C言語とC++の4つの違いを紹介!それぞれの言語の特徴も解説
C言語とは何か?
C言語とはコンパイル型の汎用プログラミング言語です。
1972年にリリースされた歴史の古いプログラミング言語で、プログラムの実行のためにソースコードをコンパイルする必要がある言語です。
C言語は処理速度の速さが特徴で、組み込み系システムの開発やハードウェアやサーバーのプログラム開発などに活用されています。
C++とは何か?
C++とはC言語を拡張させたオブジェクト指向のプログラミング言語です。
1983年にC言語の機能を拡張させ、オブジェクト指向を追加することでより効率的なプログラミングができるように開発された言語です。
そして、C言語と互換性があるため、C言語と同時に使用することができます。そのため、C言語とC++はソフトウェア開発などで合わせて使用されるケースも多いです。
C言語とC++の4つの違い
C言語とC++にはどのような違いがあるのでしょうか。
C言語とC言語を拡張させたC++は兄弟のような関係のプログラミング言語ですが、両者は同じではなく、さまざまな違いがあります。
ここではC言語とC++の4つの違いをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
C言語とC++の違い1:言語構造
C言語の言語構造は難解ですが、C++はより複雑になっています。
C言語は人が使う言葉よりもコンピュータが使用する機械語に近く、言語構造自体があまり読みやすいとは言えません。そのため、習得難易度は高いと言われています。
しかし、C++はそれ以上に非常に複雑な言語構造になっているため、簡単とは言えないC言語を習得している人でも、はじめてC++を学ぶときには戸惑う人も多いです。
C言語とC++の違い2:クラス
C言語と違い、C++にはクラスが存在します。
C言語にはクラスの概念はなく、データ構造を定義するためには「struct」という機能を使用していました。structを使用することで、独自にデータを定義できます。
一方、C++ではクラスを定義するための「class」という機能が新しく追加されており、C言語のstructにさらに関数が定義できるようになりました。
C言語とC++の違い3:ジェネリックプログラミング
C言語と違い、C++ではジェネリックプログラミングが可能です。
ジェネリックプログラミングとは、具体的なデータ型に依存しない抽象的で汎用的なコーディングを可能とするプログラミング手法です。
C++はテンプレートにより関数やクラス、変数をサポートしており、データ型に捉われずにコードが書けるジェネリックプログラミングを可能としています。
C言語とC++の違い4:例外処理
C言語と違い、C++では例外処理が可能です。
例外処理とは実行中にエラーが発生した場合、続く処理の実行をやめてエラー発生用の処理を行う機能です。C言語は多くの場合、エラーが発生した場合、戻り値としてNULLや特定の数値をセットすることでエラーを検出します。
一方、C++ではエラー検出方法として例外という機能が実装されているため、例外処理によりエラー検出がしやすいです。
C言語の3つの特徴
C言語の特徴をご紹介します。
ここまでC言語とC++の違いを中心にご紹介してきましたが、そもそもC言語とはどのような特徴を持つ言語なのでしょうか。
ここではC言語の3つの特徴をご紹介しますので、どのような特徴があるのか参考にしてみてはいかがでしょうか。
C言語の特徴1:処理速度が速い
C言語は処理速度の速さに強みを持つ言語です。
C言語はコンピュータに近い言語を使用してプログラミングを行うため、非常にコンパクトでプログラムの実行速度が速いという特徴があります。
また、C言語はコンパイル方式の言語となっており、プログラムを実行する際には翻訳機によって一度すべてのソースコードがコンパイルされるため、処理の実行速度がインタプリタ方式の言語よりも速いです。
C言語の特徴2:歴史が長い
C言語は1972年の誕生から50年近い歴史を持つ言語です。
C言語は世の中にコンピュータが普及し始めた初期の頃に誕生した歴史の古い言語で、これまでさまざまな開発現場で採用されてきました。そのため非常に多くの実績を持ち、現在使われている数多くのプログラミング言語にも影響を与えた存在です。
