Rubyでできること10選!Rubyの特徴やできないことも解説

そもそもRubyとは

Rubyは、日本人のソフトウェア技術者、まつもとゆきひろ氏が開発した日本製のプログラミング言語です。Webアプリケーションの作成によく使われます。

Rubyは、データやそれに作用する手続きの集合体をオブジェクトとして表現する、オブジェクト指向言語です。そのため、オブジェクト指向の機能を利用して読みやすいコードを書けるといった特徴があります。また、スプリクト言語なので、手軽にプログラミングができるのです。

Ruby on Railsとの違い

Ruby on Railsとは、Rubyを使うことができるWebアプリケーションフレームワークです。フレームワークには、アプリを作成する際に必要な機能や構造がひとつにまとめられていて、開発をサポートしてくれます。

フレームワークは単体で何かをすることはできず、開発者が作ったプログラムを読み込むことで、初めて機能します。Ruby on Railsは、Rubyを使って書かれたプログラムを読み込んで、アプリケーション開発をサポートしてくれるフレームワークです。

PHPとの違い

Rubyは、「Ruby on Rails」を使うことで様々な結果を容易に達成できるため、余計なストレスを感じずに開発することができます。また、共通の認識を持って開発ができるため、1つのプログラムを複数の人間が協力して開発することが簡単にできます。

PHPは、Ruby on Railsのような単独のフレームワークを持っていないかわりに、多種にわたるフレームワークを使用できるため、開発環境に多くの選択肢があると言えます。

Rubyの特徴3つ

Rubyは、最初からオブジェクト指向言語として開発されたという特徴を持っています。ほかのプログラミング言語に比べて、より純粋なオブジェクト指向言語なのです。

また、プログラムを実行する際、随時コンピューターに処理をさせていくことが可能なスプリクト言語でもあります。コンパイル(コードをコンピューターが理解できる内容に翻訳する)の必要がないので、手間がかかりません。

その他にも、大きな3つの特徴があります。順番に見ていきましょう。

Rubyの特徴1:日本発の言語

Rubyは、日本人のソフトウェア技術者、まつもとゆきひろ氏が開発した、日本生まれのプログラミング言語で、日本では特に人気のある言語となっています。

PHPやJavaなどのプログラミング言語は、開発環境が英語であるため、常に最新技術を利用するには、ある程度の英語力が必要です。

その点、開発者が日本人であるRubyは、簡単に情報を得られ、利用しやすい言語です。また、多くの参考書が日本語で書かれており、翻訳された参考書が主である他の言語に比べ、勉強しやすくなっています。

Rubyの特徴2:自由度が高く身に着けやすい文法

シンプルな文法が特徴であるRubyは、初心者でも身に着けやすいプログラミング言語です。プログラムを書く際に必要な記号が、最小限の数に納められているために習得が容易で、より少ない字数でプログラムを書くことができます。

また、プログラムの一部をユーザーが自由に変更できる柔軟性を持っています。この柔軟性が、プログラマーを制限しない、自由度の高さを支えているのです。

Rubyの特徴3:汎用性の高さ

Rubyには、非常にたくさんの数のライブラリが存在しています。実現したい機能によってライブラリを使い分けることで、様々な機能を短く簡潔なコードで実装できるのです。

ライブラリの数が多いということは、多くの機能を実装できるということであり、それだけ汎用性が高い言語であると言えます。Rubyは、様々な機能を持つ、いろいろなアプリケーションを作ってみたい、と思うプログラマーに適しているのです。

Rubyで作られているWebサービス

現在、よく知られているWebサービスのいくつかは、Rubyを利用して作られています。「クックパッド」、「食べログ」、「価格ドットコム」などが、それです。

海外でRubyによって開発された有名なアプリケーションとしては、SNSサービスの「Twitter」、動画配信サービスの「Hulu」があげられます。

Rubyができること10選

Rubyは、さまざまな開発の場で利用されています。Webアプリケーションを主として、SNSやオンラインショッピングなど、多くのサービスがRubyによって開発されているのです。これは、Rubyが豊富なライブラリを持ち、高い汎用性を持っているからこそ、できることです。

では、具体的に「Rubyでできること」を見ていきましょう。

Rubyができること1:Webアプリケーション

Rubyでできることのうち、代表的なものが「Webアプリケーションの開発」です。Rubyを利用すれば、Webアプリケーションで、会員登録やWebサイト内の検索をする機能を作ることができます。

PHPやPerlなどのプログラミング言語でもWebアプリケーションの開発は可能ですが、Ruby on Railsを持つRubyのほうが、処理のスピードや効率性の面で勝っているのです。

Rubyができること2:ブログ

ブログを作成するのも、Rubyができることの1つです。Ruby on Railsを使って、テキストエディター機能を簡単に実装することができるといった利点があるので、開発が容易です。

豊富なライブラリを持つRubyならば、ブログに様々な機能を追加したり削除したりすることが簡単にできます。Rubyを利用すれば、よりカスタマイズ度の高いブログを作成できるのです。

Rubyができること3:SNS

Rubyができることとして、SNSの開発もあげられます。ユーザーの情報を登録したり、ログイン情報を管理したりするほか、SNSに投稿する機能も実装することができます。

