Sassの主な機能5つとは!Sassの使い方3つやメリットなどについて紹介
Sassとはどのような言語?
SassとはCSSを拡張して効率的な記述を可能にしたRuby製のスタイルシート言語です。
Sassとは「Syntactically Awesome StyleSheet」を略した言葉で、ハンプトン・キャトリンが設計し、ネイサン・バイゼンバウムが開発したCSSのメタ言語です。
業務でCSSを使用するマックアップエンジニアやフロントエンドエンジニアであれば、Sassを使用する機会も多いのではないでしょうか。
CSSとの違い
SassはCSSを効率的に書けるように開発された言語です。
前述のとおり、SassとはCSSをさらに拡張し、効率的な記述ができるように開発されたメタ言語です。そのため、CSSよりもSassの方がコードを少なく記述でき、CSSそのものよりもコードの保守管理がしやすくなります。
また、CSSにはないさまざまな機能を使用することもできます。
SCSSとの違い
SCSSとSASSには書き方に違いがあります。
SCSSは、もともとSASSにCSSとの十分な互換性がなかったことから開発された言語となっています。そのため、一般的にはSCSSの方がスタンダードに使用されており、SCSS独自の記述方法だけでなくCSSと同様の書き方も可能です。
また、拡張子もそれぞれ「.sass」、「.scss」となっています。
Sassとはどのようなメリットがあるのか
Sassとはどのようなメリットがある言語なのでしょうか。
SassはCSSを拡張することでより便利に記述できるようにしたスタイルシート言語となっているため、さまざまなメリットがあります。
それでは、Sassにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではSassのメリットをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コードを早く記述できる
SassならCSSよりもコードを早く記述することができます。
SassはCSSよりもプロパティのネストなどでコード量を少なく記述でき、一度定義したスタイルセットを容易に呼び出すことができるため、作業効率を向上することができます。
また、Sassであれば複雑なコードも再利用できます。そのため、何度も使用するようなスタイルセットを別のセレクタで簡単に呼び出すことで、早く記述できます。
コードの見直しが簡単になる
SassならCSSよりもコードの見直しが簡単です。
CSSでホームページ制作を行った場合、コードの見直しを行うのが非常に手間になります。しかしSassであれば変数の値を使いまわしたり、関数を使用したりできるようになるため、メンテナンス性が向上します。
そのため、後からコードの見直しを行うことになっても非常に簡単になります。
Sassとはどのようなデメリットがあるのか
Sassには環境構築に手間がかかるなどのデメリットもあります。
SassファイルはそのままではCSSと認識されないため、コンパイルしてCSSに変換する必要があります。しかしそのためのツールをインストールするのが非常に面倒です。
また、Sassを使って開発を行い、その後クライアント側で管理することになる場合、クライアントがSassを導入していない場合は結局CSSを編集することになります。
Sassの主な機能5つとは
Sassの主な機能をご紹介します。
Sassを利用することで、CSSであれば複雑になったり長くなったりしてしまうコードをシンプルに記述することができます。それでは、Sassとは具体的にどのような機能を持っているのでしょうか。
ここではSassの主な機能5つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Sassの機能1:変数が利用できる
Sassでは変数を利用することができます。
変数は繰り返し使いたいコードなどを定義することで、簡単に繰り返し利用できる機能です。Sassなら変数を利用できるため、変数を使用することで修正も最低限の量で済ませることが可能になります。
そのため、変数は何度も書かなければいけない箇所や変更が発生しやすい箇所に使用するのがおすすめです。
Sassの機能2:ネスト(入れ子構造)が使える
Sassではネスト(入れ子構造)を利用することができます。
SassはCSSと違ってネストによる記述が可能なため、少ないコード量で記述することができます。また、適度にネストを使って記述することで1つの処理を1か所に纏めることができるため、コードもわかりやすくなります。
そのため、CSSをそのまま読む場合よりも見落としなどを発生しにくくできるでしょう。
Sassの機能3:mixin機能
Sassではmixin機能を利用することができます。
mixinとは単体で使用するのではなく、サブクラスで継承されることにより機能を提供するクラスです。mixin機能を利用することで、コードのまとまりをあらかじめ作っておくことで、他の場所から呼び出すことも可能です。
また、変更が発生する場合も、mixinのコードのまとまりを変更するだけで変更点を反映できます。
Sassの機能4:条件分岐が可能
Sassでは条件分岐ができます。
Sassなら条件処理による条件分岐も可能なため、CSSであれば複数行記述しなければいけないような処理であっても、少ないコード量で記述することができます。また、条件分岐によってさまざまな処理を実装することが可能です。
Sassの機能5:スタイルシートの分割
Sassではスタイルシートの分割ができます。
Sassはスタイルシートをわかりやすく分割することができるため、管理に役立ちます。たとえば後からファイルの確認や修正を実施する場合、スタイルシートを分割して管理しておくことで、目的のファイルを見つけやすくなります。
そのため、CSSを使用している場合の修正箇所を見つけるまでの手間を削減したい人に便利です。
Sassとはどのようにして使う?
