フリーランスと起業は何が違う?メリットやデメリットを解説!

はじめに

フリーランスと起業の違いがよくわからないという人もいるでしょう。フリーランスと起業は働き方が大きな違いですが、手続きの複雑さや毎年提出する書類などにも差があります。それぞれメリットとデメリットがあるので、違いをよく知ることで自分はどちらが合っているのかわかるでしょう。

起業とフリーランスの働き方の違い

フリーランスと起業は何が違うのでしょうか。フリーランスと起業は似ているというイメージがあるかもしれませんが、さまざまな点で違いがあります。

フリーランスは業務を請け負って仕事をする

フリーランスは、案件ごとに業務を請け負って仕事をします。雇用契約を結ぶわけではなく、案件ごとに受注して仕事をすることが特徴です。報酬が決められていて、成果物を納品することで仕事が完了します。多くの案件を受注できたら報酬は高くなりますが、案件が受注できなければ報酬はゼロになってしまいます。

自分で考えたサービスを提供するのが起業

起業は自ら事業を始めて新しいサービスを提供して仕事をすることが特徴です。自分のアイデアをビジネスにして新しい仕組みやサービスなどを考えます。事業を自分で営むことになるので、必ず報酬が得られるという保証はありません。投資をして資金を回収することを繰り返していくことになり、フリーランスよりもお金の動きを掘り下げて考える必要があるでしょう。

フリーランスのメリット

個人で案件を受注して仕事を請け負う働き方のフリーランスはさまざまなメリットがあります。フリーランスの業種にもよりますが、時間や場所にとらわれずに働けることが特徴です。

好きな時間と場所で働ける

好きな時間と場所で働けることがフリーランスの一番のメリットでしょう。会社員として働く場合は、決まった場所で決まった時間に働く必要がありますが、フリーランスの場合は自由度の高い働き方が可能です。フリーランスの業種によってはパソコンだけあれば、カフェでも旅行先でも仕事ができます。

得意な仕事や好きな仕事ができる

自分が持っているスキルを活かせる案件を受注します。自分が得意な仕事や好きな仕事を受注できるので、自分の技術やスキルを十分に活かして仕事ができるでしょう。

確定申告の提出だけで良い

フリーランスとして働く人が毎年提出する必要のある書類は確定申告のみです。今まで確定申告を行ったことがない人でも調べたり、ツールを使ったりすることで簡単にできることが特徴です。起業した場合は決算書などさまざまな書類を提出する必要があります。

フリーランスのデメリット

自由に働けるというイメージのあるフリーランスにもデメリットがあります。案件ごとに仕事をしていくので収入が安定しないことが多かったり、社会的な信用が低かったりします。

収入が安定しない

フリーランスになると収入を安定させることが難しいです。一つの案件が終わるとそこで収入が途絶えてしまうので、次の案件を受注するために営業をする必要があります。案件が受注できなければその分収入が減ってしまいますので、フリーランスとして働くと毎月の収入が不安定な人も少なくないでしょう。

社会的な信用が低い

フリーランスは収入が不安定になりやすいので、社会的な信用が低い傾向があります。安定した収入があるフリーランスの場合でも、クレジットカードやローンなどの審査に落ちてしまうことがあるでしょう。ローンや賃貸契約などの際に確定申告の控えを2〜3年分用意しなくてはいけない場合もあるので、フリーランスになってから日が浅い人は断られてしまう恐れがあります。

年金や保険などに加入する

会社員として働く人は、年金や健康保険は自動で加入して保険料も給料から天引きされるので自分で行うことは特にないでしょう。しかし、フリーランスになると国民年金と国民健康保険に自分で加入する必要があります。

一定レベルのスキルが必要とされる

フリーランスとして仕事を受注するには、一定レベルのスキルが必要とされます。また、スキルを保有しているではなく常に新しいスキルを身につける意識を持つことが継続して案件を受注するために大切です。会社で働いている場合は、知識や技術がない分野でも教育したり研修したりすることがあるでしょう。しかし、フリーランスとして働く場合は仕事を依頼する企業が教育するということは少ないです。そのため、自分自身でスキルを高める努力が必要になってきます。この努力を怠ることで、現在のスキル以上の仕事ができないという事態に陥る可能性があります。

起業のメリット

起業はフリーランスよりも自分の好きなスタイルで仕事ができ、自由度の高い働き方ができるというメリットがあります。ここでは、フリーランスと比べたときのメリットについて解説します。

自分のやりたいスタイルで仕事ができる

起業すると、フリーランスよりも自由に仕事ができます。自分が考えるアイデアをビジネスとして事業を立ち上げて自分のやりたいスタイルで仕事ができるので、仕事のすべてを自由にできます。自分が得意とする分野や持っているスキルを活かして、新しいサービスを考えて仕事に繋げたいと思っている人は起業することで実現しやすくなるでしょう。

