BaaSでアプリ開発を簡単に!できること5選や類似サービスとの違いを解説
BaaSって何?
BaaSとは「Backend as a Service」を略した言葉で、スマホやタブレットなどのバックエンド機能を提供するクラウドサービスです。
BaaSを利用することによってバックエンド機能をアプリケーションサーバーが代行してくれるため、ユーザーは自身でサーバーを用意したり管理したりする手間がなくなり、サービスの構築に集中することができます。
バックエンドって何?
バックエンドとはアプリケーションにおけるサーバーサイドのことを指します。
ユーザー側であるフロントサイドに対義する意味で使用されることも多く、バックエンド機能はサーバー側で提供する機能を指します。
つまり、BaaSではサーバー機能がクラウド上で提供されることになるため、利用者はバックエンドの開発をする必要がありません。
BaaSはバックエンドをサポートするパッケージ
BaaSは一般的にアプリケーションの開発で必要となるユーザー認証や登録、管理などのバックエンドの処理をサポートするものです。
BaaSにはさまざまな種類がありますが、たとえばGoogleの提供している「Firebase」というBaaSの場合、導入することでアプリケーションデータのリアルタイム同期やユーザー認証、クラッシュレポートといったさまざまな機能が利用できます。
BaaSを搭載するとできること5選
BaaSとは、普通であればアプリケーション開発で実装しなければいけないバックエンド機能をクラウドで提供するクラウドサービスのことです。しかし具体的にどのような機能が提供されるのかイメージしにくいという方も多いのではないでしょうか。
ここではBaaSを搭載するとできること5選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
BaaSを搭載するとできること1:データの保管・管理
BaaSを搭載することで、アプリケーションのデータの管理や保管ができるようになります。
また、BaaSを導入することでデータはクラウド上で保管されることになることから、地震や台風などの自然災害、ヒューマンエラーによる情報流出などの脅威にさらされる心配がなくなります。
さらにデータは暗号化されるため、ユーザー自身で保管、管理するよりもリスクを下げることが可能です。
BaaSを搭載するとできること2:SNSと連携
BaaSを搭載することで、SNSとの連携も可能になります。
開発するアプリケーションに主要SNSとの連携機能を追加することができるため、たとえばFacebookやTwitterなどのSNSアカウントを使用したログイン機能や、SNSアカウントを使用したスムーズな会員登録機能などが利用できます。
BaaSを搭載するとできること3:プッシュ通知
BaaSを搭載することで、アプリケーションからのプッシュ通知機能が利用できるようになります。
プッシュ通知は近年のスマホアプリケーションに必須の機能の1つで、新しいメッセージやメール、ニュースや天気予報などのさまざまなお知らせを利用者のスマートフォンに通知するシステムです。
プッシュ通知機能を利用することで、アプリケーションからの更新情報やお知らせを通知できるようになります。
BaaSを搭載するとできること4:ユーザーの管理
BaaSを搭載することで、アプリケーションでユーザー登録機能が利用できるようになります。
多くのアプリケーションは利用時にユーザーアカウントを作成し、データを管理しなければなりません。BaaSを利用すればユーザーを管理するための機能も、利用者側で実装する必要がなくなります。
BaaSを搭載するとできること5:GPSと連携
BaaSを搭載することで、アプリケーションにGPSとの連携機能を追加することができます。
GPS連携によってスマートフォンのGPS機能を活用し、アプリケーションで位置情報を保存したり管理したりできるようになります。
BaaSを搭載するメリット
ここまでご紹介したように、BaaSを搭載することによって本来であれば開発する必要があるさまざまなバックエンド機能を利用できるようになります。それでは、BaaSを搭載することでどのようなメリットがあると考えられるのでしょうか。
ここではBaaSを搭載するメリットをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
開発の生産性アップ
BaaSを利用することによって、アプリケーション開発でのバックエンド機能の開発が不要になります。そのため、エンジニアは必要な機能の開発のみに注力することができるようになることから、開発をスピードアップして生産性を向上させることが可能です。
