EFSとEC2

はじめに

AWSにはS3,EBS,EFS, Glacier, StorageGatewayなどいくつかのストレージサービスがあります。それぞれにメリット・デメリットなど様々な特徴がありますが、今回はストレージサービスEFSとEC2の関係についてみていきましょう。

EC2

「Amazon Elastic Compute Cloud」の略称で、 AWSで利用できる仮想サーバーのひとつです。
AWS上に自由に仮想サーバーを利用でき、Web上から数クリックで構築することができます。Elastic(伸縮性や弾力性)の言葉通り、ユーザーの必要に応じて柔軟にスペックを変更することができます。EC2では仮想サーバーの事を「インスタンス」という単位で扱います。インスタンスを複数使って仮想サーバーを分割することで可用性を高め、インスタンスはコピーも削除も簡単に行えるので様々な用途に対応することが可能です。

EFS

Elastic File System の略で東京リージョンでは2018年7月に提供が開始されたストレージサービスです。EFS は AWS クラウド内のファイルストレージを提供します。ストレージサービスというと、これまではAmazon S3 が広く使われてきました。EFSは EC2などに設置しているサーバーに直接マウントし、ファイルシステムとの間でデータの読取りおよび書込みを行うことができます。データはディレクトリ階層にファイルとして格納され、ネットワーク越しにアクセスして共有されます。

EC2とEFS

EFS最大の特徴はEC2などのサーバーにマウントできるということです。これによって複数AZにある複数のEC2インスタンスからネットワーク経由で並列にアクセスしファイルシステムを共有することができます。またペタバイト規模まで柔軟にスケールすることも可能です。EFSはメディアデータ処理、ビッグデータ管理、並列ジョブを得意とします。大量のサーバに分散して分析でそのデータの共有するときや、Webサーバ群でユーザがアップロードした画像ファイルを全サーバで共有するときにも有効に利用することができます。

※1台のEC2インスタンスから同時にオープンできるファイル数は32,768までです。

EFS ファイルシステムの作成

EFSもEC2と同様に簡単にファイルシステムを作成することができます。簡単な作成までの流れをみていきましょう。

AWSコンソール画面からEFSを選択、「ファイルシステムの作成」ボタンをクリックして作成を開始します。まずファイルシステムに接続するVPCを選択します。画面の下でマウントターゲットを作成するAZにチェックを入れてサブネットとセキュリティグループを選択します。次にタグを追加し、パフォーマンスモード(汎用か最大I/O)を選択します。ここで必要に応じて保管データの暗号化も選択することが可能です。
最後に内容を確認して問題がなければ「ファイルシステムの作成」ボタンを押して、EFSの作成作業は完了です。あとは利用できるまでに数分待ちましょう。アベイラビリティゾーンのマウントターゲットの状態が「利用可能」になれば完了です。

EFS マウント

マウントする際にはマウントヘルパーを使います。マウントヘルパーをインストールして、コマンドを入力しましょう。

マウントヘルパー

EFSマウントヘルパーはamazon-efs-utilsの機能です。EFSという新しいネットワークファイルシステムタイプを定義します。EFS マウントヘルパーを使うことによりファイルシステムのマウントを簡単にすることができます。Linuxの標準的なマウントコマンドと互換性があり、EFSをマウントする際は推奨のマウントオプションが含まれています。また、転送中データと保存するデータ両方の暗号化を行うことも可能です。さらに、マウントヘルパーにはトラブルシューティングのためのログ記録が組み込まれています。そのため、EFSファイルシステムに問題が発生した場合は、AWS サポートとこれらのログを共有することが可能です。

補足 〜 EC2とEBS〜

EFSはEC2にマウントすることによって共有ファイルストレージとして扱うことができました。ストレージサービスEBSはEC2 にアタッチすることによって仮想ディスク
のように扱うことができます。EC2は本体に記憶領域(インスタンスストア)を持っていますが、この記憶領域はサーバを停止してしまうと自動的に初期化を行なってしまいます。
したがって、EC2単体で時間起動・停止を行うような使い方をする場合にはとても不便です。
このような場合にEBSをEC2の仮想的に外付けされるHDDのような記憶領域として使用することができます。これによりEC2はデータを失うことなく停止することができます。EBSはEFSのようなビッグデータの管理や並列ジョブではなく、ソフトウェアのビルドやメタデータの管理、データベースとして使用に向いています。EFSとは大きく異なるストレージサービスですが、EFSより安価でEC2の可能性を広げるサービスの一つです。

まとめ

いかがだったでしょうか。EC2とEFSについて少しでも理解に繋がれば幸いです。
現在AWSを含め様々なオンラインストレージサービスがあります。オンラインストレージサービスは企業活動においてデータを円滑に利用するために今まで以上に必要になってくるサービスです。EFSは他のストレージサービスと比べて少し高い値段設定となっていますが、使い方の幅はとても広く価格なりのメリットがあります。用途と費用を考えた上で最適なサービスを見つけましょう。

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