実際に、FacebookやTwitterといったSNSサービスが、Rubyを利用して作成されているのです。

Rubyができること4:オンラインショッピングサイト

オンラインショッピングサイトの開発も、Rubyを利用してできることの1つです。

Ruby on Railsの持つライブラリを利用すれば、ユーザーの情報登録やログイン機能を作成できます。ログインの際の認証機能を実装することも可能です。

オンラインショッピングサイトで、Rubyができることとしては、商品管理画面の表示もあります。商品の登録もRubyでできるのです。

Rubyができること5:ポータルサイト

Rubyでできることとして、ボータルサイトの作成があります。ポータルサイトとは、様々な情報を検索する際に、入り口となるサイトのことです。ユーザーが要求する情報によって、いろいろなジャンルのポータルサイトがあります。

Rubyで作成されたポータルサイトのうち、有名なものが「Airbnb」です。ユーザーは、Airbnbを利用することで、世界中に存在する宿泊場所やレストラン情報などを手に入れることができます。

Rubyができること6:ゲーム制作

ゲームの制作も、Rubyでできることの1つです。

Rubyは「Gosu」というゲーム開発パッケージを持っています。これは、RubyとC++に対応した、ゲーム開発パッケージです。

オープンソースのパッケージであることに加え、WindowsやmacOSなど、複数のプラットフォームに対応しているという特徴があります。

Rubyができること7:スクレイピング

スクレイピングとは、Web上の情報を集め、その情報を加工して新しい情報を作り出す機能のことです。これも、Rubyでできることの1つです。Rubyには、初心者でも複雑なコードを書かずに、スクレイピングを実行できるライブラリがあります。

Rubyによるスクレイピングを利用しているサイトの例が、「Gunosy」です。Rubyによって、ニュースサイトを巡回し、項目別に分類した結果をユーザーに提供しています。

Rubyができること8:API

APIとは、サーバーサイドで動く処理プログラムのことです。APIは、ネットワークを通して、アプリケーション間やシステム間を繋いでいます。APIの作成も、Rubyができることです。

APIによるデータ連携は、多くのシステムを接続、運用しています。例をあげると、テレビの番組表をプログラムから呼び出して情報を取得し、ユーザーに表示するのもAPIの役割です。

Rubyができること9:クローラー

クローラーはスクレイパーと似た機能ですが、情報を収集するのみで、その情報に手を加えることはありません。Webサイトにあげられた情報を集め、データベースに保存するのが「クローラー」です。

Rubyは、クローラーを簡潔なコードで実行することができます。この機能を使えば、検索サイトの作成も可能です。

Rubyができること10:チャットボット

チャットボットは、人間が音声や文章で入力した事柄に対し、自動的に回答する機能です。ユーザーの問い合わせ対応などを自動化することで、経費の削減や対応時間の短縮に繋げることができます。

Rubyは、Litaというライブラリを使って、チャットボットを作成することができます。Litaは様々な種類のチャットボットに対応しており、プラグインが開発されているライブラリです。

Rubyが不向きなこと2つ

Webアプリケーションの開発において、Rubyができることは様々ですが、中にはRubyで作業するには不向きなこともあります。

その機能を利用するためのプログラミング言語がすでに存在しているなど、機能実装に適したプログラミング言語がある場合には、あえてRubyを使用する必要はありません。

Rubyが不向きなことを、具体的に見てみましょう。

スマホアプリ開発

Rubyは、スマホのアプリを開発するのには不向きです。スマホアプリの開発には、JavaやSwiftが、主に使われています。JavaはAndroidアプリを、SwiftはiOSアプリを開発するのに用いられるプログラミング言語です。

また、種類の違うプラットフォームにまたがる開発をするには、Unityなどが使われます。

機械学習

機械学習のための代表的なプログラミング言語は、Pythonです。Pythonは、もともと機械学習に特化していて、そのための豊富なライブラリを持っています。

機械学習のために、あえてRubyを利用するメリットはありません。Rubyで開発せざるをえない環境ででもないかぎり、Pythonなどの機械学習に向いた言語を使うほうが合理的です。

Rubyの学習方法2選

Rubyの学習方法としては、他のプログラミング言語と同様に、2つの方法があります。

独学の場合は、書籍や学習サイトを利用して習得することができます。独学では不安な場合、解らないところが出てきた場合には、プログラミングスクールを利用することも1つの方法です。

プログラミングスクール

Rubyは、日本ではよく使われているプログラミング言語なので、ほとんどのプログラミングスクールで学ぶことができます。プログラミングスクールであれば、自分の学習の進み具合や、理解の度合いをプロの講師が判断してくれるため、効率的に勉強を進められます。

プログラミングスクールを利用することのデメリットは、独学に比べて費用がかかることです。

学習サイト

独学でRubyを勉強したい場合は、書籍を読む、学習サイトを利用するといった方法があります。学習サイトでは、オンラインで実際にプログラミングをしながら学ぶことができます。動画を視聴するなど、簡単に勉強を進めることができるのも特徴です。

Rubyの学習サイトはたくさんあるので、自分に合ったサイトを探しましょう。主なサイトは、動画視聴で学べる「Paiza」、Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏が関与している「ミニツク」などです。

Rubyができることを把握しよう

Rubyは、Webアプリケーションの開発をメインに、様々なサービスやアプリケーションの開発に利用されています。ポータルサイトの構築、SNSの各種機能の実装なども、Rubyでできることです。

Rubyは、機械学習やスマートフォンのアプリ開発には向いていません。これらの開発には、それに特化したプログラミング言語を使うほうが合理的です。

開発したいサービスやアプリの目的を明確に把握して、効果的にRubyを利用しましょう。