基本情報技術者試験は難易度が高い?他資格とのレベル比較と資格取得方法3選紹介
基本情報技術者試験とは
基本情報技術者試験とは情報処理推進機構が運営している、国家資格取得のための試験です。ITエンジニアのための登竜門でもあり、IT業界未経験の人も多数試験を受験し、合格を勝ち取っています。
登竜門ともあり、応用技術者試験などと比較すると難易度は落ちますが、試験問題自体のレベルや合格の難易度は決して簡単ではなく、しっかり対策しないと合格は難しいです。
試験の日程
基本情報技術者試験は春と秋、年に2回開催されます。また試験は大きく分けて午前試験と午後試験の2回に分かれ、英検のように1日かけて実施されます。
ただし、コロナ禍が原因で極めて異例の年となった2020年のように、CBT形式で開催されることもあり、この場合は午前試験と午後試験を異なる日にちで受験することも可能です。
出典:令和3年度上期における基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験のCBT方式による実施予定について|情報処理推進機構
資格を取得することでできること
基本情報技術者試験に合格すると、IT業界への就職が有利になることは勿論、資格手当やエンジニアの単価アップで収入をあげることができます。
また、IT業界以外の人に関しても、合格することで、社内システムの開発や改修時の際に、IT企業との交渉役を任せられる可能性が高くなり、業務の幅が広がります。
資格の取得で活躍できる職種
基本情報技術者試験はIT資格の王道とも言えるので、資格の取得によって活躍できる職種も幅広く、プログラマーからシステムの設計者、IT業界とは違う業界で働いている人にまで役に立ちます。
まず、既にIT業界で働いている人も、資格の取得によって自分の働いている分野とは違う分野の知識が蓄えられるようになり、フルスタックエンジニアへの道も開けます。
また、前述したように、IT以外の業界で働いている人も、社内SEや、社内システム発注時のIT企業とのカウンターパートを務めることが可能です。
基本情報技術者試験と他IT関連資格との違い
基本情報技術者試験が他のIT関連資格と異なる点としてあげられるものは資格の有効期間です。
Javaなどのベンダー資格は、プログラミング言語が日々進化していることもあり、資格の有効期間に限りがあり、定期的に新しいバージョンの資格を取得し直さなければなりませんが、基本情報技術者試験の合格は永続的に効力を持ちます。
資格には、それぞれ特徴があり、取得の難易度や合格時のメリットが異なりますので、同じIT関連の国家資格との違いを説明します。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は基本情報処理者試験と同じく国家資格取得のための試験です。基本情報技術者試験が主に社会人に向けて実施されているのに対し、ITパスポート試験はどちらかと言うと学生向けの試験になります。
応用情報技術者試験
応用技術者試験も基本情報技術試験と同じく国家資格の1つです。基本情報技術者試験よりも難易度がワンランク上です。
対象者像が高度なIT人材として、知識が確立された者となっていることからも、かなり難関の試験で並大抵の勉強時間では取得は困難ですが、取得のメリットは基本情報技術者試験よりも更に大きなものとなっています。
基本情報技術者試験の難易度
基本情報技術者試験の難易度は決して低くはありません。特に今までIT技術に触れる経験が少なかった人ですと、難易度は更に上がります。過去問の解説を見ても、問題の理解を深めることは初期の人ではかなり難しいでしょう。
過去の合格率
基本情報技術者試験の合格率は、令和1年の場合は25.7%となっており、数字だけ見ると、4人に1人しか合格できていません。
しかし、受験の理由が会社に命令されたというだけで全く勉強していない人も多数いることは考慮する必要があります。
出典:基本情報技術者試験(FE) ~ ITエンジニアの登竜門 ~
[ Fundamental Information Technology Engineer Examination ]|情報処理推進機構
IT関連試験初心者でも資格取得は目指せるのか
IT関連試験初心者でも基本情報技術者試験合格は、可能です。ただ、勉強時間や勉強期間はIT関連の仕事をしている人よりも当然のことながら、長く設定する必要があります。
基本情報技術者試験の難易度レベルと類似資格2選を比較
