セールスエンジニアに求められる能力5選|仕事内容や年収などを解説

セールスエンジニアについて

セールスエンジニアとは、自社製品や開発技術について技術的な知識を持っているエンジニアが、得意先や新たな顧客獲得に向けて営業する職種をいいます。

通常の営業とは違い、クライアントの技術的な質問に対して詳しく答えられる幅広い知識、営業としてのコミュニケーションスキルが必要になってきます。

もともと技術職としてある程度実務経験を積んだエンジニアが、新たなキャリアチェンジとして選択する場合もあるようです。

セールスエンジニアの役割とは

セールスエンジニアの役割はさまざまですが、技術的な視点で自社製品や開発技術の魅力をクライアントに伝え、クライアントの要望に沿って提案することが主な役割といえるでしょう。

また、自社製品や開発技術を導入したクライアントに対してのサポートも、セールスエンジニアの役割といえます。

クライアントに対して導入後の使用方法や不具合対応など、営業だけではカバーしきれない部分を支える、重要なポジションといえるでしょう。

セールスエンジニアの年収とは

セールスエンジニアの年収は、300万円~600万円とキャリアによって上昇する傾向となっています。

これは、セールスエンジニアという職種が、キャリアを積み重ねていくことで技術的な知識や企業の信頼を得るためだといえるでしょう。

傾向として、20代の平均年収が350万円前後であるのに対し、30代の平均年収は550万前後に上昇しています。20代の時に年収が少ないからと転職するよりも、キャリアを積み重ねることで年収アップに繋がると考えてよいでしょう。

他のエンジニアの職種との違い

セールスエンジニアに求められるスキルは、他のエンジニアとは違っています。

もちろん、技術的な知識は必要です。しかし、主にクライアントとのやり取りが多いセールスエンジニアは、クライアントに正確に自社製品や開発技術を伝えるプレゼン能力や、クライアントの要望を聞き取るヒアリング能力も必要です。

求められるスキルが専門的なエンジニアと違って、営業向きのコミュニケーションスキルも必要といえるでしょう。

セールスエンジニアの業務内容3選

セールスエンジニアの主な業務内容として、「課題のヒアリング・提案」「問い合わせ対応」「システムの点検・保守」があります。

ここでは、それらの業務内容を詳しく紹介いたします。

セールスエンジニアの業務内容1:課題のヒアリング・提案

セールスエンジニアの業務として、クライアントが提示する課題をヒアリングし、自社製品や開発技術を活用した導入計画の立案が挙げられます。

クライアントの求めている要望をヒアリングし、技術的な視点で導入した際のメリットを伝えるコミュニケーションスキルが必要です。

また、自社製品や開発技術を導入するまでのスケジュールを提案し、運用方法やメンテナンスなどを説明することもセールスエンジニアの仕事といえるでしょう。

セールスエンジニアの業務内容2:問い合わせ対応

クライアントの技術的な質問に答える問い合わせ対応も、セールスエンジニアの業務の1つです。

そのため、営業だけでは対応しきれない、技術的な質問に対して説明できる知識が必要です。

また、クライアントの要望や疑問点を解決できるよう、社内のエンジニアに対応策を仰ぐマネジメント能力も求められます。

セールスエンジニアの業務内容3:システムの点検・保守

セールスエンジニアの業務として、システムの点検・保守に関する知識も必要とされます。

自社製品や開発技術を導入したクライアントへのアフターフォローも業務の1つです。不明点が無いかヒアリングし、不具合が生じた時は率先して対応することも必要です。

システムの点検・保守をするエンジニアへ詳細を伝え、保守スケジュールを提案する、プロジェクト管理能力が求められます。

セールスエンジニアに求められる能力5選

業務内容にも挙げましたが、セールスエンジニアとして求められる能力は多岐に渡ります。

ここでは、求められる能力をいくつか紹介いたします。セールスエンジニアとして活躍したい人は、必要なスキルを知り役立てて下さい。

セールスエンジニアに求められる能力1:コミュニケーション能力

セールスエンジニアは、クライアントの元へ出向き、自社製品や開発技術について説明するため、技術的な知識とともにコミュニケーション能力が必要とされます。

知識が豊富であっても、クライアントに共感できるよう分かりやすく伝えられなければ、導入してもらえないからです。

そして、単に要望をヒアリングするだけではなく、分析し、必要な予算と工数を技術的な視点でアドバイスすることも必要です。コミュニケーション能力が高ければ、セールスエンジニアとして円滑に業務を進めていけるでしょう。