Sassを使用する場合は環境を準備する必要があります。
Sassを編集するエディタと、コンパイルするためのコンパイラが必要になります。Sassファイルはそのままではブラウザが認識しないため、コンパイラによってCSSに変換します。
MacのPCを使用している場合は初めからRubyがインストールされているため、エディタさえあればCSSへのコンパイルは自動で行えます。
Sassの使い方3つ
Sassの使い方をご紹介します。
ここまでSassのメリットやSassに搭載されているさまざまな機能についてご紹介してきましたが、実際にSassを使用する場合にはどのような手順で導入を行えばよいのでしょうか。
ここではSassの使い方3つをご紹介しますので、Sassを利用する際の参考にしてみてください。
Sassの使い方1:Rubyをインストールしよう
Sassを使用する場合、まずはRubyをインストールする必要があります。
Macを使用している場合など、すでにRubyがインストールされている場合はこの作業は不要ですが、Rubyが入っていないパソコンを利用している場合はダウンロードサイトからRubyをダウンロードしましょう。
また、環境によって必要なファイルは異なるため、自身のパソコンの環境に適したファイルをダウンロードする必要があります。
Sassの使い方2:Sassをインストールしよう
Sassを使用する場合、次にSassをインストールしましょう。
Windowsの場合はRubyGemsシステムを使用し、Macの場合はターミナルを使用してSassのインストールを行います。コマンドプロンプトで「gem install sass」というコマンドを実行し、Saasをインストールしましょう。
また、念のためにコマンドでSaasがインストールされたことも確認しておきましょう。
Sassの使い方3:コンパイラをインストールしよう
Sassを使用する場合、コンパイラもインストールしましょう。
前述のとおり、SassファイルをCSSとして使用する場合はCSSに変換するためのコンパイルが必要になります。そのためには、手動でコマンドを実行してコンパイルする方法と、コマンドによって自動的にコンパイルするように設定する方法があります。
また、他にはKoalaなどの変換ツールを使用する方法もあります。
Sassの基本的な書き方
Sassでは位置関係をインデントで表現するような書き方になります。
CSSでは
.products .text {
width: 200px;
}
のように表すコードの場合、Sassでは
.products
.text
width: 200px
のように非常にシンプルなコードで記述することになります。
IT業界を目指す上でSassを理解しておく必要性とは
CSSを使用するIT職種を目指している場合はSassの使い方について理解しておく必要があります。
IT業界で働く職種の中でも、フロントエンドエンジニアやコーダー、マークアップエンジニア、Webデザイナーなどの場合は、業務でCSSを使ってWebサイトを構築するケースがあります。
そのため、より効率的に記述することができ、作業負担を軽減することができるSassの使い方を知っておくことが重要です。
Sassとは効率良くコーディングができる言語である
CSSを使用するIT職種を目指している場合、Sassの使い方について理解しておく必要があります。
SassはCSSを拡張させたメタ言語で、CSSでのコーディングよりもコード量を軽減し、効率的に開発を行えるようにしたものです。
ぜひこの記事でご紹介したSassのメリットやデメリット、Sassの主な機能、Sassの使い方などを参考に、Sassについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。