SES契約とは?SES契約のメリット7つとデメリット4つなど紹介

SES契約とは

SES契約とはエンジニアの労働力を提供する契約形態のことです。SES契約ではエンジニアの労働力の提供が目的となるので、作業時間に対して費用が発生し、成果物に対しての責任が発生しないという特徴があります。

また、SESエンジニアはSESの社員であり、クライアントはSESエンジニアに対して指揮命令をすることができないなどの特徴もあります。

派遣契約とは

SES契約ではSESエンジニアがクライアント先に常駐して仕事を行うことが多いです。そのため、派遣契約とその意味をよく混同されることがあります。

しかし、SES契約はエンジニアの労働力の提供が目的であり、クライアントはSESエンジニアに指揮命令をすることができないことに対して、派遣契約の場合はクライアントは派遣されたエンジニアに対して指揮命令を行うことができるという点で大きな違いがあります。

請負契約とは

請負契約とはクライアントから依頼された業務を完成させることを目的とした契約です。そのため、SES契約とは異なり、請負契約では成果物に対する責任を負うことになります。

もし、成果物が不良品であったり、契約内容に沿ったことができなかったり、納期に間に合わなかったりなどすると、その責任を取る必要があります。

SES契約と派遣契約や請負契約との違いとは

SES契約とは、クライアントにエンジニアとしての労働力を提供することが目的の契約となります。

そのため、エンジニアの労働時間に対して費用が発生し、成果物に対して責任を負わないという特徴があります。また、クライアントはSESエンジニアに対しての指揮命令をすることはできません。

これに対し、派遣契約ではクライアントは派遣されたエンジニアに対して指揮命令をすることができ、請負契約では成果物に対しての責任を負う必要があります。

SES契約のメリット7つ

SESエンジニアは派遣社員や正社員とは異なった働き方をします。働き方が違うことで、SES契約によって働くSESエンジニアは他のエンジニアとは少し異なったメリットが得られることもあります。

SES契約のメリット1:スキルアップできる

SESではいろいろな仕事を受注しています。その仕事の範囲はエンジニアの経験がないと難しいものから、エンジニア初心者でもできる仕事まで幅広いのです。

そのため、SESではエンジニア未経験者でもできる仕事も多くあり、エンジニア未経験者が経験を積み、スキルアップしていくためには最適な場所となっています。

SES契約のメリット2:経験を積むことができる

SES契約では契約内容の仕事が終われば、SESエンジニアは次の職場へ移ることになります。そのため、SESエンジニアはいろいろな職場環境で仕事を経験することができます。

実際にいろいろな業界や企業などで経験を積むことができるのは貴重なことのため、SESで働く際の大きなメリットの1つとなります。

SES契約のメリット3:正社員雇用の可能性がある

SES契約では契約内容の仕事が終われば、SESエンジニアは次の職場へ移動します。そのため、SESエンジニアはいろいろな企業で仕事をすることになります。

もし、いろいろな企業で仕事をするうちに、クライアントから気に入られるようなことがあれば、その企業から正社員としての勧誘を受けることもあります。

正社員としての勧誘を受けなくても、新しい仕事を受けたり、所属するSESの評価が上がったりなどの結果に繋がる場合もあります。

SES契約のメリット4:大量採用される場合がある

IT業界は慢性的な人手不足となっています。しかし、エンジニアには専門的で高度な知識とスキルが求められるので、どの企業もエンジニアは簡単に採用することができません。

ですが、SESであれば難しい仕事から初心者でもできる仕事まで、扱っている仕事の幅は広いです。そのため、エンジニア未経験者でも採用されることもよくあり、大量採用が行われる場合もあります。

また、エンジニア未経験からでも始めやすいということから、エンジニアの経験を積むためにSESへの転職を希望するという人もいます。

SES契約のメリット5:相互にミスマッチが少ない

SES契約を結ぶ前に、SESはクライアントとしっかりと話し合いをしています。そのため、SESはクライアントの労働環境もしっかりと把握しています。また、SESエンジニアは仕事を始める前にSESからそのクライアントの情報を伝えられます。

事前にクライアントのことをよく知ることができるので、SESエンジニアとクライアントの間でミスマッチが起こりにくくなっています。

SES契約のメリット6:フリーランスとしても働ける

SESエンジニアとして仕事を続ければ、エンジニアとしての経験を積みながら、いろいろな企業との繋がりを作っていくことができます。その経験と繋がりを活用して、フリーランスとして独立するという選択もできます。

フリーランスになれば自分で仕事を選んだり、労働条件を交渉したりなどできるようになります。ただし、すべての責任を個人で負うことになり、仕事が獲得できなければ収入がなくなってしまうことになるので、フリーランスへ転身する場合はしっかりと準備をする必要があります。

SES契約のメリット7:時間数に応じて給与が支給される

SES契約はエンジニアの労働力を提供するための契約です。そのため、労働力を提供した時間だけクライアントには費用が発生することになり、SESエンジニアも働いた分だけ給料が上がりやすくなります。

ただし、契約には労働時間についての内容も含まれるため、たくさん残業をして稼ぐということはできません。

SES契約のデメリット4つ

SESエンジニアとして働くことにはいろいろなメリットがあります。しかし、SESエンジニアとして働くことにはメリットだけでなくデメリットもあります。そのため、SESで働くことを検討している場合は、その両方を把握しておく必要があります。

SES契約のデメリット1:賃金が安い

IT業界は多重下請け構造という特徴があります。大きなプロジェクトを1つの企業が受注すると、そのプロジェクトは細分化されて、1次請けから2次請け、3次請けと、次々に下請けに回されていきます。

その下層で仕事を請けた企業は、すでに多くの企業を間に挟んでいるため、得られる報酬が少なくなります。

SESではその下層の仕事を多く請けるという場合もあります。そのため、企業に入る利益が少なく、そこで働くSESエンジニアにもなかなか給料が回らないという状況になることもあります。

SES契約のデメリット2:向き不向きがある

SESエンジニアは基本的にクライアントに常駐することになります。また、SES契約によって職場を移っていく必要があったり、クライアントは指揮命令をすることができなかったりなど、他のエンジニアとは異なった働き方をすることになります。

そのため、SESエンジニアとして働く際には、その働き方に自分が適しているかどうかを見極める必要があります。向き不向きを判断せずにSESエンジニアとなり、もし自分がSESエンジニアに不向きであった場合には仕事に対して大きな負担を感じてしまうことになります。

SES契約のデメリット3:環境変化が多い

SES契約の場合は契約内容の仕事が終われば、SESエンジニアは次の職場へ移らなければなりません。そのため、SESエンジニアは仕事を1つ終えるたびに職場が変わることになります。

職場が変わることで労働環境や人間関係などがリセットされてしまいます。これらの環境がリセットされることで、SESエンジニアは職場が変わるごとに新しい労働環境に慣れて、新しい人間関係を築く必要があります。

SES契約のデメリット4:ストレスを感じやすい

SESエンジニアは客先常駐をすることが多いです。そのため、SESエンジニアの職場は他社となり、職場で疎外感を感じてしまうことがあります。職場での居心地の悪さから、仕事に対してストレスを感じてしまうという人も多くいます。

IT業界を目指すのであればSES契約について知っておこう

エンジニアにはいろいろな働き方があります。SES契約もその1つです。しかし、SES契約には派遣契約のように似たような契約形態もあります。IT業界を目指すのであれば、しっかりとエンジニアやその働き方などについて、事前に知識を持っておくようにしましょう。