AWS Fargateのサービス概要とPrice(料金体系)について

はじめに

この記事では、AWS Fargateサービス概要とPrice(料金体系)について説明していきます。

AWS Fargateとは

AWS Fargateは、Amazon Elastic Container Service (ECS)と Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS) の双方で動作する、コンテナ向けのサーバーレスコンピューティングエンジンとなります。Fargateを使用することにより、アプリケーションの構築を容易に設定することができます。Fargateでは、サーバーのプロビジョンとその管理が不要になり、アプリケーションにリソースを指定し、その分のみの料金を支払うことで、設計段階からアプリケーションを分離し、よりセキュリティを強化することができます。また、インスタンス選択とクラスターの容量のスケーリングをせずに、適切にコンピューティングの容量を割り当てられることもできます。Fargateによるタスクや各ポッドの実行は、それぞれのカーネル、それぞれの独立したコンピューティング環境が用いられます。このことにより、使用されるアプリケーションにおいてワークロードの分離、設計段階時点でのセキュリティの向上が可能になります。これが、Foursquare、Ancestry、Accenture、Vanguardなど、クリティカルなアプリケーションを実行する際に、Fargateを選ぶ要因となっています。

AWS Fargate Price(料金体系)について

AWS Fargate Price(料金体系)は、コンテナ実行に必要なリソース分のみを支払うことができるため、オーバープロビジョニング、また追加サーバーの料金は発生しないことになっています。そしてAWS Fargate Priceは、コンテナのイメージをダウンロードした時点から、Amazon ECSタスクやAmazon EKS* Podなどが終了するまで使用されたvCPU、あるいはメモリリソースを基にして計算され、一番近い秒数が切り上げられます。

AWS Fargate Price(料金体系)の値下げについて

2019年1月7日からAWS Fargate Priceは、Fargateが現在利用できるすべてのリージョンで、vCPU:20%、メモリ:65%の値下げが行われました。AWS EC2と比較すると、利用状況により異なりますが、おおむね3〜25%ほど割高になっています。しかしながら、仮想マシン、ホストの実行、そしてオーバーヘッドとOSの管理をする必要がなくなるという大きなメリットがあるため、適当な料金設定、もしくは割安であると考えられます。AWS Fargate Priceの値下げの背景には、Firecrackerの存在が大きく関係しています。Firecrackerは、マルチテナントによるコンテナサービスを作成して管理を行うためのオープンソースでありますが、これを利用することにより、少ないオーバーヘッドにて処理を行うことができるようになり、今回のAWS Fargate Priceの値下げが可能になりました。

利用時の注意点

Fargateではまだまだ実現できないことが多くあるので注意しなければならない点もあります。例えば、docker execのコマンドが使用できない点が挙げられます。EC2ベースでECS運用する場合、コンテナに不具合が発生した場合に、原因を追求するためにdocker execコマンドを用いて、シェルログインする必要がありますが、ホストインスタンスの存在がないFargateにおいては、その手段をとることができません。sshdをコンテナへインストールし、SSHログインすることも不可能ではありませんが、プロダクションの環境下で使用するコンテナにおいて、sshdを動かす必要があるため得策とは言えません。また、Fargateはストレージを永久に保持することはできないため、全てのログの標準出力や標準エラーの出力を経由して常に外に出す設計が今まで以上に重要になってきます。またホスト系のセキュリティソフトの利用ができないということも注意しなければならない点の一つです。以前は、Dockerコンテナを使用する際に、ホスト側のインスタンスにDeepSecurity等のセキュリティソフトをインストールし、対応を行う場合もありましたが、Fargateにおいては利用できないため、コンテナ上でSideCarのように動作するセキュリティソフトの導入を検討する必要があります。

終わりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか。今回はAWS Fargateサービス概要とPrice(料金体系)について説明しました。FargateはEC2を管理する必要がなくコンテナを容易に起動することができるので、ECSなどと比べると運用コストを減らすことができます。しかし、デメリットもあるので十分に検討してから導入することをお勧めします。皆様がAWS Fargateサービスを利用する際の参考になれば幸いです。

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