また、バックエンドに関する知識やスキルがない場合でもアプリケーション開発ができるようになります。
初心者でも比較的簡単に開発ができる
BaaSによってバックエンド機能が提供されることにより、初心者にとってハードルが高いインフラやOSの選定、実行環境の構築作業などがすべて不要になります。必要になる作業はアプリケーションの開発作業のみです。
そのため、BaaSを搭載することで、初心者でも比較的簡単にアプリケーション開発に挑戦できるようになるでしょう。
BaaSと他類似サービスとの違い3選
バックエンド機能を提供するBaaSのように、クラウド上でユーザーに機能を提供するクラウドサービスには「IaaS」「SaaS」「PaaS」などの種類があります。
それではBaaSと他の類似クラウドサービスにはどのような違いがあるのでしょうか。ここではBaaSと他の類似サービスとの違いについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
BaaSとの類似サービス1:IaaS
IaaSとはバックエンドの中でもハードウェアなどのインフラ基盤やOSを提供するものです。
IaaSは「Infrastructure as a Service」を略した言葉です。インフラ部分のみが提供されていることから、利用者はOSやミドルウェア、ソフトウェアなどを自由に選ぶことができます
そのため、開発する際にアーキテクチャ自体を好きにしたい場合はIaaSを選ぶのがおすすめです。ただし、開発の自由度が高いことから開発にコストがかかります。
IaaSとBaaSの違い
IaaSはインフラ基盤までを提供するもので、BaaSはインフラ基盤だけでなくバックエンド機能すべてを提供するクラウドサービスです。
そのため、BaaSを使用することでバックエンド側での作業がすべて不要になるのに比べて、IaaSではインフラのみが提供されることから、実際にフレームワークや言語を選んで開発を行う必要があるという点が違いになります。
BaaSとの類似サービス2:SaaS
SaaSとはクラウド上でソフトウェアを提供するサービスです。
SaaSは「Software as a Service」を略した言葉で、クラウド上でサービスを利用できるため、ユーザーは従来のようにパッケージで購入したアプリケーションをパソコンにインストールする必要がありません。
普段、インストールせずに使用しているメールシステムやチャットシステムなどはSaaSに該当します。
SaaSとBaaSの違い
SaaSはクラウド上で利用できるソフトウェアで、BaaSは開発に使用するバックエンド機能すべてを提供するクラウドサービスです。
SaaSではすでに完成したアプリケーションやサービスを利用することができるため、ユーザーは開発コストをかけずに必要な機能だけを利用できます。
一方、BaaSは利用者側での開発を前提としており、バックエンド機能を提供するという違いがあります。
BaaSとの類似サービス3:PaaS
PaaSとはバックエンドの実行環境などのプラットフォームを提供するものです。
PaaSは「Platform as a Service」を略した言葉で、アプリケーションの実行環境、ライブラリ、フレームワークなどを提供するサービスとなっています。
PaaSではIaaSが提供するインフラ環境だけでなく、上の階層である実行環境まで提供されるため、開発環境を自分でセットアップする必要がなくなります。
PaaSとBaaSの違い
PaaSはインフラ基盤から実行環境までを提供するもので、BaaSはバックエンド機能すべてを提供するクラウドサービスです。
PaaSはBaaSよりも一階層下の段階までを提供するサービスとなっているため、バックエンド自体の開発は必要になります。
しかしすでに出来上がっているバックエンドを提供するBaaSと違い、利用者側で開発することができるため、開発における実行環境構築の手間を削減しながら自由度の高いアプリケーション開発が可能になります。
BaaSを搭載して快適にアプリ開発をしよう
BaaSとは、アプリケーション開発におけるユーザー登録機能やデータ管理機能などのバックエンド側で必要となる機能をすべて提供するものです。
ぜひこの記事でご紹介したBaaSを搭載することでできることやBaaSを搭載するメリット、BaaSと他の類似クラウドサービスとの違いなどを参考に、アプリケーション開発を効率化できるBaaSを利用してみてはいかがでしょうか。