法人化したら節税になる

起業して法人化すると、法人税を支払うことになります。法人税は比例税率で計算されるので、資本金の金額に関わらず税率は最高で23%台です。フリーランスとして働いている人は、収入が多くなるほど所得税が多くなります。しかし、起業して法人化すると会社の規模によって税率が決まるので所得が多くなっても税率は高くなりません。場合によっては、フリーランスから起業して法人化した方がかかる税金が少なくなるという人もいるでしょう。起業して法人化すると所得が多くなるほど節税になります。また、起業すると給料や退職金を経費にできます。経費が多くなると、所得税としてかかる税金が少なくなります。経費にできるお金が増えることで、節税に繋がるのです。

事業が成功すれば高収入を目指せる

事業が成功すれば高収入を目指せます。フリーランスは一つ一つの案件をこなしていく働き方です。一方で起業は投資をして新しい事業を始め、利益を上げていく働き方です。起業することでより高い収入を得られる可能性があります。事業が上手くいったら大きな利益を得られるでしょう。

やりがいを感じやすい

アイデアやプランを自分で考えて仕事をしていくことになるので、決められた案件をこなしていくこととは違ったやりがいがあります。フリーランスとして働くよりもやりがいを感じやすいでしょう。

フリーランスよりも信用度が高い

起業すると、フリーランスよりも社会的な信用度が高い傾向があります。取引先を法人のみと決めている企業もあるので、起業することでより多くの取引先を確保できるでしょう。また、社会的な信用が高いことで金融機関から融資を受けやすくなります。

社会保険に加入できる

起業して法人化すると、社会保険に加入できるようになります。健康保険と厚生年金は、国民健康保険や国民年金よりも手厚い補償を受けられることがメリットです。健康保険と厚生年金の保険料は、会社側と雇用されている側で折半して支払うことになります。

人材を確保しやすい

起業することで人材を確保しやすくなります。フリーランスとして人材を確保するよりも、会社として人材を募集した方が採用に繋がりやすいです。社会保険や雇用保険に加入できるというメリットがあるので、働きたいと思う人が増えるでしょう。

起業のデメリット

起業するとフリーランスよりも自分の好きなように自由な働き方ができるようになります。収入が大きく増える可能性もありますが、一方でデメリットもあります。起業を考えている人は、事前にデメリットも知っておくことが大切です。

手続きが複雑で費用がかかる

会社を設立するためには、設立登記申請に行く必要があります。さまざまな書類が必要になり、複雑な部分もあるので手続きに時間がかかります。また、起業のために登記代や印紙代だけでも24万円ほどの初期費用がかかります(電子定款認証でない場合)。

利益が出るとは限らない

起業して事業を始めても必ずしも利益が出るとは限りません。事業が上手くいくようになるまで収入がない恐れもあるので、起業をした後もしばらく生活できるくらいのお金を貯めておくと安心でしょう。また、最悪の場合は事業が失敗してしまって損をする恐れもあります。起業する場合は、リスクが大きいことを知っておく必要があります。

社会保険料が高い

起業して法人化すると社会保険に加入することになります。社会保険に加入できることはメリットでもありますが、一方で社会保険料が高いというデメリットもあります。金銭的な負担が大きくなるので、資金繰りが厳しくならないようにする必要があるでしょう。

法人の維持費がかかる

起業して法人化すると、法人の維持費がかかります。法人住民税均等割という税金を払う必要があり、最低でも約7万円程度かかるとされています。起業することで節税などのメリットもありますが、維持費として新たにかかってくる税金もあることを知っておくと良いでしょう。

決算などの書類面が大変

起業をして法人化した場合は、確定申告ではなく決算などの書類を提出することになります。確定申告よりも決算は提出する書類が複雑で大変です。自分で勉強をして決算の書類を作成するのが大変という人は、税理士に依頼するという方法もあります。

起業するベストなタイミングとは

フリーランスとして働いていた人が起業する場合も多いです。では、現在フリーランスとして働く人が起業するのはいつが良いのでしょうか。フリーランスが起業するおすすめのタイミングについて解説します。

年間利益が800万円を超えたとき

フリーランスとして年間の利益が800万円を超えるようになったら、起業して法人化した方が節税できる場合が多いです。年間の利益が400万円を超えたときから起業することで節税に繋がるといわれています。しかし、起業をするためにかかる費用や社会保険の負担額などを考えると利益が800万円を超えたときが納税額が少なくなるボーダーラインとなるでしょう。

売上高が1,000万円を超えたとき

フリーランスとして売上高が1,000万円を超えたときに、消費税の納税義務が2年後になります。そして、起業をして法人化した場合は条件を満たせば最初の2年間は消費税の支払いが免除されます。そのため、フリーランスとしての売上高が1,000万円を超え、消費税の納税を先送りにできるタイミングで起業をするのもおすすめです。

まとめ

フリーランスは個人で業務を請け負って仕事をするのに対して、起業は自らが考えた新しいサービスを提供して仕事をするという違いがあります。自分自身でやりたいサービスや事業などがはっきりとしている人は、フリーランスから始めるよりもすぐに起業しても良いかもしれません。今後どのような仕事をしたいのか、どのようなスタイルで仕事をしたいのかを考えることで自分はフリーランスが良いのか起業が良いのかわかるでしょう。