IT派遣を辞めたいと思う5つの理由とは?辞めたいと思ったときの対処法

IT関連の派遣業界の現状

IT業界は慢性的な人手不足となっています。そのため、優秀なエンジニアを確保することが難しい企業も多くあります。そのような企業は時間や費用をかけて採用活動をするのではなく、派遣エンジニアを活用するという選択をすることも多いです。

また、派遣エンジニアには需要があるので、スキルがあれば正社員としてエンジニアを続けるよりも、柔軟な働き方ができる派遣として働く方が良いと考えるエンジニアもいます。ただし、派遣エンジニアとして働くのであれば、事前に知ってくべきことがいくつかあります。

IT派遣を辞めたいと思う理由5つ

柔軟な働き方ができるからと、エンジニアの中には派遣エンジニアとして働くことを選択する人もいます。しかし、派遣エンジニアとして働き始めると、派遣エンジニアを辞めたいと思うようになってしまう人もいます。その理由にはいくつかあります。

1:残業が多い

ITエンジニアは激務で残業が多いです。しかし、派遣エンジニアの場合は派遣元と派遣先の企業の間で、契約によって残業時間や残業代などについてしっかりと取り決めが行われています。

そのため、派遣エンジニアは月の残業時間の目安があらかじめ伝えられ、残業がない案件を選ぶことも場合によっては可能です。エンジニアの中には残業から逃れるために派遣エンジニアになることを選択する人もいます。

ただし、派遣元の企業がいい加減な契約をしたり、派遣先企業が契約を守らずに残業を迫ってきたりすることも稀にあります。そのため、派遣エンジニアになる場合は、信頼できる派遣元と派遣先を見極められるようにしておく必要があります。

2:休日勤務がある

ITエンジニアは激務で休日出勤をしなければいけないこともあります。しかし、派遣エンジニアであれば残業時間と同様に、休日出勤についても派遣元と派遣先の企業で契約によってその取り決めをしています。

そのため、派遣先企業は契約範囲を超えて、勝手に派遣エンジニアを休日出勤させるようなことはできません。ただし、派遣元の企業がいい加減であり、派遣先企業が契約を守らない可能性があることも残業の場合と同様です。

3:希望の仕事ができない

派遣エンジニアの仕事は簡単な業務から大きなプロジェクトまで、その幅は広いです。そのため、選ぶ案件によっては簡単な作業を繰り返し、誰でもできるような雑用のような仕事ばかりをしなければならないこともあります。

自分が希望する仕事ができない状況が続くことで、スキルアップができなかったり、モチベーションが保てなくなったりなどすることで、派遣エンジニアを辞めたいと思う人もいます。

4:客先常駐だと会社に貢献しているか疑問

派遣エンジニアは客先常駐となることが多く、派遣元の企業に出社することがほぼなくなります。そのため、派遣エンジニアは派遣元企業と雇用契約を結んでいるにもかかわらず、派遣元企業との関係が希薄になりがちです。

派遣元企業と接する機会が少ないことから、帰属意識も薄れたり、自身が派遣元企業に貢献できているか疑問に思ったりなどするようになります。

働く意義を見失いモチベーションが保てなくなるため、派遣エンジニアを辞めたいと思うようになることがあります。

5:キャリアプランと現状の働き方のギャップ

派遣エンジニアは選ぶ案件によっては簡単な作業や雑用をすることもあります。これらの仕事を続けていても、スキルアップできません。

そのため、自身が持っているキャリアプランを実現できず、停滞する状況が続いてしまうことで、派遣エンジニアを辞めたいと考えるようになってしまう人もいます。

IT派遣を辞めたいと思ったときの対処法8つ

いろいろな理由によって、派遣エンジニアを辞めたいと思う人もいます。しかし、転職には慎重な判断が必要です。

そのため、派遣エンジニアを辞めたいと思ったときは、すぐに行動を起こすのではなく、まずはいくつかの対処法を実践してみましょう。

1:なぜ辞めたいのかを明確にする

派遣エンジニアを辞めたい場合は、まず派遣元企業に相談をする必要があります。その際、辞めたい理由を聞かれるため、派遣元企業を納得させられるよう辞めたい理由を明確にする必要があります。

もし、明確な辞めたい理由がなければ、派遣元企業から引き止められたり、悪い印象を与えてしまったりなどする可能性があります。

また、単純に転職の決意を固め、転職の方向性を定めるためにも辞めたい明確な理由を自分で把握しておく必要もあります。

2:ここの職場がマシだと思うようにする

エンジニアの仕事は激務です。激務から逃れるために、派遣エンジニアになることを選択する人もいます。もし、派遣エンジニアを辞めて正社員のエンジニアに戻る場合は、以前の過酷な労働環境に戻ることになります。

激務な環境で仕事をすれば、また派遣エンジニアなりたいと思ってしまう場合があります。そのため、派遣エンジニアを辞めたいと思った際は、今の働き方が環境的にマシだと自分に言い聞かせるようにしましょう。

会社選びの失敗談を読んでみる

エンジニアの仕事はただでさえ激務です。そのため、派遣エンジニアを辞めたいと思って正社員のエンジニアを目指す際に、企業選びで失敗してしまうと仕事を続けていくことができなくなる可能性があります。

エンジニアの転職での失敗談は多くあるので、それらを読んでみて、同じ失敗をしないように注意しましょう。

3:年収の高さで割り切る

エンジニアは高度な技術や知識を求められるので、平均年収は少し高めとなる傾向があります。そのため、派遣になれば給料が減少すると言われることがありますが、エンジニアの場合は派遣になって給料が少し下がったとしても十分な平均年収を得られます。

