SEを辞めたいときの対処法3つ|SEからの転職をするときの注意点
SEって大変な職業?
SE(システムエンジニア)の仕事は、顧客の要求に合わせたシステムを設計し、開発プロジェクト全体を管理することです。そんなSEという職業では、残業や休日出勤、専門知識の勉強、顧客やプロジェクトメンバーとの人間関係など、大変な面が多くあります。
ここでは、SEが辞めたいと思う理由と、辞めたいときの対処法についてみていきます。
仕事でSEを辞めたいと思う理由4つ
SEの仕事を辞めたい理由には、SEの仕事内容に問題があることも多くあります。ここではSEの仕事の、納期やスキルアップ、やりがいや労働時間といった点について、辞めたい理由を詳しくみていきましょう。
仕事でSEを辞めたいと思う理由1:成果物の納期が厳しい
システム開発のプロジェクトには納期があります。システム開発プロジェクトでは、納期が非常に厳しくなることが多く、それが辞めたいという理由につながります。
プロジェクトの納期が厳しいことには、いくつか理由があります。まず、受注した時点ですでに納期が厳しい場合です。また、案件が進み始めてからも、仕様変更や追加が多発することがあるため、スケジュールが遅延してしまい、結果として納期が厳しくなります。
仕事でSEを辞めたいと思う理由2:最新の情報を集めて勉強しなければいけない
システムエンジニアには、専門性が高く幅広い知識とスキルが求められます。専門のIT分野については、ネットワークからサーバなどのインフラ情報から、アプリケーションやプログラム開発の知識など全般的に把握することが重要です。
ITについてはどの分野も変化が激しいため、常に最新の情報を集めて勉強しておく必要があります。また、顧客から要望をヒアリングする上で、顧客の業界や業務についての知識も持っておく必要があるでしょう。
仕事でSEを辞めたいと思う理由3:仕事が誰の役に立っているのか分かりにくい
SEは、自分たちが開発したシステムがどのように役に立っているのかを実感しにくい立場でもあります。打ち合わせなどで対面する顧客は、システムを利用する人でないことがほとんどです。そのため、システムを使っている人から感謝の声を聞く機会はあまりありません。
顧客の社内業務の一部を担う業務システムの場合、自分の開発したシステムが社会の役に立っているのかを実感することは少ないでしょう。
仕事でSEを辞めたいと思う理由4:労働時間が長くなりやすい
システム開発の納期は厳しくなることが多い傾向にあります。納期に間に合わせるため、納品前は残業や休日出勤が増えてきます。
さらに複数のプロジェクトを兼任している場合は、各プロジェクトの納期が重なると、どうしても労働時間が長くなってしまうでしょう。
特に四半期末、期末には、納期を延ばしてもらうことも難しい時期となるため、長時間勤務をせざるをえない状況に陥ります。
会社でSEを辞めたいと思う理由5つ
これまではSEの仕事内容といった面から辞めたくなる理由をみていきました。
ここからは、業務範囲や報酬、プライベートの確保など、主に会社の環境が問題となる理由についてみていきましょう。
会社でSEを辞めたいと思う理由1:似た内容の案件だけを受託してくる
ひとくちにシステム開発といっても、様々な分野や業務に向けたシステムがあります。
会社によっては、顧客の業界を絞っている会社や、特定の業務分野を専門にしているところもあるため、担当する案件の多くはすべて似たような業務になるでしょう。
ひとつのことに専念できる環境とも言えますが、幅広い業務を経験したい人にとっては、キャリアの幅を狭めることになり、辞めたいという気持ちにつながります。
会社でSEを辞めたいと思う理由2:納期がいつもギリギリである
予期しないトラブルなどのために納期がギリギリになってしまうのは、ある程度仕方のないことです。
トラブルを見越して余裕のあるスケジュールを組み無理なくプロジェクトを進行することは、SEの力を発揮できる場所でもあります。しかし、そのような調整がきかず、理不尽な理由で自分ではコントロールできないことも多々あるでしょう。
毎回ギリギリの状態が続いてしまうと、精神的な余裕がもてず、辞めたいという気持ちが湧いてきます。
会社でSEを辞めたいと思う理由3:残業代がでない
繁忙期には、残業することがあります。その分残業代がでるのであれば、仕事をするモチベーションになります。
しかし、サービス残業のように残業代がでないと、残業をしてまで働く気持ちになれません。
また、裁量労働制や固定残業代制(みなし残業代制)という制度が不当に扱われ、残業代が十分に支払われない場合もあります。
このように、残業してもその分の残業代がでないと、辞めようという気持ちが湧いてきます。
会社でSEを辞めたいと思う理由4:私生活までルールを敷いてくる
会社を離れた業務時間外は、仕事を忘れてプライベートを楽しむことでリフレッシュできます。しかし、会社や業務によっては、帰宅後や休日に問い合わせの連絡が入ったり、社内からの連絡を必ず受けなければならなかったりすることがあります。
