DaaSとは?AmazonのDaaS「Workspaces」について
はじめに
本記事では、DaaS(Desktop-as-a-Service=仮想デスクトップサービス)についてと、AWS(Amazon Web Services)が提供するDaaSである、Workspacesについて取り上げていきたいと思います。最近では「テレワーク」という言葉も多く聞くようになってきたため、これからWorkspacesを使おうと考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。本記事が少しでもDaaSの知識や、Workspaces導入の参考になれば幸いです。
DaaSとは?
◇概要
”Desktop-as-a-Service”の略でDaaS(ダース)と呼ばれます。クラウドサーバーよりPCのデスクトップ操作画面を提供し、ユーザーはネットワークを通して遠隔で操作することができるサービスです。
◇DaaSに似ている言葉達の正体
DaaSの他に似ている言葉で、IaaS、SaaS、PaaSなど数多くあります。似た単語が意外と多く混乱してしまいそうですが、これらは全て頭文字が違うだけです。DaaSと同じように、後ろの3文字は全て”as-a-Service”の略と一緒です。DaaS含め、これらの「○aaS」という言葉は総称して「XaaS(ザース)」と呼ばれ、この中で”X”は未知の値を表し、このX部分に何かしらの文字が入ることを意味します。
「XaaS」は主にIT分野でのシステム構築や様々なコンピュータ処理に関するソフトウェアやハードウェアなどの内容を、インターネットを通じサービスとして提供するものを総じて呼ぶ言葉で、主にはクラウドサービスを指し示します。「○aaS」の頭文字によって提供されるサービス内容を把握することができるのですが、例えば「SaaS」の頭の”S”は「Software」のSということで、ソフトウェアをインターネット経由で提供するサービス、「IaaS」の”I”は「Infrastructure」、つまりネットワークやサーバーをインターネット経由で提供するサービス、「PaaS」の”P”は「Platform」、つまりアプリケーションを実行するためのプラットフォームをインターネット経由で提供するサービス、というような事で、結果一文字違いの同じような言葉が増えていった訳です。
◇DaaSはなにがいいの?
話を戻しますが、「DaaS」の”D”は「Desktop」、つまりデスクトップをインターネットを通して提供してくれる仮想デスクトップサービスです。近年の働き方改革への普及や2020年のコロナウイルスにより、国レベルでテレワークが推進されるようになりました。このテレワーク導入を各企業が進める中で避けられないハードルがありました。その一つがセキュリティの面です。
社内のPCを各自の自宅(社外)に持ち出すことで情報の安全性を揺るがす事になります。この点でDaaSは社内PCを持ち出すことなく、インターネット経由で仮想デスクトップにアクセスすることができるため、情報を他に漏洩させるリスクを減らすことができ、また今回のコロナウイルスでの状況のように一気に在宅ワークが推し進められる中で、一度に多くの社員用PCを物理的に用意する事は難しい中でも、クラウドサービスを利用することで簡単に仮想デスクトップを用意することができるのも大きなメリットの一つでした。また自宅ワークの他にも、IT企業では顧客企業への常駐といった業務形態の中で、何かしらの自社内の業務もおこなわないといけない場合にも、常駐先PCからDaaSにアクセスすればわざわざ自社に戻って作業をする必要が無くなるなど、DaaSの活用方法は様々です。
Amazonの提供するDaaSとは
DaaSを提供するクラウドサービスは例えばWindows Azureの提供する「Windows Virtual Desktop」など様々ありますが、ここからはAWSが取り扱っているDaaSについてご紹介していきましょう。AWSとはつまりAmazonが提供するクラウドサービスの事を言いますが、Amazonの提供する仮想デスクトップサービス(DaaS)には「Workspaces」というものがあります。
◇Workspacesを利用するには?
ここからは主に料金のお話をしていきます。
Workspacesは先述の通りAWSが提供するサービスですので、まず前提としてAWSユーザーとしてのアカウント登録をしておかなければなりません。新規アカウント作成は無料でおこなうことができます。
・Workspaces料金について
Workspacesの料金形態としては大きく分けて2つ、「バンドル(OSや性能などのスペック)ごとに決められた額の月額料金」か「時間単位の料金」があります。更にここにプラスして通信料や追加オプションなどの料金が加算されます。
以下は東京リージョン、Linux OSの場合の各バンドルの最低価格であるルートボリューム(Cドライブ)80GB、ユーザーボリューム(Dドライブ)10GBのタイプの価格のみを抜粋した一部のみご紹介しています。
◇バリュー:1 vCPU、2GiBメモリ
月額の場合 30 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.25 USD/時間
◇スタンダード:2 vCPU、4GiBメモリ
月額の場合 41 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.36 USD/時間
◇パフォーマンス:2 vCPU、7.5GiBメモリ
月額の場合 55 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.56 USD/時間
◇パワー:4 vCPU、16GiBメモリ
月額の場合 104 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.85 USD/時間
◇PowerPro:8 vCPU、32GiBメモリ
月額の場合 157 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 1.80 USD/時間
その他にかかる費用はとして、オプションでMicrosoft Office Professionalを付ける場合は月額15 USDなどがあります。通信料に関してはWorkspaces上でインターネットを利用した場合のみデータ送信分の通信料が1GBあたり0.114 USD課金かかりますが、基本的に月の最初の1GBまでの通信料が無料になるため、それ以上の通信の場合に課金が発生する事になります。
◇Workspacesには無料利用枠がある
WorkspacesはAWSの新規/既存アカウントに関係なく、初めの2か月間は既定のバンドルで1か月あたり最大40時間無料で利用することができます。何かしらのDaaS、またはWorkspacesを試してみたいという方は是非無料枠から試してみてはいかがでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
特にコロナウイルスが発生してからはリモートワークや、様々な働く環境が見直されています。これを機会にWorkspacesなどの便利なクラウドサービスについて知り、より最適な環境づくりができれば良いかと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。