Amazon EBS (Elastic Block Store)とは?ブロックストレージの特徴と共に紹介!

Amazon EBSとは?ブロックストレージの特徴と共に紹介!

Amazon EBS (Elastic Block Store)とは、Amazonが提供しているAWSのブロックストレージサービスです。AWSのストレージサービスといえば、S3を思い浮かべる人が多いのではないのでしょうか。S3は、Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)のことであり、低コストで大容量のストレージ運用を行うことのできるオブジェクトストレージサービスとなっています。皆さんもお気づきの事と思いますが、ストレージはいくつかの管理方式があり、データストレージは主にWindows PCなどでお馴染みのファイルストレージAmazon EBS (Elastic Block Store)のようなブロックストレージAmazon S3(Amazon Simple Storage Service)のようなオブジェクトストレージの3種類に分類することができます。

ストレージについて

ファイルストレージ

ファイルストレージシステムは、最も歴史のあるデータ・ストレージ・システムで、多くのユーザーが慣れ親しんでいる形式です。例としては、個人の PCに音楽ファイルを思い浮かべてみて下さい。まずは、「アーティスト名」という名前のフォルダが作成され、このフォルダの下に「アルバム名」という名前のフォルダを追加し、そのアルバムの音楽をファイルがその中に配置されていることが多いでしょう。データをサブフォルダを持つ階層構造に整理し、フォルダ/ファイルパスを使ってファイルにアクセスすることができるようになっています。保存されたファイルは、作成日、変更日、ファイルサイズなどの付加できるメタデータが制限されています。しかし、このシンプルな組織構造は、データ量が増加するにつれてファイルやフォルダをトレースするためのリソース要求の増加により、パフォーマンスが低下する可能性があります。これらの問題は容量を増加させることでは解決できず、システムを増設してスケールアウトする必要があります。

オブジェクトストレージ

オブジェクトストレージはオブジェクトベース・ストレージとも呼ばれ、ファイルをピースに分割してハードウェア間に分散させる、フラットな構造を採用しています。オブジェクトストレージは、すべてのオブジェクトがフラットなアドレス空間に格納され、ファイルストレージのような階層構造とは異なります。さらに、すべてのメタデータは、個別のファイルシステムテーブルまたはインデックスの一部としてではなくオブジェクトと一緒に格納され、一意の識別子を持つフラットアドレス空間に格納されるため、インデックスの作成とアクセスが容易です。このメタデータは重要で、経過時間、プライバシー/セキュリティ、アクセス対応などの詳細情報が含まれています。オブジェクトストレージのメタデータには非常に詳細な情報を格納でき、たとえばビデオの撮影場所、使用したカメラ、各フレームで中心になっている俳優に関する情報を保存できます。データを取得するため、ストレージ・オペレーティングシステムはメタデータと ID を使用します。これにより、負荷分散が改善され、管理者は検索の堅牢性を強化するポリシーを適用できます。

ブロックストレージ

ブロックストレージは、記憶領域をボリュームという単位に分割して、そのボリュームを更にブロックという固定された長さの単位に分割して管理するストレージです。Amazon EBS (Elastic Block Store)がこのブロックストレージなのですが、馴染みのあるものとしては、USBメモリが例として挙げられます。ボリュームとブロックにはそれぞれ番号が割り振られ、これらの番号をしていすることで、データへのアクセスが可能となるのです。このようなアクセス方式を「ブロックアクセス」といいます。ブロックストレージでは、番号でデータを特定し、ブロック単位での書き換えが可能です。ブロックサイズは固定ですので、大きいデータサイズのものは複数のブロックに渡って記録されることになります。番号さえ特定できれば利用できるため、ブロックがストレージ上で連続している必要はありません。ブロックストレージは独立したブロックによるデータ管理が可能なため、データに素早くアクセスできる、ということが大きな特徴です。一般的にユーザーはブロック番号を指定しアクセスをするのではなく、ブロックストレージ上にファイルシステムを作成し、ディレクトリ名やファイル名でデータにアクセスをします。

Amazon EBS (Elastic Block Store)

Amazon EBS (Elastic Block Store)は、Amazon EC2インスタンスに接続できるブロックストレージサービスです。EC2とはAmazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)の事で、Amazonが提供している仮想サーバー構築サービスです。EC2を利用することで、OSを乗せた仮想環境をクラウド上にすばやく作ることができます。EBSはブロックデバイスと同様に使用でき、ファイルシステムでフォーマットし、EC2インスタンスにマウントすることができます。つまり、EBSはEC2の仮想的に外付けされるHDDのような記憶領域になります。本来、EC2は本体に記憶領域をもっているのですがサーバを停止すると自動的に初期化を行ってしまうという特徴を持っていました。EC2単体で利用する方法だと時間起動・停止を行う場合にとても不便でした。しかしEBSを利用し、データをEBSに保存することで、EC2をより柔軟に運用することができるようになるのです。

余談ですが、Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)とAmazon EBS(Elastic Block Store) には共通して「Elastic」という英語が使われています。「Erastic」は「伸縮性・弾力性」といった意味をもち、どちらも用途に合わせて、柔軟に拡張を行うことできる特徴を持っています。EC2とEBSは組み合わせて利用することにより、更に利便性を高めることができる非常に相性の良いサービスであると言えます。

Amazon EBS(Elastic Block Store) ボリュームのタイプ

ボリュームタイプと聞くと身構えてしまいそうですが、簡単に言うと、ストレージの種類です。ボリュームタイプは、SSD(ソリッドステートドライブ)2種類とHDD(ハードディスクドライブ)2種類の計4種類から選択することができます。SSDはコストが掛かりますが、低レンテンシー、つまり低遅延での処理が必要な場合に適しており、高コスト高パフォーマンスのものか、コストパフォーマンスに優れたものか選択することができます。HDDは大容量データを管理する場合に適しており、SSDと同じくアクセス頻度の高いものはパフォーマンス重視のもの、あまりアクセスする必要のない場合はコストパフォーマンスに優れたものという選択ができます。

Amazon EBS スナップショット

Amazon EBS (Elastic Block Store)には、ボリュームのスナップショットを Amazon S3 に保存する機能が用意されています。Amazon EBS スナップショットは段階的に格納される、増分バックアップ方式となっています。つまり、最後のスナップショットが保存された後に変更されたブロックだけが保存されるため、利用者にとって大きな問題となる利用料金も変更されたブロックに対してのみの請求となります。デバイスのデータ量が 100 GB でも、最後のスナップショット後に変更された部分が 5 GB だけなら、次のスナップショットでさらに消費される容量は 5 GB のみであり、どちらのスナップショットも完全なものとして表示することができますが、料金としては追加のスナップショットストレージ 5 GB 分だけが請求されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ブロックストレージについて、そしてAmazon EBS (Elastic Block Store)というサービスについて、少しでも理解をしていただけたでしょうか。

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