【AWS】Amazon Connect(コネクト)を活用して先端的サービスを展開

<そもそもAmazon Connect(コネクト)とは>

<概要>

「Amazon Connect(コネクト)」とは、AWSのサービスのひとつで、クラウド上に企業とユーザーとの接点となるオムニチャネルを連携させ、ユーザーに優れたサービスを低コストで提供するコンタクトセンターです。一言でいうと「IVRコールセンターをクラウド上に構築したAWSのサービス」です。

<オムニチャネルとは>

オムニチャネルとは、ユーザーと企業の接点となるチャネルをそれぞれ連携させ、アプローチする戦略のことです。混合しやすいワードとして「O2O」や「マルチチャネル」というのが存在します。

<特徴>

「Amazon Connect(コネクト)」の特徴は以下の通りです。

  • 1.IVRコールセンターをクラウド上に構築・運用
  • 2.設営までのコストを削減できる
  • 3.プログラミングの知識がなくても大丈夫
  • 4.利用料の支払いは従量課金制を採用/li>
<1.IVRコールセンターをクラウド上に構築・運用>

「IVR」はコールセンターに電話を掛けた時にあらかじめ用意された音声案内や、ユーザーの入電理由に応じた番号を選択してオペレーターに繋ぐシステムを指します。

Amazon Connect(コネクト)は従来のIVRとは違い、クラウド上にIVRを構築・運用する事で問い合わせフローを「GUI」上のフローチャートで直感的に操作が可能という点です。付け加えて、Text to Speechによる自動音声応答機能等の追加も簡単に行えます。

1から構築するとなれば「IVR」はもちろんこと、「CTI」と呼ばれるコンピュータと電話を統合したシステム、電話回線、通話録音、ダッシュボード/レポートと設備を整えるだけでも時間を費やします。一方でAmazon Connect(コネクト)はこれらすべての設備が統合されているので、利用規模に応じたコンタクトセンターを設計できます。

つまり、急な新規サービス展開やサービスの拡大が必要になった場合でも「Amazon Connect(コネクト)」では設営に必要な物がすべてそろっているため、膨大な時間を費やすことなくサービスの展開が可能です。

<2.設営までのコストを削減できる>

従来のコールセンターであればPBXと呼ばれる機械や電話回線網等を自社で仕入れて対応するか、専門業者、保守ベンダーに費用を払って対応を委託するのがこれまでのあり方です。Amazon Connect(コネクト)は従来のコールセンターのシステムすべてをクラウド上に構築しているのは上記でも紹介しました。

では、クラウド上でこれまでの様な対応をしていくのかというわけではありません。Amazon Connect(コネクト)中にコンタクトセンターを立ち上げる設備はすべて統合されています。あとはコールフロー等の設定を規模に応じて構築していくのみとなりますので、設営に時間をかけることなく準備を進められます。またオペレーターを自社あるいは専門業者等に委託する必要もありません。

<3.プログラミングの知識がなくても大丈夫>


  

コールセンター構築には「プログラミング知識が必要不可欠」というのは従来の考え方です。「Amazon Connect(コネクト)」は直感的なマウス操作一つで問い合わせフローを作成することが可能となっているため、プログラミングの知識が無くても構築が可能です

AWSサービスとの連携も容易に取れるため録音機能やAlexa技術を利用したチャットボットがリアルタイムで対応をしてくれます。

また、構築が簡単だからということで、機能そのものが乏しいことはありません。「AWS」が提供するサービスと容易に連携が組める利点があり、先端的なコンタクトセンターを実現することが可能です。チャットボット「Amazon Lex」や感情分析「Amazon Comprehend」等のAI機能を組み込むことで、他社や自社でオペレーターを用意することなく無人対応ができ、コストも必要最低限にまで抑えることが可能です。ただし、自動応答機能には簡単なプログラミングを要する事になります。

<4.利用料の支払いは従量課金制を採用>


  

Amazon Connect(コネクト)の料金は「サービス利用料金」と「インバウンド/アウトバウンドコール」の通話料、そして「電話番号利用料金」の3つで構成されています。「サービス利用料金」は分単位で課金され、コールセンターの営業時間とは無関係で通話時間のみに紐づけされている状態になります。よって、コールセンターを設置したとしても「利用がなければ、利用料金はない」という事になります。加えて、AWSは利用した分だけ課金される「従量課金制」を採用しているので、小規模および期間限定での利用のしやすが売りとなります。また、自社で構築するので専門業者を呼ぶ必要性もなく、構築もすぐにできるので、コストと時間の節約に繋がります。

<デメリット>


  

利便性に長けているモノにも必ずデメリットは存在します。

  • 1.取得可能な電話番号に限りあり
  • Connect(コネクト)管理画面にてどの電話番号を利用するかの選択が可能であるが、取得できる番号には限りがあります。050番や0120番号、0800番号はインスタンス作成後管理画面から取得が可能ですが、デフォルトのサービスクォータにより可能な番号は5番号までとなり、6番号以上は上限緩和申請が必要になります。

  • 2.既存の電話番号の移行が不可能
  • 日本国内において、既存の電話番号をAmazon Connect(コネクト)へと移行するサービスは提供されていないため、注意が必要となります。

<まとめ>

ありとあらゆるサービスが今やクラウド上に展開してきている中、企業とユーザーが接点を持つコールセンターまでもがクラウド上で行えるという先端的サービスが展開されました。今回紹介した「Amazon Connect(コネクト)」はクラウド上に従来のコールセンター設営の際に必要となるモノがすでに用意されているので、今後新規サービスを展開しようと考えている企業は順次取り入れていくでしょう。一見、利便性は優れているサービスでも必ずデメリット、非対応な点があるということに注意が必要です。

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