ブロックチェーンエンジニアとは?仕事内容4つと必要なスキル3つ

ブロックチェーンエンジニアとは

ブロックチェーンエンジニアとは、ブロックチェーンに関わる開発をおこなうエンジニアです。ブロックチェーンそのものを実装する、または、ブロックチェーンを用いたなんらかのサービスを実装することがあります。近年、ブロックチェーン技術は、多くのアプリケーションで使用されるようになってきました。それにともない、ブロックチェーンエンジニアの需要も高まってきています。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンとは、「分散型台帳技術」という分散型のデータベース技術です。ブロックと呼ばれるデータ単位をネットワークでつなぎ、データベースの一部を共有することで、データ連携が容易になり、セキュリティも向上します。ブロックチェーンは、ビットコインの基幹技術として発明された技術ですが、ビットコイン以外でもさまざまな金融分野で使用されています。また、金融サービス以外の分野にも実験的に導入されています。

ブロックチェーンエンジニアの仕事内容4つ

ブロックチェーンエンジニアの仕事内容は、ブロックチェーンに関わる幅広いものとなります。ブロックチェーンを使用するサービスやアプリケーションは増加しているため、新規の開発をおこなったり、ブロックチェーン技術そのものの開発をおこなったりします。この項目では、ブロックチェーンエンジニアの仕事を4つ取り上げて、それぞれの内容を詳しく説明します。

仕事内容1:ペイメントサービスの開発

ブロックチェーンエンジニアの仕事の1つに、ペイメントサービスの開発があります。ペイメントサービスとは、金銭の支払いを電子的におこなうサービスのことで、電子マネーやECサイトの支払いなどに使用されます。特に、ブロックチェーンは、数円単位での少額な電子決済であるマイクロペイメントに利用できます。こうした支払い機能の実装には、ブロックチェーンエンジニアの技術が必要です。

仕事内容2:アプリケーションの開発

ブロックチェーンエンジニアは、ブロックチェーンを用いたアプリケーションの開発もおこないます。ブロックチェーンを用いたアプリケーションの例として、上記のペイメントサービスや、不動産取引サービス、シェアリングサービスなどがあります。このように、幅広い業界のアプリケーションでブロックチェーンが使用されています。こうしたアプリケーションの開発には、ブロックチェーンエンジニアの存在が不可欠です。

仕事内容3:独自のブロックチェーンの開発

ブロックチェーンエンジニアは、独自のブロックチェーンの開発をおこなうことがあります。既存のブロックチェーンパッケージに機能を追加するだけではなく、顧客の要求に合わせた独自のブロックチェーンを開発します。独自のブロックチェーンを開発するには、ブロックチェーンに関わる理論や仕組みなどを深く理解していなければなりません。高度な知識と実装力が必要となる仕事でしょう。

仕事内容4:ブロックチェーン技術に関する研究開発

既存のブロックチェーン技術とは異なる新しいブロックチェーンを研究、開発するのもエンジニアの仕事の1つです。ブロックチェーン技術は、完成されたものではなく、そのセキュリティやアルゴリズムについて現在も研究が続けられています。ただし、このような研究開発を行っているのは、研究機関や研究所を備えた大企業のみです。専門性の高い知識だけではなく、論文を読み、最新の動向を理解する能力も必要となる仕事です。

ブロックチェーンエンジニアに必要なスキル3つ

ブロックチェーンエンジニアに必要なスキルは、幅広いものになっています。ブロックチェーンそのものの仕組みを理解しているだけではなく、ペイメントサービスの開発に不可欠なセキュリティに関する知識や、開発能力も重要です。以下では、ブロックチェーンエンジニアに必要なスキルとして、暗号に関する理解、ブロックチェーン技術、プログラミングに関する知識の3つをとりあげ、なぜそのような知識が必要なのかを説明します。

スキル1:暗号に関する理解

ブロックチェーンエンジニアは、暗号技術に関する知識を持ち、仕組みを理解していなければなりません。なぜなら、ブロックチェーン技術には、ハッシュ関数、公開鍵暗号、電子署名などの暗号技術が関わってくるためです。古くからあるハッシュ関数などの暗号技術については、専門書が多く出版されているため、いくつか購入して勉強するのが良いでしょう。また、最新の暗号技術についても情報収集を怠らないようにしましょう。

スキル2:ブロックチェーン技術

ブロックチェーンエンジニアにとって、ブロックチェーン技術を理解し、実装できることは、必須のスキルです。ブロックチェーンの仕組みや、利点と問題点などを把握しておくと、実際の業務でも役立つでしょう。ブロックチェーンを理解するためには、書籍などで知識を得るだけではなく、実装してみることが有効です。まずは、仮想通貨のクライアントソフトなどを使って、ブロックチェーンがどのようなものか体験してみましょう。

