CloudEndureによる災害対策

CloudEndure

この記事ではCloudEndureとは何なのか、どんなサービスなのかを説明した上でCloudEndureを用いてどんなことが出来るのかを紹介していきます。

AWSが提供するCloudEndureとは

CloudEndureはオンプレミスのシステムをAWSへと移行するマイグレーションサービスです。もっと具体的に説明していきます。オンプレミス、すなわち自社で運用している、もしくは既存のシステムをAWSへの移行を担うサービスです。Cloud EndureはサポートされているLinux、Windowsのすべてのアプリケーション、データ、データベースのAWSへの移行を行います。CloudEndureの最大の特徴は、別のコンピュータ上に現在管理・使用しているシステムの複製を作成し、その複製と新たに運用するシステムとの差分情報を用いることでシステムが利用できない時間やパフォーマンスの低下を限りなく小さくしながら移行やバックアップを行っている点にあります。

Cloud Endureが登場する以前のクラウド環境へのマイグレーションサービスは、基本的にOSやハードウェアの保守期限切れや利用していたサービスの終了に伴い、最新もしくはそれに近い新規OSをクラウド上に立ち上げすでに利用していたアプリケーション等の既存のアプリケーションやデータなどの移行を行うものが大半でした。AWSの提供するサービスではVM ImportやServer Migration Serviceなども存在していましたが、移行を行っていく中で生じた差分のみの転送が出来ないため移行時の手順や時間が相当必要になったり、差分転送わ行えるものの定期的に行う必要があったり、といった短所があり、あまり広く利用されることはありませんでした。2019年1月、AWSがクラウドでの災害時復旧のサービスを行っていたCloudEndure社を買収したことで、CloudEndureのサービス自体は基本的に無料で利用できるようになりました。

CloudEndureを用いた災害復旧

CloudEndure Disaster Recovery

データサーバー、データセンターに障害が発生した時やサーバーの破損が異常事態によって発生した際にそれらのデータ災害は利用者にとてつもない損失を与えます。この異常事態を回避するためにCloudEndureで用意されている災害対策のサービスがCloudEndure Disaster Revcoveryです。CloudEndure Disaster Recoveryでは継続的にシステムの複製を行うことで異常事態が発生した際の災害対策用の待機系のシステムを用意しています。異常事態が発生した際には、この復旧が完了するまでこの待機系へのシステムの移行が自動で行われます。また、システムが復旧した際に待機系から復旧したシステムへの移行も自動で行われます。さらにCloudEndure Disaster Recoveryを利用していた場合、データの復旧は異常事態が発生した時点の1秒以内のデータまで復旧が可能であり、かつ復旧にかかる時間はおよそ10分以内とデータ損失がほとんどない状態で迅速な復旧が可能となります。利用料金も1時間あたり、3円程度と非常に安価で済みます。

Cloud Endureの注意点

ここまでの話では、CloudEndureは欠点の無い完璧なマイグレーションサービスかつ災害対策の方法に見えますが、CloudEndureにもいくつか
注意すべき点があります。まず料金面ですが、先述しました通りCloudEndureのサービス自体は基本的に無料ですが、それにかかる通信の費用やEC2インスタンスには別途料金が必要になります。通信面では、LinuxではSSH、WindowsではRDPといった通信プロトコルを有効にしておく必要があります。これらの設定はレプリケーションが行われる前に変更しておく必要がありますので周囲が必要です。また、CloudEndureはAgent型のサービスであるため、サーバーの移行を行う際には移行元のサーバーにはAgentという仲介役を担うソフトウェアをインストールしておく必要があります。つまり、移行を行うサーバーが大量にある場合、手間と時間が非常にかかることになります。

終わりに

ここまでお読み頂きありがとうございます。いかがだったでしょうか。データの移行に伴うダウンタイムの短縮や異常事態が発生した際の対応はCloudEndureを利用する上での非常に大きいメリットであり、過去にデータ災害を経験したことのある方ならばCloudEndure Disaster Recoveryの災害対策に魅力を感じることと思います。本記事が、現行のシステムが移行可能か十分に検討頂いた上でAWSへ移行するかどうかの判断の一助となれば幸いです。

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