IT業界への志望動機を書くポイント6選|求められる資質4選などを解説

IT業界ってどんな業界?

IT業界を志望するには、業界の現状を把握しておくことが重要になります。IT業界とは情報技術に特化した事業を展開する業界です。ネットワーク関連事業をはじめ、ソフトウェア・ハードウェアの開発などを行っています。

IT業界は非常に幅広い分野に進出しており、優秀な人材を求めている業界です。志望する人も年々増加傾向にあります。ここでは、IT業界を志望する人が知っておきたい業界の現状を考えてみましょう。

人材が不足している?

IT業界では人材が不足しており、就活という点でもメリットのある業界だといえるでしょう。IT技術は急速に進化しており、エンジニアのスキルが追い付いていない実態もあります。

また、少子高齢化の影響により、労働人口の確保が年々難しくなっているのが現状です。そのため、IT業界では人材が慢性的に不足しているのが現状だといえるでしょう。

IT業界の将来性

IT業界は非常に将来性の豊かな業界だといえるでしょう。ITは私たちの生活には必要不可欠であり、その需要は増加傾向です。また、国内だけではなく国外に活路を見出だす企業も増えています。

厳しい国内での競争を避けることが目的の一つですが、世界的にもITの需要が増加していることは間違いありません。いずれにしてもIT業界は今後も需要が見込まれ、やりがいのある業界だといえるでしょう。

IT業界のエンジニアの種類3選

一口にIT業界といっても、様々な職種があります。大きく区別すると「エンジニア」「Webデザイナー」「Webディレクター」の3種類です。

中でも、主にシステム開発を手がける「エンジニア」は就活生にも高い業種になります。ただし、エンジニアもさらに細分化することが可能です。ここでは、種類別にエンジニアの仕事内容を紹介します。

IT業界のエンジニアの種類1:Sler

SIerは単なるエンジニアではなく、プロジェクト管理が主たる業務です。プロジェクトとは、システム開発にかかる提案や設計・構築、運用から保守までの流れで構成されます。

いくら優秀なエンジニアが揃っていても、プロジェクトを管理できなければ、クライアントの満足を得られません。したがって、SIerはエンジニアを統括しプロジェクトの進捗を管理する大切な業務であり、とてもやりがいがあるといえるでしょう。

IT業界のエンジニアの種類2:ハードウェアエンジニア

商品開発に直接携わるのがハードウェアエンジニアです。ハードウェアエンジニアは、パソコンやスマホの周辺機器から自動車、大型家電まで、様々な商品のシステムを開発します。

したがって、実際に自身が開発したシステムが商品となって、店頭に並ぶことも夢ではありません。「モノづくり」に興味のある方や自分の開発したシステムを世に出したい方に適した業種だといえるでしょう。

IT業界のエンジニアの種類3:Webエンジニア

アプリやスマホなど、オンライン上のサービスやソフトの開発に携わるのがWebエンジニアです。スマホの普及により、アプリやオンラインゲームの開発は非常に注目を集めています。

ヒット商品を開発できれば、会社に大きく貢献できるだけでなく、開発者の名前が大きく取り上げられることも少なくありません。アプリやオンラインゲームは今後、さらに成長が見込まれており、Webエンジニアの需要は更に高くなるでしょう。

IT業界のエンジニアに求められる資質4選

IT業界のエンジニアで成功するには、求められる資質を兼ね備えていることが条件です。IT業界のエンジニアの資質といえば、まずは高いスキルを兼ね備えていることが思い浮かびます。

もちろん、高いスキルが必要であることは言うまでもありません。しかし、職場の一員であることも重要な要素であり、いくつかの資質が求められるといえるでしょう。ここでは、IT業界のエンジニアに求められる資質について解説します。

IT業界のエンジニアに求められる資質1:コミュニケーション能力が高い

IT業界のエンジニアは、クライアントの要望に的確に対応することが求められます。クライアントの要望を全て受け入れることは不可能です。また、エンジニアの見解をクライアントに押し付けることも賢明ではありません。

クライアントの声に耳を傾け、エンジニアとしての臨機な対応が求められます。したがって、コミュニケーション能力はIT業界のエンジニアにとって、必要不可欠な資質だといえるでしょう。

IT業界のエンジニアに求められる資質2:向上心がある

日々進化を遂げているIT業界で働くには、持続的な向上心が求められます。言い換えれば、現状に満足している人では、IT業界の進化のスピードについていくことができません。

