AWS EFSについて | Amazon Web Services Elastic File System

AWS EFSについて

複数のEC2インスタンスからアクセス可能な主な共有ストレージにはS3、EBS、EFSがあります。下記にそれぞれの特徴をまとめます。S3のデメリットとして長期保存するには向いているが、即座に読み込んで即座に共有ファイルとして記録するといったことには向いていません。またEBSのデメリットとして複数のEC2インスタンスにアタッチできません。こういったデメリットを補うためにこのEFSという機能があります。今回はEFSについて説明していきます。

S3

・オブジェクトストレージでリージョンに設置

・HTTPによるAPI経由でアクセス

・大容量のデータを長期保存するためのもの

EBS

・ブロックストレージでAZに設置

・EC2インスタンスのディレクトリボリュームとして利用するが、物理的ではなくネットワーク経由で利用

・複数のEC2インスタンスにアタッチできない

EFS

・NASに似たファイルストレージ

・ファイルシステムとして利用し、複数のEC2インスタンスでの共有アクセスが可能

EFS概要

EFSとは(Elastic File System)複数のEC2インスタンスからアクセス可能な共有ストレージのことです。

特徴としてはシンプルでスケーラブルで柔軟に利用できるファイルストレージであることです。
フルマネージド型サービスであることと既存のNFSv4などのツールや標準プロトコル/APIでアクセス可能です。ペタバイトまでスケーラブルにデータを蓄積することができ、スループット/IOPS性能は自動的にスケーリングし、低レイテンシーを維持することができます。ファイルの減少に合わせて自動で拡張・縮小でき、事前に容量を設定する必要なしで、使った分だけの従量課金が発生します。データの保存形式は複数AZに分散して保存されています。

基本的性能はデータを100MBでやり取りが可能、1ファイルの最大容量が48TBまで可能、インスタンス当たり128ユーザーまでの同時オープンが可能、また何千もの同時アクセスが実現可能という性能が特徴的です。制限としてはアカウント当たりのファイルシステム数が1000まで、AZごとのファイルシステムあたりのマウントターゲットは1まで、ファイルシステムあたりのタグが50まで、マウントターゲットあたりのセキュリティグループが5つまで、ファイルシステムあたりのVPC数が1つまで、各VPCのマウントターゲットの数が400までとなっています。

利用方針としてはEBSではできない複数のインスタンスからの同時アクセスが必要、数秒単位でのデータ追記が必要、またはフルマネージドで運用して簡易に利用したいときにEFSをファーストチョイスとして選択してください。利用シーンとしてはアプリケーションの共有ディレクトリとして利用、ビッグデータなどの分散並列処理環境における共有データアクセスストレージとしての利用、コンテンツの共有リポジトリとしての利用などがあります。

EFSの設定事項

構築では次の設定を実施していきますので順次説明いたします。

①ファイルシステムを作成

②接続先のマウントターゲットの作成

③パフォーマンスモードの選択

①ファイルシステムの作成

ファイルシステムはEFSの一番上の管理単位になり、ファイルシステムの中にファイルやディレクトリといったものが保管されます。ディレクトリ構造で通常のファイルシステムのようにデータを蓄積していくのがEFSの仕組みになっています。1つのAWSアカウントで複数のファイルシステムを作成できるようになっています。

②マウントターゲット

EC2インスタンスからのEFSに接続する際に中継先になっているのがマウントターゲットです。
マウントターゲットは固定のDNS名とIPアドレスを有していて、このIPアドレスはファイルシステムDNS名を使用してマウントすることで自動でIPアドレスを付与する仕組みなっています。

③パフォーマンスモード

汎用モードと最大I/Oモードの2種類から選択します。デフォルトでは汎用モードになっていますが、何十~何千というクライントからの同時アクセスが必要な大規模な構築に利用する際は最大I/Oモードを使用します。以下に2つのモードについてまとめます。

汎用モード

・一般的な用途を想定としたモード

・デフォルトでは汎用モードとなり、推奨されている

・レイテンシーが最も低い

・1秒当たりのファイルシステム操作を7000に制限

最大I/Oモード

・何十~何千というクライントからの同時アクセスが必要な大規模な構築に利用

・合計スループットを優先してスケールする

・レイテンシーが多少長くなる

以上がEFSの設定の流れになります。また補足としてEFSの他の機能をご紹介致します。

バースト機能

 EFSではNFSサーバ容量の増大に応じたスループット性能の拡張が必要になった時、または一時的なピーク時の負荷が増大する可能性がある時にスケーラビリティを確保する機能を持っています。この機能をバースト機能と呼びます。

この機能はクレジットシステムと呼ばれる別の機能によって各ファイルシステムが普段使用している際に余った容量を蓄積しています。データの一時的な増大に対してバースト発生させなければならない時に蓄積したクレジットを使用して一時的に性能アップさせることができます。またスループット性能向上にはストレージ容量の増大が必要です。またユースケース応じてスループットを事前に設定するプロビジョンスループットという機能もあります。こちらはマネジメントコンソールから制御することができ、1日に1回だけスループット性能を減少することができます。

まとめ

EFSについてのご紹介でした。以上のことを理解して最適な共有ストレージの構築をやってみましょう。

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