セールスエンジニアに求められる能力2:継続的に勉強し続ける資質

日々変化していくIT業界では、常に最新の情報や知識に関心を持つことが必要とされます。

継続的に勉強し続けることで、セールスエンジニアとしての能力が高まります。特に資格が必要ではないものの、資格取得に向けて勉強することも方法の1つです。

また、自社がどのような分野に特化した製品や技術を開発しているかの把握も大切です。クライアントの質問に答えられるだけの知識は身に付けておきましょう。

セールスエンジニアに求められる能力3:プロジェクト管理能力

セールスエンジニアは、クライアントに対して自社製品や開発技術の導入スケジュールを提案することもあるため、プロジェクト管理能力が必要とされます。

導入するためのコストや工数について社内のエンジニアと検討し、プロジェクト計画を立案します。

企業によっては、セールスエンジニアが納期までプロジェクトを担う、プロジェクトマネジャーとしてマネジメントするケースもあるようです。

セールスエンジニアに求められる能力4:ITの技術・知識

セールスエンジニアは、営業とは違う技術的な視点でクライアントと商談するため、求められる能力としてITの技術・知識が必要です。

もともとエンジニアとして経験を積んできた人が、キャリアチェンジとしてセールスエンジニアを選択するケースも多く、営業からセールスエンジニアになるにはハードルが高い職種ではあります。

どちらの場合も、常にIT業界での技術・知識に関心を持ち、取得する努力が必要でしょう。

セールスエンジニアに求められる能力5:プレゼンテーション能力

クライアントに、自社製品や開発技術の特徴や導入メリットを技術的な視点で売り込む、プレゼンテーション能力も、セールスエンジニアに求められる能力といえるでしょう。

単に技術的な視点で述べるだけでなく、導入した場合の利益やコストといった、経営戦略においてもコンサルタント的な視点からアドバイスする営業能力も求められます。

そのため、両方を兼ね備えたセールスエンジニアは企業からも重宝される人材といえるでしょう。

セールスエンジニアになる方法3選

セールスエンジニアになるためには、どのようなキャリアパスがあるのでしょうか。

セールスエンジニアになる方法として「営業職からなる場合」「技術職からなる場合」「未経験からなる場合」の3つについて詳しく紹介いたします。

セールスエンジニアを目指す方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

セールスエンジニアになる方法1:営業職からなる場合

セールスエンジニアになる方法の1つに、営業職からなる場合があります。この場合、自分でIT知識を身に付ける必要があるため、既に技術的な知識を身に付けているエンジニアよりもハードルが高いといえるでしょう。

しかし、営業で培ってきたコミュニケーション能力やプレゼン能力は、セールスエンジニアにも必要な能力です。

営業職からセールスエンジニアを目指す方は、技術的な知識を身に付けるため情報処理技術者試験やベンダー資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

セールスエンジニアになる方法2:技術職からなる場合

セールスエンジニアになる方法として、元々技術職だった人がキャリアチェンジとして選択する場合が多く挙げられます。

エンジニアとして既に経験を積んでいる、もしくは技術的な知識を身に付けている場合、セールスエンジニアになる難易度は高くないでしょう。

しかし、セールスエンジニアにはクライアントに対するコミュニケーション能力やプレゼン能力といった営業視点の能力も求められることを理解しておきましょう。

セールスエンジニアになる方法3:未経験からなる場合

セールスエンジニアを目指す方のなかには、営業職、技術職どちらも未経験の方もいるでしょう。

しかしながらセールスエンジニアは、IT技術を身に付けたエンジニアがキャリアチェンジとして選択することが多い職種です。大手企業においても前職の経験を重視する企業がほとんであるため、まずはIT技術を身に付けることをおすすめします。

資格取得や技術経験を積むことで、エンジニアとしてある程度の知識を身に付け、セールスエンジニアを目指しましょう。

セールスエンジニアに向いている人の特徴

ここまで、セールスエンジニアの仕事内容や年収について解説してきましたが、向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。

セールスエンジニアに向いている人の特徴をいくつか紹介いたします。自分に当てはまる特徴がないか、参考にしてみて下さい。

顧客と技術面以外でも関わりたい方

セールスエンジニアは、自らクライアントの元へ出向き要望を聞き取り、自社製品や開発技術について売り込む職種です。

そのため、顧客と技術面以外でも関わりたい方、クライアントの求めていることを直接聞きたい方が向いています。

クライアントへより良い導入計画を提案し、契約できた時には達成感を覚えるでしょう。自社製品や開発技術に対する評価を実感できる、そんなポジションではないでしょうか。

新しいことに挑戦したい方

セールスエンジニアは、営業職に技術的な知識を併せ持つ職種なため、新しいことに挑戦したい方に向いているでしょう。

セールスエンジニアは、その難易度からしても人手不足の職種です。そのため、企業によっては未経験者でも人材確保のために採用することもあるようです。

既に技術的な知識や経験をある程度身に付けておりキャリアチェンジしたい方、営業職から更なるキャリアアップを考えたい方にはおすすめの職種であるといえるでしょう。

セールスエンジニアは技術や知識とコミュニケーション能力が重要

セールスエンジニアは、クライアントの要望を聞き取るコミュニケーション能力やプレゼン能力、自社製品や開発技術に対する技術的な知識が必要とされます。

営業的なスキル、技術的な知識が求められるため目指すのは容易ではありませんが、セールスエンジニアを求めている企業は多く、将来性の高い職種といえるでしょう。

求められるスキルは多いですが、なるために必要な資格はありません。セールスエンジニアという職種を目指し、クライアントの要望に応えるやりがいを感じてみてはいかがでしょうか。