基本情報技術者試験を運営している情報処理推進機構は、他にも何種類もの資格試験を実施しています。
基本情報技術者試験の難易度、更に類似資格である応用情報技術者試験とプロジェクトマネージャ試験のレベルについて説明します。
基本情報技術者試験のIPA公式サイトでのレベル
基本情報技術者試験はIPAの公式サイトの対象者像にも書いてある通り、基本的なIT知識を持った人、ITエンジニアのキャリアを始めたばかりの人を対象にしています。
基本と言っても合格率と、レベル2と設定されていることを見ればわかる通り、きちんと対策をしないと受かりません。よって、難易度は低くはないものの、そこまで過度に心配する必要もありません。
類似資格1:応用情報技術者試験のレベル
応用情報技術者試験のレベルはとても高いです。基本情報技術者試験がレベル3なのに対し、ワンランク上のレベル3になっていることと、合格率は25%程とあまり変わりませんが、受験者数が基本情報と比べて半減程度になっていることからも明白です。
出典:応用情報技術者試験(AP) ~ ワンランク上のITエンジニア ~
[ Applied Information Technology Engineer Examination ]|情報処理推進機構
類似資格2:プロジェクトマネージャ試験のレベル
プロジェクトマネージャ試験は応用情報よりも更に難易度が上がります。応用情報の試験からレベルは更に上がって4となっております。
そもそもこのプロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトの成功だけでなくメンバーの成長もさせることができる人に向けた試験なので、IT人材として相当深い知識が求められるでしょう。
合格率は更に下がって15%程ですが、何より特筆すべきは受験者数で、応用情報処理試験の十分の一程度しかいません。
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM) ~ ITプロジェクトの成功請負人 ~
[ Project Manager Examination ]|情報処理推進機構
難易度が高い基本情報技術者試験の資格取得方法3選
基本情報技術者試験は決して簡単な資格ではありませんが、過去問題や参考書を使用して定期的にインプットとアウトプットをする等、コツコツ努力してきっちり対策すれば大学受験や英検、漢検のように合格することは十分可能です。
基本情報技術者試験の取得方法1:なるべく多くの時間を勉強に費やす
基本情報技術者試験の基本はインプットとアウトプットの繰り返しが基本です。特にストラテジやマネジメントの問題はIT業界に属している人でもなじみが薄いので、まとまった勉強時間が必要でしょう。
目安としては、半年で合格するなら、1日1時間です。つまり、合計の勉強時間は180時間ほど必要なので、なるべく多くの時間を捻出しなければなりません。
基本情報技術者試験の取得方法2:プログラミングに関する知識を予めつけておく
基本情報技術者試験では、プログラミングの知識を持っておくととても役に立ちます。その理由として、試験問題の配点があげられます。
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験がありますが、午後試験はそれぞれの問題に配点があります。高い点を配分されている問題を重点的に学習するのは試験勉強のセオリーですが、その問題がプログラミングの問題とアルゴリズムの問題です。
プログラミングの知識をつけておけばプログラミングの勉強は勿論、アルゴリズムの知識も合わせてつけられるので、効率的に試験勉強を進める事ができます。
出典:試験要綱Ver.4.5 |情報処理推進機構
基本情報技術者試験の取得方法3:過去問を活用して試験対策をする
基本情報処理技術者試験は、過去問をどれだけ多く繰り返して解いたかが、合格の鍵を握っています。
基本情報処理技術者試験の試験範囲はとても広範で、問題にも多少のクセがあります。そのため、過去問を解くことで試験の傾向を知る必要があるでしょう。
基本情報技術者試験の資格を取得してITエンジニアとして活躍しよう
基本情報技術者の資格を取得すれば、IT未経験の人も、既にIT業界で働いている人もメリットが沢山あります。
基本情報技術者試験の試験範囲は広範囲で勉強は大変ですが、その分、広範囲な知識を手に入れる事もできるので、今後の仕事にも活かせます。ITエンジニアとして活躍するために、基本情報技術者試験の取得は非常に有効です。