:低い給与水準

日本のエンジニアの給料は、勤務地や経験年数によって幅があるので一概には言えません。しかし未経験の場合では、低めの給与からキャリアをスタートさせなければならないことがあります。

給与水準の低いエンジニアを多く抱えている企業では、エンジニアが専門職であると認知されにくいことがあります。給与の低さとエンジニアのイメージが結びついて、結果としてエンジニアが軽視される要因となる可能性があります。

日本のエンジニアが軽視される理由6:キャリアステップが明確でない

エンジニアのキャリアステップが周囲に浸透していないことも、エンジニアに対する理解を妨げている要因でしょう。キャリアステップとはキャリアパスとも言われ、ある職務で仕事をこなすために必要な経験やキャリアを構築していく順序を指します。

エンジニアの仕事内容がどのようなものか、職種は何があるのかなどが浸透していないことで、エンジニアへの関心が持たれにくい環境となっている可能性があります。

日本のエンジニアが軽視される理由7:実力を判断しにくい

技術を駆使するエンジニアのすごさは、知識のある人以外には何がすごいのかが分からず伝わりにくいものです。

エンジニアリングの知識がない人に実力を伝える手段がないことが、エンジニアの実力が正当に評価されにくい理由でしょう。エンジニアの実力が周囲に理解されにくいのも、日本のエンジニアが軽視される理由として挙げられます。

日本のエンジニアは転職でも軽視される?

ここまで、日本のエンジニアが軽視される理由についてご紹介しました。それでは転職市場におけるエンジニアは、どのように評価されているのでしょうか。

ここからは転職する際のエンジニアに対する評価や、企業側に発生する可能性があるリスクについて見ていきましょう。

応募書類では把握できない技術力

エンジニアの実力は応募書類だけでは正確に伝わらず、適正な評価がされづらいことがあります。

例えば、エンジニアの仕事の一つにプログラミングがあります。どのくらいのレベルでプログラムを組むことができるのかは、応募書類に記載されている事項からだけでは、完全に読み取るのは難しいものです。

技術力が正当に評価されないことで、結果として転職の際に不利になることもある点を想定しておく必要があります。

実務を見ずに採用するリスク

面接ではエンジニアの実務を見ずに採用するため、企業側が期待していたスキル水準に達していない人を採用するリスクがあります。

高い技術力を期待して採用した場合、エンジニアの給料も高い場合が多いでしょう。高い給料で期待する技術レベルでない人材を雇用する可能性があることから、企業側も採用の際ある程度のリスクを背負っていると言えます。

日本のエンジニアが価値を上げる方法3つ

日本のエンジニアは軽視されることもありますが、努力次第で自分の価値を高めることも可能でしょう。

日本のエンジニアが価値を上げるには「スペシャリストを目指す」、「エンジニアの価値が高い会社に転職する」、「海外で働く」といった方法があります。以下で、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

日本のエンジニアが価値を上げる方法1:スペシャリストを目指す

エンジニアとしての価値を上げるために、スペシャリストを目指すと良いでしょう。スペシャリストの例としては、プログラマーであればプログラミング言語のことなら何でも知っていると言えるくらいの知識を有していることが挙げられます。

エンジニアとしての知識や技術のレベルを上げることが、結果的に自分の価値を高めることにつながるでしょう。

日本のエンジニアが価値を上げる方法2:エンジニアへの理解が高い会社に転職

エンジニアに対する理解が高い会社に転職することで、会社内でのエンジニアとしての価値が高まるでしょう。エンジニアへの理解が深い会社では適正な評価を受けやすく、大きなプロジェクトに携わる機会も増えることが期待できます。

技術に投資するという概念がある企業では、エンジニアに対する理解が高い傾向にあります。就職の際は、企業の理念や社風なども調べておくことがお勧めです。

日本のエンジニアが価値を上げる方法3:海外で働く

エンジニアとして価値を認められた状態で働くには、海外を勤務地の選択肢に入れることもお勧めです。

アメリカなどの海外は技術に投資するという概念がある企業が多いので、技術力のあるエンジニアを高く評価する傾向があります。

ただし、海外で働く際は言葉やコミュニケーションの取り方など、様々な違いがあることで環境になじむまで時間がかかることがある点に注意が必要です。

日本のエンジニアが軽視されている理由を考えてみよう

企業のエンジニアに対する理解不足やエンジニア個人の力量の問題によって、会社内でエンジニアが軽視されることがあるでしょう。

しかし個人の力量不足が原因の時は努力によって、会社の体質によって評価されないのであれば転職によって、軽視されるという立場から脱却できることが期待できます。

エンジニアとして軽視されている理由を知り、より良い環境で働くためにステップアップしていきましょう。