派遣エンジニアは十分な収入が得られると割り切って、条件や環境に不満があっても我慢するという選択肢もあります。

IT派遣業界の平均年収

派遣エンジニアの収入は、雇用契約を結ぶ派遣元や受ける案件、持っている実績やスキルなど、いろいろな条件によって変わります。

ただし、派遣エンジニアの収入を時給にすると2000円~3000円ほどが目安であり、平均年収は500万円~600万円ほどとなっています。そのため、派遣であってもエンジニアであれば十分な収入を得ることは可能です。

4:仕事を通して得られる満足感を振り返ってみる

派遣エンジニアは客先常駐となることも多かったり、やりたい仕事ができなかったり、思うようにスキルアップができなかったりなど、仕事への満足感や達成感を得られずに辞めたいと思ってしまうことがあります。

しかし、派遣エンジニアの仕事は満足感や達成感を全く感じないということはありません。派遣先で評価されたり、顧客から感謝されたり、厳しいスケジュールを見事にこなしたりなどして、満足感や達成感を感じたこともあるでしょう。

仕事の満足感や達成感はモチベーションに繋がるので、派遣エンジニアを辞めたいと思った場合は、これまで仕事で得た満足感や達成感を振りかえってみましょう。

5:IT業界の将来性の高さをもう1度考える

IT業界は慢性的な人手不足なため、エンジニアの需要は今後も下がることは考えにくいでしょう。

また、派遣エンジニアの働き方には柔軟性があります。そのため、スキルを身につけておけば、仕事から離れる時期があったり、働ける時間に制限があったりなどしても、派遣エンジニアとして仕事ができます。

将来のことを考えると選択肢の幅が広いので、派遣エンジニアとしての経験を積んでおく人もいます。

6:客先常駐は多重下請け構造から脱却すること

IT業界の特徴として、多重下請け構造があります。多重下請け構造とは、元請会社から二次請け、三次請けと、次々に発注されていくことです。

多重下請け構造では、重要な仕事は上層で行われ、下層の方では簡単な仕事しか回ってきません。簡単な仕事なので得られる報酬が少ない傾向になります。

また、下層にいくほど納期が厳しく、多くの企業を間に挟むので、少ない報酬はさらに間の企業に取られて減ってしまうことになります。

もし、多重下請け構造の下層の仕事を請けている企業に派遣されると、激務になる可能性があり、簡単な仕事しかできないのでスキルアップに繋がりません。

派遣エンジニアは選べる案件に制限がありますが、なるべく自分がキャリアプランを達成できる案件を選ぶことも、仕事を続けていくうえで重要です。

7:辞めることが理想とするキャリアの実現につながるのか慎重に検討する

ただ漠然と派遣エンジニアが嫌になったので辞めたいという理由では、転職に失敗する可能性があります。転職をする場合は、辞めたい理由を明確にしておく必要があります。

派遣エンジニアを辞めることで、自分の持っているキャリアプランが実現できるかどうかを慎重に検討しましょう。

また、キャリアプランを実現するためには、正社員としての転職や、その場合にはどのような企業に勤めるべきか、フリーランスとして独立すべきかなど、どのような方向性が必要であるかも事前に見極めましょう。

8:続けられるなら続けたまま転職先を見つけること

転職活動は仕事を続けながら転職先を見つける方法と、仕事を辞めて転職先を見つける方法に大きく分けられます。これらにはそれぞれメリットとデメリットがあります。

仕事を続けながら転職活動をすることのメリットには、収入を維持できる、職歴にブランクを作らないなどの大きいものがあります。そのため、できれば転職活動を行う場合は、仕事を続けながら転職先を見つけることが望ましいでしょう。

辞めるべきIT派遣会社の特徴2つ

派遣会社は非常に多くあります。そのため、どのような派遣会社と契約をすれば良いのか悩んでしまう人は多いでしょう。もし、派遣会社選びを間違ってしまうと、仕事を続けられなくなったり、トラブルに巻き込まれたりなどする可能性があります。

そのため、正しい派遣会社選び、その派遣会社を辞めるべきかどうかを判断するためにも、辞めるべきIT派遣会社の特徴を把握しましょう。

犯罪まがいのことをする会社だった

派遣では、派遣先の企業が派遣された人材を、さらに別企業へ派遣することはできません。これをしてしまうと二重派遣となり、違法となります。

また、企業が派遣会社を子会社として設立して、その派遣会社の人材を自社に関係のある企業にだけ派遣することも禁止されています。これも専ら派遣となり、違法となります。

派遣会社の中にはこれらのような違法な人材派遣をするものもあるので、犯罪行為を助長しないため、後にトラブルに巻き込まれないためにも避けるようにしましょう。

パワハラが横行している

もし、派遣エンジニアが派遣先企業でパワハラを受けてしまうと、その派遣エンジニアは派遣先の社員ではないので対処に悩むこともあります。そのような場合は、派遣元企業に相談すれば正しく対処をしてもらえることがほとんどです。

しかし、派遣会社に相談しても、面倒なことは避けたいからと適切な対処をしてもらえない場合があります。派遣先に正しい対処をしないことで、派遣先ではパワハラが横行してしまうことになります。

そのような派遣エンジニアを守ってくれない派遣会社はすぐに辞めるべきでしょう。また、派遣会社が対応してくれない場合は、労働局や弁護士への相談を検討しましょう。

IT派遣を辞めたいときは対処法を参考にしよう

派遣エンジニアとして働いていると、辞めたいと思ってしまうこともあります。しかし、すぐに行動に移すのではなく、まずはいくつかの対処法を実践してみましょう。

それらの対処法によって、別の解決方法が見つかることもあります。