Amazon Correttoとは?脆弱性やサポート期間、商用利用について

Oracleが提供するOpenJDKのバージョン8が2019年1月にサポートを終了しました。それに代わるAmazon Correttoが新たなOpenJDKとして注目を集めていいます。Amazon CorrettoはOracleのOpenJDKの互換となるのでしょうか。この記事ではAmazon Correttoについてお伝えしていきます。

Amazon Correttoとは?

そもそもAmazon CorrettoとはAmazonが提供するOpen Java SE Development Kit(OpenJDK)のことで、現在(2020年4月時点)リリースされているのはAmazon Corretto 8とAmazon Corretto 11の2つです。Amazon Correttoは本番環境に対応したマルチプラットフォームで長期サポートを提供しています。プラットフォームはAmazon Linux 2だけではなく、Windows、macOS、Dockerにも対応しています。またOpenJDKであるため無料で使用でき、機能の追加時に有料になったり、制限があるといったこともありません。Amazon CorrettoはJava SEと互換性があると認定されているため、OracleのOpenJDKのバージョン8がサポート終了になった今、Amazon Correttoを利用する価値は高まってきていますが、はたしてAmazon Correttoの利用にデメリットはないのでしょうか。この記事ではAmazon Correttoの注意点やその他のOpenJDKについて紹介していきます。

Amazon Correttoの脆弱性

Oracle OpenJDKのバージョン8がサポート終了しましたが、このまま使用を続けると脆弱性が心配されます。バージョン9、10はすでにサポートが終了しているうえに、バージョン11以降は有償になってしまいます。OracleJDKを使用し続けるには脆弱性を回避するために11以降へとバージョンアップし、有償化しなければなりません。これには大変な移行作業と労力がかかります。そのため現場としてはできるだけ避けたいと思うのは自然な流れでしょう。そこで、Amazon Correttoの出番です。

Amazon Correttoは問題点の修正やセキュリティの向上を実現するために四半期ごとに無償アップデートを提供してくれます。また、機能を高速化するためのパフォーマンス強化やガベージコレクションのスケジューリング、メモリー不足の防止、監視機能、レポート機能、スレッド管理機能の改善などをパッチに含みます。

Amazon CorrettoはAmazon内でも数千もの本番環境のサービスで既に使用されているため、セキュリティは高く、脆弱性はかなり小さい(安全)と言えるでしょう。

サポート期間

Amazon Correttoが長期サポートに対応しているということはお伝えしてきましたが、いつまでサポートしてくれるのかが肝心です。Amazon Corretto8とAmazon Corretto11ではサポート期限が異なるので注意してください。

  • Amazon Corretto 8のサポート期間:2023年6月
  • Amazon Corretto 11のサポート期間:2024年8月

サポート期間は上記のものとなっていますが、このサポート期間は延びる可能性もあるため、Amazon Correttoを利用する際は注意しておきましょう。

商用利用について

現在Javaを導入している企業の多くはJava 8を利用しています。さらにOracleのOpenJDKを利用している企業は多いことでしょう。OracleJDKのJava 8のサポートが終了し、Java 11からは商用利用が有償化されるため、有償化に踏み切るか、無償で提供している別のOpenJDKを利用するか検討されていることでしょう。

これまでOracleJDKのJava 8を利用していたのであれば、Java SEと互換性があると認められているAmazon Correttoは現実的に検討の余地があるでしょう。またAmazon Correttoの他にも無償で商用利用が可能なOpenJDKがあります。

商用利用可能なAmazon Corretto以外のOpenJDK

Amazon CorrettoはAWSを利用しているならまず第一に利用を考えるべきですが、AWSを利用していない場合は他のOpenJDKも考慮に入れておくべきでしょう。以下に2つのOpenJDKを紹介しています。

  • AdoptOpenJDK
  • Zulu

こちらは無償ではありませんが、すでにRed Hat Enterprise Linuxを使用している、または使用を検討している場合は以下のJDKを利用するのが良いでしょう。

  • Red Hat Open JDK

さきほどもお伝えしたようにすでにAWSのサービスを利用しているのであれば、Amazon Correttoの導入を。それ以外であるならば、現在利用されているサービスに応じてどのJDKを導入するかを検討し、判断するのがベストだと思われます。

まとめ

以上がAmazon Correttoをメインにその他のOpenJDKについての説明となります。サポート期間は長期で対応している場合がほとんどですが、期限にバラツキがあるので導入の際には注意してください。利便性を考慮し、AWSを利用しているならAmazon Corretto、Red Hat Enterprise Linuxを利用しているならRed Hat Open JDKなど、現在利用されている状況に応じてOpenJDKも検討されると良いのではないでしょうか。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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