Java Silverとは何?取得する5つのメリットと試験概要を紹介
Java Silverとは何?
Java Silverとは、プログラミング言語Javaの技術レベルをOracle社が認定する資格で、正式には「Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 8(または SE 11)」と言います。
Javaアプリケーション開発のためのプログラミング知識や、さまざまな状況への対応能力を有していることを証明される、開発初心者を対象とした資格です。
現在Javaの権利を所有しているOracle社公認の資格であるため、その信頼性は高いと言えるでしょう。
中級者を対象としたJava Silver以外に、初心者向け資格であるJava Bronze、上級者向けのJava Goldなどがあります。
Oracle認定試験とは?
Oracle社は業務用ソフトウェアの開発や販売などを行うアメリカの企業で、販売される主要なソフトウェア製品はそのまま「Oracle」と呼ばれることもあり、ブランド名としても使われています。
また、Oracle社は同社製品を扱うエンジニアの技術認定資格の認定試験も行っています。
さらに、2009年にSun Microsystems社を買収したため、Javaの権利や技術も継承しました。Oracle認定試験にはJavaを始め、DatabaseやApplication、Oracle Cloudなど多くの試験があります。
Javaの資格の種類と難易度
Javaの技術を認定する資格は複数ありますが、もっとも認知度が高いのがOracle社のOracle Certified Java Programmerです。
この資格は公式ベンダー認定資格であり、Bronzeは入門者向けで国内でのみ通用する資格であるものの、SilverとGoldはそれぞれ開発初級者向けと開発中・上級者向けであり、海外でも通用する資格です。
試験の難易度もSilver、Goldとレベルアップし、Goldは特に難関です。
なお、プログラミング資格としては、一般社団法人 サーティファイが運営する「Javaプログラミング能力認定試験」や、IT技術やシステム開発の知識が問われる「基本情報技術者試験」もあります。
Java Bronzeから取得するべき?
Oracle Certified Java Programmerの資格を取得する際、Bronze、Silver、Goldと難易度が上がっていきます。そして、Bronze、Silverの前提資格はありません。そのため、Bronzeの資格がなくても、Silverを受験することが可能です。
また、Bronzeはあくまでも初心者向けであり、取得することによるアピールポイントとしては弱いことや、その受験料が13,600円(税抜)と安くはないことから、Silver取得を目指す意思があるならば、Silverから取り組むほうがスムーズでしょう。
とはいえ、Bronzeへの試験勉強が無駄になるわけではないため、試験の雰囲気や流れを知りたい場合はBronzeから取り組むほうが望ましいでしょう。
Java Silverを取る5つのメリット
Java Silverは、Oracle社の公式サイトによると、Javaアプリケーション開発において要求される基本的なプログラミング知識を持ち、上級者の指導を受けながら開発を行うことができるとされる資格です。
難易度も低くはなく、ある程度の勉強時間が必要です。そんなJava Silverですが、取得するとどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
Java Silverを取るメリット1:Javaの基本技術を学べる
Javaは多くのアプリケーション開発に使われる汎用プログラミング言語で、豊富な文法やAPIが用意されています。Java Silverを取得すれば、これらJavaの基本技術が使いこなせるスキルを身につけられるでしょう。
しかも、Java Silverで得られるスキルは、プログラミングにおける「最低限動作可能な」コードだけでなく、「拡張性、可読性がともに高い」コードを使いこなせるようになります。
Java Silverを取るメリット2:技術の使い方を理解できる
プログラミングのコーディングで時間を要するのが、目的の文法や言語の仕様などの検索です。言語の技術が理解できていないままで業務をこなしていては、それらをひとつひとつ検索して理解することになり、非効率です。
しかし、Java Silver取得に向けてJavaの技術を学び理解すれば、短い時間で最適なコードを選択しコーディングできるようになるでしょう。
効率的に仕事ができれば、さらに高度なスキルを身につけるための勉強に励むこともできますし、難しい開発案件に取り組むチャンスも巡ってくるでしょう。
Java Silverを取るメリット3:Java技術者として信用を得られる
Java Silver取得のもっとも大きなメリットは、スペシャリストとしての信頼を得られることでしょう。技術者が自分のスキルを客観的に証明する手段としてもっとも有効なのが資格だからです。
Javaの権利を有するOracle社が公認するJava Silverは、Javaプログラマとして、知名度および信頼度がもっとも高い資格です。
Javaアプリケーション開発案件において、Java Silver取得者はプロジェクトに貢献できる人材であると認識されます。また、転職の際も有利に働くでしょう。
Java Silverを取るメリット4:開発案件に入りやすくなる
