VPSとEC2について

VPSとEC2

Virtual Private Serve(VPS)とは、仮想専用サーバーです。サーバーは大きく分けて、共用サーバー・専用サーバー・仮想専用サーバー(VPS)の3種類があります。VPSは物理サーバー上に利用者ごとに仮想サーバーを構築し、あたかも専用サーバーのように利用できるようにしたものです。利用者ごとに物理サーバーを設ける専用サーバほどのパフォーマンスはありませんが、専用サーバーに近いパフォーマンスと使い勝手ができるという特徴があります。物理サーバーを設置して利用するオンプレミス型と異なり、VPSなどのインターネット経由でサーバーサービスを利用する方法には、さまざまなメリットがあり利用が広がってきています。

EC2とは

Elastic Compute Cloud (EC2)は、サイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するAmazonのウェブサービスです。ウェブスケールのクラウドコンピューティングを開発者が簡単に利用できるよう設計されています。EC2はLinuxやWindowsなどさまざまなOSでVPSを作成でき、すぐに実行できる環境を作ることができます。 EC2では仮想サーバの事を「インスタンス」という単位で扱います

EC2のメリット

・用途に応じた柔軟変更

EC2はサーバースペックを簡単に変更することができます。内容や目的による変動に対して柔軟な変更ができる点は、サーバー運用において大きなメリットです。具体的にはCPUやメモリなどのサーバースペックも必要な台数変更できるので、容量のみを増やしたいケースや、機能を分散したいケースにも対応することができます。これらの変更を物理サーバーで行うとなると、多くの費用と時間がかかります。

・従量課金

EC2は実際に利用した分に対して請求が行われる従量課金制です。不要なサーバーは停止することによってコストを削減することができ、イベントなどに合わせて短時間だけのサーバー運用をすることもできます。常に料金がかかり続けるサーバーと比べると、使い方に合わせて課金ができるため無駄なコストを削減することができます。EC2には3つの料金形態が採用されており、それらから自由に選択することができます。オンデマンドインスタンス・リザーブドインスタンス・スポットインスタンスの特徴を見てみましょう。

 オンデマンドインスタンス

サーバーの利用時間によって料金が発生する従量課金のスタイルです。
短時間や限られたタイミングでだけ利用したいときや、試しに仮想サーバーの運用を始める際に適しています。

 リザーブドインスタンス

稼働時間を事前に設定して、料金を先に支払う方法です。
常にインスタンスを利用したいが、予算はオーバーしたくないといったときに役立ちます。

 スポットインスタンス

AWS内で使われていないコンピューティングリソースを有効活用する方法です。
条件はありますが割引も可能なため、コスト重視での利用を求める場合におすすめです。

・短時間で構築可能

物理サーバーを使用する場合、設定によっては数日の時間を要することも珍しくはありません。しかし、EC2のサーバー構築にかかる時間はアカウント作成を含めてもほんの数分です。他のサーバーに比べ圧倒的に短時間で構築可能なEC2は、スピードが求められる事業では大きなメリットになります。

・冗長化

EC2はインスタンスのテンプレート化や複製が容易であるため、複数台用意することも簡単にできます。冗長化によって万が一稼働中のハードウェアに障害が発生したとしても、予備のハードウェアに切り替えて早く復旧する事ができます。障害に強いサーバー運用をすることが可能です。

EC2のデメリット

・知識が必要

AWSのサービスを使用するにはある程度の知識が必要です。様々な用途に応じて柔軟な対応ができるメリットは、扱いなれていない人からすると選択肢が多過ぎるというデメリットになります。特にサーバーに関する知識や経験が少ない人にとってEC2は使いにくいサーバーと位置づけされることが多いようです。

・クラウド破産の可能性

「クラウド破産」とは、クラウドサービスの使用料金が意図せず高額になる俗語です。少量のデータから莫大なデータを扱うことができるEC2は使い方や料金形態を誤ってしまうと、高額な費用がかかってしまいます。自由度が高い従量課金制は、場合によってクラウド破産を引き起こしてしまう可能性もあります。

その他のVPS 〜Lightsail〜

AWSで VPSを使用する場合EC2を使うことができますが、Lightsailというサービスもあります。Lightsailは EC2と比べて自由度が低くなる代わりに、簡単にサーバーを構築することができます。サーバー構築時に設定する項目が少なく、セキュリティ設定や権限設定などはデフォルトで設定されているため、EC2で選択していた項目がなくなります。Lightsail には、仮想マシン、SSD ベースのストレージ、データ転送、DNS 管理、静的 IP アドレスなどが提供されます。VPSに加え他のサービス(DNS管理等)を使用でき、早く簡単にサーバー構築ができるサービスです。

まとめ

いかがだったでしょうか。AWSのVPSについて少しでも理解が深まれば幸いです。
物理サーバーにない柔軟性や機能を持っているEC2ですが、その自由度の高さからから敬遠されがちな存在です。しかし、VPSを使うことによって効率や安全性の向上さらなるサービスの拡大にも繋がります。まずはEC2の無料枠やLightsailから試してみてはいかがでしょうか。

参考文献:
https://www.winserver.ne.jp/column/about-vps/
https://business.ntt-east.co.jp/content/cloudsolution/column-try-16.html
https://www.wafcharm.com/blog/ec2-for-beginners/

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