AWS Storage Gatewayの種類とDR対策

はじめに

皆さん、「AWS Storage Gateway」という言葉は聞いたことはないでしょうか? IT業界に携わっている多くの方は聞いたことがあるかもしれませんね。この記事では、「AWS Storage Gateway」とはなんなのかという基本的なことから、DR対策についてわかりやすく解説していきます。

「AWS Storage Gateway」とは

まずは、「AWS Storage Gateway」についてです。読みは「AWS Storage Gateway( エーダブリューエス ストレージ ゲートウェイ )」です。どのようなサービスなのかわかりやすくと説明すると、AWSが提供する、オンプレミス環境のサービスと密接に連携したクラウドストレージ・バックアップサービスです。オンプレミス環境( サーバーやネットワーク、ソフトウェアといったものを自社で導入、運用するという意味です。 )にあるデータをクラウド上のストレージに置くためのゲートウェイという感じでしょうか。

そもそもゲートウェイとはなんなのか

先ほどの説明をもう少しかみ砕きます。ゲートウェイとか言われても何のことなのかわからない方もいるでしょう。ゲートウェイとは、異なるネットワーク同士を接続するネットワーク機器の事です。英単語の意味は「出入口」です。つまり、他のネットワークとの通信を行う時には必ず通らなければならない接続ポイントということです。他に、ゲートウェイは、通信プロトコル( 通信をする際の約束事 )を変換し、異なるプロトコルを用いたネットワークをつなげるという役割もあります。

AWS Storage Gatewayの種類

AWS Storage Gatewayには3種類のソリューションが提供されているので、簡単に概要だけ説明します。

ゲートウェイ保管型ボリューム( Gateway Stored Volumes )

ゲートウェイ保管型ボリュームでは、新しくアップロードされたデータをローカルのディスクに保存し、非同期にAWSへとバックアップを行えるようオンプレミスゲートウェイを設定することが可能です。すべてのデータがローカルに保存されているので、クライアントから高速でアクセスすることも可能です。また、災害復旧の為の代わりの容量が必要な時に、ローカル、Amazon EC2から復元することが出来る、耐久性が高く低コストのリモートバックアップ( 災害に備えて重要なデータを遠隔地に複製し、経営手段を保護する手法 )を行うことも可能です。

ゲートウェイキャッシュ型ボリューム( Gateway Cached Volumes )

ゲートウェイキャッシュ型ボリュームは、ゲートウェイ保管型ボリュームとは違い、全てのデータがローカルに保存されているわけではありません。データはアプライアンス( 特定の機能に特化した専用機器の事 )経由でAmazon S3に保存されますが、保存される際に仮想アプライアンスにマウント( コンピューターに接続されている機器を認識させる事 )されているCache Volumesに一時的に保存させます。データへのアクセスが発生した際、まずGateway VolumesはCache Volumesを参照しに行くわけですね。Cache Volumesにデータがなかった場合にのみAmazon S3へ行き、対象のファイルを取得するというわけです。ゲートウェイキャッシュ型ボリュームのメリットは、プライマリストレージのコストを削減でき、ストレージをオンプレミスで拡張する必要性も少なくなり、頻繁にアクセスするデータの遅延時間を低くすることが可能という点が挙げられます。

ゲートウェイ仮想テープライブラリ( Virtual Tape Library )

ゲートウェイ仮想テープライブラリ( ゲートウェイVTL )は、クラウド上にあるゲートウェイ1つにつき1500本の仮想テープをコレクションすることが可能です。仮想テープはテープライブラリかテープシェルフに格納することが可能です。仮想テープライブラリは、Amazon S3によってバックアップされた仮想テープを格納でき、仮想テープシェルフはAmazon Glacierによってバックアップされた仮想テープを格納することが可能となっています。

AWS Storage Gatewayを使ったDR対策

企業のDR対策としては、メディアにバックアップを残すという手法が広く一般的です。ですが、メディアにバックアップを残すという手法は非常に手間がかかります。ですが、上記で書いたゲートウェイVTLを使用することで テープライブラリを簡単に作成することが可能です。メディアと違って嵩張ることもなく、容量も無制限なので安心して使用することが可能です。このようにAWS Storage Gatewayを使用することにより簡単にDR対策を行うことが可能です。

まとめ

本記事では「AWS Storage Gateway」とはなんなのか、その種類やDR対策を紹介させていただきました。本記事に書いてあるのは「AWS Storage Gateway」についての最低限の情報なので、まだまだ色々な特徴があります。もし「AWS Storage Gateway」に興味を持っていただけた方は、本記事に書いてある事をよく読んでいただき、実際に使用してみて理解を深めるのもいいでしょうね。

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