また、この記事でもご紹介しているC++や、C++とJavaの良い点を持ったC#などのC系の派生言語も生まれました。
C言語の特徴3:OSや組み込み系によく使われる
C言語はOSの作成や組み込み系の開発に用いられる言語です。
WindowsやmacOS、LinuxなどのOSはC言語によって開発することができ、実際にmacOS XやLinuxカーネルの開発にはC言語が採用されています。
また、C言語はハードウェアの中でプログラムの制御などに使われる組み込み系ソフトウェアの開発にも用いられており、ロボットや家電製品などのプログラムに搭載されています。
C++の3つの特徴
C++の特徴をご紹介します。
ここまでC言語の特徴をご紹介しましたが、C++はC言語とは異なるさまざまな特徴を持つ言語です。ここではC++の3つの特徴についてご紹介しますので、どのような特徴があるのか参考にしてみてください。
C++の特徴1:C言語の拡張として開発された言語
C++はもともとC言語の拡張版として生まれた言語です。
C++は1983年にC言語の機能の拡張として開発されたプログラミング言語で、C言語の特徴であるコンピュータを素早く動かすことができるという特徴を持っています。
また、新しくオブジェクト指向を加えたことにより、C言語よりも効率の良いプログラミングができるようになっています。
C++の特徴2:オブジェクト指向
C++はオブジェクト指向の言語です。
オブジェクト指向とは、プログラムを手順ではなくモノの作成を操作で考える手法です。複数のモノと役割を用意し、モノを組み立てるようにコンピュータを動かすという特徴があります。
また、オブジェクト指向はスマホ向けのアプリケーションやゲーム、さらにロボット開発などにも活用されており、オブジェクト指向型プログラミングは現在のプログラミングの主流となっています。
C++の特徴3:C言語と互換性がある
C++はC言語とも互換性があるため、同時に使用することもできます。
C++はC言語を拡張して開発された言語のため、C言語と互換性を持っています。そのため、C言語で実行されているものはC++でも実行することができ、C言語とC++と同時にソフトウェア開発に用いることも可能です。
また、C言語で開発されたプログラムをC++に移行することもできるなど、C言語と組み合わせて柔軟な使い方ができます。
C言語の派生言語にC#もある
C言語の派生言語としてC#という言語も存在しています。
先ほどもご紹介しましたが、直接C言語をベースにしたわけではありませんが、C系言語の1つとしてC#という言語があります。C言語とC++、そしてC#は同じC系言語ですが、C#は前述の2つの言語とは違う特徴を持っています。
ここでは最後に、C言語の派生言語であるC#についてご紹介します。
C#はC++とJavaの良い部分を組み合わせた言語
C#はC++とJavaの特徴をあわせ持ちます。
C#はC言語やC++とはまた違うプログラミング言語ですが、C++に似ている点も多いです。また、Javaのいいところも組み合わされた言語になっており、文法的にはJavaに似ています。
そのため、Javaのプログラミングができる人なら使いやすいでしょう。もちろん反対にC#の実務経験があれば、少しの学習コストでJavaを使えるようになります。
C#の特徴
C#はWindowsと相性の良い言語です。
C#はマイクロソフトが開発した言語で、オブジェクト指向を採用しています。また、統合開発環境にはVisual Studioが使用でき、マイクロソフトが提供しているさまざまなツールで開発がサポートされています。
そのためWindows向けのアプリケーションや、マイクロソフト製品と連携するシステム開発に適している言語です。
C言語もC++もIT業界でよく使われる
C++はC言語の機能を拡張させて開発された言語ですが、C言語とはさまざまな違いがあります。
しかしどちらの言語もソフトウェア開発現場では広く採用されており、高い需要がある言語だと言えるでしょう。
ぜひこの記事でご紹介したC言語とC++の概要や、C言語とC++の4つの違い、C言語とC++それぞれの特徴などを参考に、C系言語について理解を深めてみてはいかがでしょうか。