ソリューションアーキテクトについて
はじめに
唐突ですが、みなさんはAWSについてご存じでしょうか。いまさら何を、と思われる方も多いでしょうが、ではAWSに深く関係する「ソリューションアーキテクト」という単語を耳にされたことはあるでしょうか。
今回はこの「ソリューションアーキテクト」に焦点を当てて見たいと思います。
ソリューションアーキテクトとは
結論から先に言うと、ソリューションアーキテクトとはAWSを利用している顧客に対し、ビジネスの課題を解決に導くために助言をしたり、技術的なサポートを提供するいわばAWSのエキスパートのことを言います。
AWSを活用して実現できることは多く、業種を問わずあらゆる企業が利用していますが、裏を返せば、実現できることが多ければ多いほどそれを実現するために専門的な技術や知識が必要となり、使いこなすためには相応の時間と労力がかかります。そんな企業のためにソリューションアーキテクトというポジションが存在します。
AWSを支える3つの役割
ソリューションアーキテクトの役割は大きく分けて3つあると言われております。
アカウント担当
まず 1つ目は、「アカウント担当」と呼ばれ、自分の担当する顧客としっかり信頼関係を築き、長期的に支援することを目的とした役割です。ソリューションアーキテクトの多くがこの役割に従事しています。
テクニカルソリューションアーキテクト
続いて2つ目は、個別の顧客に限定せず、あらゆる顧客に対しても技術面で広くサポートする「テクニカルソリューションアーキテクト」です。
レディネスソリューションアーキテクト
最後に3つ目ですが、セキュリティーやデータベース、DevOpsなど、それぞれの技術領域において高度なスペシャリティを持ち、その技術領域の問題にアカウント担当と連携しながら対応していく「レディネスソリューションアーキテクト」と呼ばれる役割が存在します。
これら3つの役割のソリューションアーキテクトが協働して現在のAWSを支えているのです。
役割について聞くと業務内容のことも気になると思いますので調べました。担当する役割によって若干の違いがありますが、主な業務内容は以下の通りです。
- 顧客ヒアリングによるAWS活用機会の発掘
- アーキテクチャ設計の支援や技術の検証
- 技術的な課題を打破するためのディスカッション
- ウェブセミナーの実施
- 最新の技術情報の収集
ざっとこんな感じです。
AWSを利用するのが初めてという顧客が相手であれば、まずAWSとは何かというところから説明して、AWSで実際に構築できるアプリケーションの凡例的な構成を解説したりなど、顧客に合わせた対応が可能です。AWSはいわゆる売り切りではなく、そのサービスを取り扱うソリューションアーキテクトは導入後も新サービスや運用提案、コスト効率などといった顧客に寄り添った提案を行います。
重要なこと
ソリューションアーキテクトは顧客からの技術的な信頼を得るのが重要になってきます。ITに限らずの話なのですが、その分野についてよく知りもしない人に教えを乞うようなことはしないように見受けられます。もしも、その人がその分野にかなり精通していたとしても、自分がそれを知らない、もしくは懐疑的であればわざわざ関わったりなんかはしないでしょう。
ソリューションアーキテクトはこういった問題を発生させないために、常日頃から最新の技術情報を仕入れていなければならないのはもちろんのことなのですが、それと同じくらい得意な専門分野をいかにアピールするか、もっといえばいかに顧客の技術的信頼度を得ることができるのかが重要になってきます。その信頼を得ることで初めて顧客から相談を受けたり、提案した内容が実践され活かされるのです。
とはいえ、これまでなんでもできる万能のスペシャリストという風な紹介をしてきましたが、例えば全てのプログラミング言語を網羅しコードを完璧に書かなければならないのでしょうか?もちろん顧客にはエンジニアも含まれているので多少は書けなくては話が成立しませんが、顧客の代わりに実作業を実施したりなにかしらの作業を委託されたりなんてことはないので全てのプログラミング言語を網羅している必要はありません。
ですが、顧客にサンプルコードを提供したり作業手順を説明するのにデモを用意したりはしますので、ある程度精通しておく必要があります。顧客の意思を汲み取りながら限られた時間でサンプルコードを提供するなんてことはざらにあります。
まとめ
いかがでしたか。ソリューションアーキテクトについて説明したこの記事があなたのお役に立ってば幸いです。以下に、この記事で説明した内容をざっとまとめます。
- ソリューションアーキテクトとはAWSを利用している顧客に対し、助言や技術的なサポートを提供するAWSのエキスパート
- 3つの明確な違いを持った役割がそれぞれ協働してAWSを支えている
- 導入後も新サービスや運用提案、コスト効率面などの長期的な支援を実施する
- 技術的な信頼を得ることが重要
この記事を読んで以前よりもソリューションアーキテクトに興味を持たれたのであれば、それだけで執筆した甲斐があるというものです。
本稿を最後までお読みいただきありがとうございました。