スキル3:プログラミングに関する知識

ブロックチェーンエンジニアも、他のエンジニアと同様にプログラミングに関する知識を有している必要があります。サービスや、アプリケーションの開発、ブロックチェーン自体の開発であっても、プログラミングのスキルは必須になります。プログラミングの知識は、プログラミングスクールや、書籍、オンライン講座などで身に付けることができます。そこから、アプリケーションの開発などを通して知識をさらに深めていきましょう。

ブロックチェーンの開発で使用される言語4つ

ブロックチェーンの開発に使用される言語はさまざまで、使用するソフトや目的によって異なります。ここでは、特によく使用されるC言語、JavaScript、Solidity、Go言語について、詳しく説明します。全ての言語を理解するのではなく、まずブロックチェーンの理論を重視した上で、1つは得意な言語を作るようにしましょう。あるいは、関わりたい仕事の内容に合わせて、学習する言語を選ぶのも良いでしょう。

言語1:C言語

C言語は、手続き型のプログラミング言語で、汎用的な言語でブロックチェーンだけではなくさまざまな分野で利用されています。また、C言語にオブジェクト指向のクラスなどを追加して拡張したC++言語は、ブロックチェーンの実装に広く使用されています。C++は、ビットコインのブロックチェーンにも使用されており、C言語の文法に準拠しているので、C言語を学んだあとには、C++言語を学ぶと良いでしょう。

言語2:JavaScript

JavaScriptは、WebページやWebアプリケーションの開発に使用されるスクリプト言語です。ブロックチェーンを用いたWebアプリケーションの開発には、JavaScriptは必須の言語となっています。また、ブロックチェーンを利用した仮想通貨取引所の中には、JavaScriptのAPIやライブラリを公開しているものがあります。仮想通貨取引のツールを作成する際にもJavaScriptは重要です。

言語3:Solidity

Solidityは、スマートコントラクトの記述のために開発されたプログラミング言語です。スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上に契約を載せる技術であり、スマートコントラクトの開発をおこなう場合は、Solidityを学習するのが良いでしょう。文法は、JavaScriptに似たものとなっているため、初心者にも学習しやすい言語です。また、学習用のゲームなどコンテンツも充実しています。

言語4:Go言語

Go言語とは、Googleが開発したプログラミング言語です。イーサリアムのクライアントソフトであるGo Ethereumを利用する際に使用される言語で、仮想通貨を扱う業務でよく必要とされます。記法はC言語やC++言語に似ていますが、C++言語よりもライブラリが充実しているため、初心者にも扱いやすい言語となっています。初めてブロックチェーンを構築するブロックチェーンエンジニア向けの言語です。

ブロックチェーンエンジニアの読むべき本3冊

ブロックチェーンエンジニアに必要な知識は、いくつかの書籍から習得できます。この項目では、ブロックチェーンエンジニアにおすすめの本を紹介しています。ブロックチェーンエンジニアの仕事には、幅広い知識が要求されます。最新の情報はインターネットからも得ることができますが、深く知識を得たい場合は書籍を利用するのが良いでしょう。これらの書籍から、ブロックチェーンの概念や暗号技術について学びましょう。

1冊目:ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術

「ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術」は、ビットコインに関わるブロックチェーンや暗号技術について説明している書籍です。ビットコインの解説書である「Mastering Bitcoin」の翻訳版で、ビットコインと周辺技術について、詳細に解説されています。扱っている技術は、秘密鍵、公開鍵、ブロック、マイニングなどで、図表も多いのが特徴です。初心者にも分かりやすい内容となっています。

2冊目:仮想通貨の教科書

「仮想通貨の教科書」は、ビットコインなどの仮想通貨に関わる技術を解説した教科書です。プリンストン大学の実際のオンライン講義をベースとして作られた書籍で、こちらも初学者にも分かりやすい内容となっています。ブロックチェーンそのものの仕組みに加えて、暗号理論、マイニングなどの用語と解説が含まれています。また、理論のみならず、実際にサービスに組み込んで使用する際の懸念事項などにも触れた深い内容の本です。

3冊目:暗号技術入門 – 秘密の国のアリス –

「暗号技術入門 – 秘密の国のアリス -」は、ブロックチェーンに限らず、現在使用されている暗号技術について幅広く解説している本です。歴史的な暗号の手法から、最先端の技術まで、それぞれ深い内容まで解説されています。扱っている内容は、公開鍵暗号、ハッシュ関数、デジタル署名などで、暗号技術について理論と仕組みを解説しています。数式に加えて、図を多用しているため、専門外の読者も読みやすい内容となっています。

ブロックチェーンエンジニアを目指してみよう

ブロックチェーンに注目が集まる今だからこそ、ブロックチェーンエンジニアを目指してみましょう。アプリケーションやサービスの開発や、ブロックチェーンそのものの研究開発まで、幅広い仕事が用意されています。ブロックチェーンエンジニアは、ブロックチェーンや暗号技術に関する幅広い知識が必要とされます。書籍などを読み、スキルを高めれば、ブロックチェーンエンジニアとして活躍できるようになります。

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