常に「勉強していく」といった姿勢が大切になります。また、得意分野だけでなく、不得意分野にも積極果敢に飛び込んでいく向上心こそ、IT業界に求められる資質です。

IT業界のエンジニアに求められる資質3:論理的思考ができる

プロジェクトを成功に導くには、論理的にプロセスを考えることが必須です。クライアントの要望に的確に応えるには、単に結果を求めるだけでは説得力がありません。時にはクライアントに妥協を求める場面もあるでしょう。

結果や問題解決に向けての道筋を論理的に考え実行することが重要であり、クライアントからの信用を得ることも可能です。したがって、論理的思考ができることもIT業界のエンジニアには必要な資質といえます。

IT業界のエンジニアに求められる資質4:高いITスキル

IT業界で働くなら、高いITスキルが不可欠です。IT業界は目まぐるしく発展を遂げており、常に新たなITスキルが求められています。

つまり、いくら経験を積んでも、新たなITスキルが必要だといえるでしょう。ただし、新たなITスキルを身に付けるためには、ベースとして高いスキルが必要なことは言うまでもありません。

IT業界への志望動機を書くポイント6選

IT業界への志望動機を書くにはいくつかのポイントを理解しておくことが大切です。IT業界への志望理由は同じでも、書き方一つで大きく印象が変わります。漫然と熱意だけ伝えようとしても、アピールできるものではありません。

採用担当者に自分の想いを正確に伝えるためにも、正しい書き方をマスターしたいものです。ここでは、採用担当者から高評価を得るために押さえておきたい、志望動機を書く際のポイントを紹介します。

IT業界への志望動機を書くポイント1:なぜIT業界なのかを明確にする

IT業界に限らず、志望動機において「なぜ、この業界を選んだのか」は確実に明記したいポイントです。どうしてIT業界で働きたいのかを明記しておかないと、IT業界に対する志望度の強さをアピールできません。

また、採用担当者や面接官は、就活生の業界研究の度合いをチェックしています。したがって、IT業界の現状や将来性を踏まえた志望動機とすることで、より納得性のある志望動機になるでしょう。

志望動機の例文

私はITを通じて多くの人々の生活を便利にしたいと考えています。私は山間部育ちですが、大学進学にあたり都市部に引っ越して参りました。そこで驚いたのが、インターネットをはじめITの技術が生活の中に普通に溶け込んでいることです。

例えば、診察時の受付手続きやカルテの管理など、私の育った山間部では考えられません。私はIT業界で働くことで、ITの技術を全国津々浦々で活用できるようにしたいと考えています。

IT業界への志望動機を書くポイント2:なぜその職種なのかを明確にする

採用担当者にアピールする志望動機にするには、その職種・企業を選んだ理由を明確にしましょう。IT業界を志望する理由や熱意を明記するだけでは、十分な志望動機だとはいえません。

例えばWebエンジニアを志望するならその職種を選んだ理由とともに、なぜその企業でなければならないのかを明確にしましょう。採用担当者に納得してもらうには、具体的な根拠を明確にすることが鉄則であることを忘れてはなりません。

志望動機の例文

私はモノづくりに貢献したいという理由でハードウェアエンジニアを志望しています。そのため、御社の「自らのアイデンティティを活かしたサービス展開をしていく」といった企業理念に共感いたしました。

大学時代にはIT企業でインターンを経験しており、様々なアプリの開発プロジェクトに参加して参りました。そこで経験した、自分のアイデアをアプリ開発に活かせる充実感ややりがいを御社においても活かしたいと考えています。

IT業界への志望動機を書くポイント3:どのように企業に貢献できるのかを明確にする

IT業界への志望動機を書くときには、熱意や業界への理解度に加えて、企業にどう貢献できるのかを明記しましょう。採用担当者が探しているのは、自社に貢献できる社員です。

いくら熱意があっても、自社にフィットしていないと判断されれば採用されることはありません。ITに関するスキルだけでなく、職場でどういった役割が担えるのかを盛り込むのが鉄則です。その上で、企業にどう貢献できるのかを具体的にアピールしましょう。

志望動機の例文

私は大学時代にIT関連企業においてアルバイトをしています。そこでは、通信販売に関するアプリの開発や保守にかかるプロジェクトに携わっていました。ネット環境があれば日本全国に、自社製品の素晴らしさをアピールすることができます。