Oracle社の公式サイトによると、Java Silverの認定資格は開発初心者向け資格です。Javaアプリケーションの開発を行う上で要求される基本的なプログラミング知識を持ち、上級者の指導を受けることを前提に開発に携わることができるとされています。
つまり、Java Silver取得者はJava案件について、上級者の指導を仰ぎながらではありますが、開発工程に携わることが多くなります。
逆に言えば、上流工程を担当したり、開発案件を全面的に任されたりすることはない、と言えます。
Java Silverを取るメリット5:給料交渉がしやすくなる
Java Silverを取得することによって、資格手当などを支給してもらえる可能性が高いこともメリットのひとつです。
プログラマやシステムエンジニアの中には、現在の収入に不満を抱いている人もいるでしょう。しかし、資格を取得すれば、現在の職場で昇給の交渉をしたり、転職時にも好材料となったりする可能性があります。
また、Java Silver取得によって資格手当が支給される制度があったり、昇給・昇進の条件になっていたりする企業もあります。
Java Silverの概要について
Java Silverの認定試験の概要について見ていきましょう。
Java Silverの認定試験は、公式サイトで随時受付しています。資格の認定はOracle社が、試験はピアソンVUE社が全国のテストセンターで随時実施しています。
認定試験の受験料や問題数、試験時間、合格ラインなど詳細については以下の通りです。
Java Silverの受験料
Java Silverの受験料は¥26,600(税抜)です。ちなみに、Java Bronzeは¥13,600(税抜)、Java Goldは¥26,600(税抜)です。
また、国内の民間Java資格である Javaプログラミング能力認定試験の受験料はすべて税込で1級 ¥7,800、2級 ¥6,400、3級 ¥5,200で、それに比べても、決して安くはない受験料です。
Java Silverの試験時間
Java Silverの試験時間は、Java SE 8 Programmer Iが150分間、Java SE 11 Programmer Iが180分間です。
なお、SE 8と SE 11ではバージョンが異なり、SE 11が最新バージョンです。
Java Silverの問題数
Java Silverの問題は、Java SE 8 Programmer Iが77問、Java SE 11 Programmer Iが80問で、選択問題です。
2019年にSE 11にバージョンが更新され、問題数、試験時間ともに少し増えました。
Java Silverの合格ライン
Java Silverの認定試験は、Java SE 8 Programmer Iが65%、Java SE 11 Programmer Iが63%以上正解すれば合格します。
SE 11のほうが若干難易度が上がりましたが、レベルは大きく変わっていません。
なお、合格率は公開されていません。
Java Silverの試験範囲
Java Silverの試験範囲は、Javaの基本機能や開発環境についての理解・プログラムやメソッド、インターフェースの作成・演算子の使用などが試験範囲です。
問われるのはJavaに関しての基本的な知識が中心となります。
Java Silverのおすすめ参考書と問題集
このようにJavaの基本的な技術を問う問題が中心のJava Silverですが、資格取得のためにおすすめの参考書や問題集を紹介します。
Javaは人気のプログラミング言語であるため、参考書や問題集も多数販売されています。実際に出題されるものに酷似した問題に触れられます。
基本的には、問題集を繰り返し解いて、特に誤った問題に関しては解説をしっかりと読み込んで理解を深めるという勉強法がもっとも効率的でしょう。
Java Silverのおすすめ参考書:オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Silver SE11
「オラクル認定資格教科書Javaプログラマ Silver SE 11」は、通称「紫本」と呼ばれている問題集です。
Java Silver合格のために要点を絞った出題範囲や解説によって効率よく学習できる問題集です。特にプログラミング初心者には、要点を押さえた紫本が取り組みやすいでしょう。
すべての範囲を網羅した実戦形式の模擬試験が収録されており、一通り学んだ総仕上げとして自分の実力を試すことができます。
Java Silverのおすすめ問題集:徹底攻略Java SE 11 Silver問題集
「徹底攻略Java SE 11 Silver問題集」は、通称「黒本」と呼ばれる問題集です。
豊富な出題形式と詳しい解説が評判の問題集で、Java Silver合格には欠かせません。この一冊を解けば、Java Silver対策のほとんどを習得できると言っても良いでしょう。
「紫本」と同様、一通り学習をし終えたら、巻末に収録されている総仕上げ問題で自分の実力を確認しましょう。
Java Silverを取得してプログラマとして成長しよう
Java Silverは、Javaプログラマとしては有用な資格です。受験料はやや高めであるものの、難易度が極端に高くはないにもかかわらず、Javaの基本スキルや技術者としての信頼の獲得、昇給の可能性があるなど、多くのメリットが見込めます。
また、人気のプログラミング言語であるため、問題集や参考書も多種販売されており、勉強に取り組みやすいでしょう。効率的に学んでJava Silverの認定を手に入れ、プログラマとして大きくステップアップしましょう。