いつ仕事の連絡がくるかわからない状態では、休日もゆっくりできず気が休まりません。それが常態化してしまうと、オンオフの切り替えが難しくなり、辞めたいという気持ちになります。
会社でSEを辞めたいと思う理由5:休みがとれない
休みをとるのは立派な労働者の権利です。適度に休みをとることでリフレッシュでき、仕事の効率がアップしたり、新しい技術やスキルを勉強できたりします。
しかし、業務や納期が重なり休みがとれない、上司や同僚からのプレッシャーがあるなどで、休みがとりづらいこともあります。
このように休みがとれなければ、きちんと休みがとれる他の会社で仕事をしたいと、SEを辞めることを考えるようになります。
SEを辞めたいときの対処法3つ
激務が重なり、十分な休みがとれず、残業代もでないようなSEの仕事を辞めたいと思ったときは、一体どうすればよいのでしょうか?ここからは対処法を考えていきます。
SEを辞めたいときの対処法1:給与が他より高ければ妥協もできる
SEの仕事は、残業時間が長かったり、常に納期に追われるプレッシャーがあったり、満足に休みがとれなかったりと、大変な面がたくさんあります。しかし、その分他の仕事と比べて給与が高ければどうでしょうか。
SEの平均年収は、日本人の平均年収を上回っていると言われています。大変な仕事である分、対価として給料が多く支払われているのであれば、妥協できる面もあるでしょう。
SEを辞めたいときの対処法2:人間関係は他と比べればマシかも?
たしかにSEの仕事は大変です。しかし、人間関係はどうでしょうか。多少仕事内容が大変でも、一緒に働く人との人間関係が良好であれば、協力したり励まし合ったりしながら乗り越えられることもあります。
また、人間関係については、転職したとしても、実際に働いてみないと改善されるかどうかはわかりません。今の職場の人間関係が悪くなければ、このまま仕事を続けていくことも選択肢に入れてもよいのではないでしょうか。
SEを辞めたいときの対処法3:退職してからの転職は危険
仕事が大変なときには、すぐにでも退職したい気持ちになるのはよくわかります。しかし、退職してから転職するのは危険です。
退職して収入が途絶えてしまうと、早く新しい仕事を見つけなければというプレッシャーはかなり大きくなります。そのような状態で転職活動をすると、結果的に今と変わらない条件の職場に入社することになるなど、転職に失敗してしまう恐れがあります。
また、ブランクが空くことで、採用に不利になることもあります。
SEからの転職をするときの注意点3つ
転職にはリスクがありますが、それでもSEから転職したいという場合は、どういったことに注意すればよいでしょうか。ここではSEが転職するにあたっての注意点をみていきましょう。
SEからの転職をするときの注意点1:異業種へ転職する場合
異業種へ転職する場合は、転職先の業種は未経験となり、中途採用では不利になることもあります。
採用されるためには、経験者と比べて自分のスキルや経験がどのように転職先の仕事に役に立つのかをしっかりと分析して、採用担当者に伝えましょう。
SEの仕事には、コミュニケーション力やマネジメント力など他の職種でも役に立つスキルも多く、また現代ではITの知識は業界を問わず求められます。
それまでにどのような工程に関わってきたかにもよりますが、ITコンサルやWeb関連のエンジニアなどは、職種の選択の際に検討してみてもよいのではないでしょうか。
SEからの転職をするときの注意点2:体を壊す前に転職をする
退職してからの転職は危険と述べましたが、体を壊すほどの状態の際は別です。
心身の健康に影響がでている場合は、病院にかかり、現職を休職するなどの対策をとりましょう。体を壊してしまうと、回復に時間がかかったり、この先ずっと付き合わなければならなくなったりする可能性があります。
何をするにも体が資本です。必要に応じて公的機関やクリニックなど外部の力も借りながら、転職を検討しましょう。
SEからの転職をするときの注意点3:30代からの転職は難しい
30歳という年齢は、転職するときのひとつの指標となります。残念ながら、20代の頃と比べ、30代、40代の転職では年齢が不利になります。
30代の転職者には即戦力やマネジメント力が求められます。また、家族がいるなどで希望する給料の金額が上がる一方、無理な働き方ができないなどの事情がでてきます。女性の場合、妊娠、出産といったライフイベントが重なる方もいるでしょう。
結果、厳しい条件で慎重に検討することになり、30代からの転職は難しい傾向にあると言えます。
SEを辞めたいときの対処法を知ろう
SEの仕事は大変です。辞めたくなることも多々あるでしょう。そんなときには、現職にとどまる、転職する、他業種へ転職するなどの選択肢があります。それぞれのメリット、デメリットを把握し、対処法を取りましょう。
選択肢を持つことで精神的な余裕が生まれるため、SEを辞めたいと考えているとき、一度立ち止まって最適な道を選択できるでしょう。