しかし、高齢者の方々にとってITはハードルが高いのも事実です。私は大学時代に培ったスキルや経験を通じて、御社が進める高齢者サービスに貢献できると考えています。

IT業界への志望動機を書くポイント4:PREP方式で書く

PREP方式とはPOINT(結論)、REASON(理由)、EXAMPLE(具体例)、結論(POINT)を繰り返す文書の方式です。志望動機を書くにはPREP方式が適しています。

採用担当者は多くの志望動機をチェックしていることから、回りくどい文書は好まれません。したがって、まずは結論を書くことで読み手にインパクトを残すことが、志望動機では大切だといえるでしょう。

志望動機の例文

御社を志望したのは、独自に開発した○○プログラムに魅力を感じたからです。御社に入社できたら、しっかりと経験を積んでいずれは自らプロジェクトに加わりたいと考えています。

そのために私は大学在学中に○○資格を取得しました。現在は△△資格の取得に向けて準備を始めているところです。△△資格も早期に取得し、早期に自分の夢を叶えたいと考えています。

IT業界への志望動機を書くポイント5:未経験なら意欲を明確にする

未経験であっても努力次第でIT業界に就職することは可能です。採用担当者は経験やスキルを重要視しますが、同じくらい意欲にも注目しています。

いくら、経験やスキルが優れていても意欲がなければ、会社に貢献することはできません。したがって、未経験であれば意欲を明確にしましょう。さらに、資格の取得状況など意欲を具現化するアピールを盛り込むことが鉄則です。

志望動機の例文

私は文系ですが、御社のことを知ってからIT業界に興味を持ち始めました。今ではWebエンジニアこそ私の探していた職業だと考えるようになりました。私はIT業界で仕事をした経験はなく、即戦力とはならないと思います。

しかし、私は努力をすること、IT業界で働くことに対する熱意は誰にも負けません。大学では少ない時間を活用して複数の資格も取得しました。この気持ちを忘れず、御社に貢献したいと考えています。

IT業界への志望動機を書くポイント6:客観的に簡潔に纏める

志望動機において、多くのアピールポイントを詰め込むことは得策ではありません。内容を整理して簡潔に纏めた方が、採用担当者には印象付けられるでしょう。

大切なのは、仕事につながるアピールポイントを絞り込むことです。さらに、客観的に判断できる具体例を盛り込むことで、説得力のある志望動機に仕上げることができるでしょう。

志望動機の例文

ハードウェアエンジニアは結果が求められる職種であり、コミュニケーション力が重要です。私は高校球児として、チームの主将を任された経験があります。

それまで県大会ですら勝てないチームでしたが、部員とのコミュニケーションを徹底し、練習スタイルを改善した結果、県大会で優勝できました。この経験は、必ずプロジェクトでの業務に活かせると自負しています。

IT業界の志望動機の例文

同じIT業界であってもベンチャー企業と大手企業では求められる人材が異なります。ベンチャー企業に求められるのは、自分で考えて行動する自立した人材です。

対して大手企業では、コミュニケーション力に長けた安定感のある人材だといえるでしょう。したがって、志望動機の書き方も変えていかなければなりません。ここでは、ベンチャー企業と大手企業の志望動機の例文を紹介します。

ベンチャー企業

私はIT関連企業でインターンに取り組んだ経験から、就職するならベンチャー企業だと決めていました。企業の成長が実感できる点にやりがいを感じたのが、ベンチャー企業を志望した理由です。

さらに、御社の展開する○○システムのプロジェクトに携わることで、SEとしてのスキルを身に付けたいと考えました。御社で働くことで、○○システムをさらに活用しやすいシステムにビルドアップさせ、会社に貢献したいと考えています。

大手企業

私が貴社を志望したのは、大手企業ならではの教育システムに魅力を感じたからです。特に「自ら学び考動する社員育成」は、他者とは異なる育成方針だと感じています。私がit業界に興味をもったきっかけは、貴社の○○システムに興味を持ったからです。

○○システムは、まさに貴社の社員育成が実を結んだ結果だと思います。入社できた際には、自ら考動できる社員となり、人の役に立つシステムを開発したいと思っています。

IT業界の志望動機はなぜを意識して書こう

IT業界の志望動機を書くときには、業界・企業分析をしっかりと行っておくことが鉄則です。また、自分がどういった職種に向いているのかを自己分析しておくことが重要だといえます。

また、採用担当者にアピールするには「なぜ」を意識しましょう。採用担当者は自社に貢献できる社員を探しています。したがって、「なぜIT業界なのか」「なぜ自社なのか」に簡潔かつ客観的に応えられる志望動機にすることが鉄則です。