AWS VPCの料金について
VPCとは
AWS VPC(Amazon Web Service Virtual Private Cloud)とは、ユーザー専用のプライベートなクラウド環境を提供するサービスです。AWSには代表的な仮装サーバーの「Amazon EC2」やデータベースの「RDS」など様々なサービスがあります。これらのAWSサービスを使う上でユーザー専用のプライベートなクラウド環境は欠かせない存在です。
EC2同士を内部的に通信したい場合や、RDSとやり取りをしたり、内部と外部のネットワークを繋いだりと、多くのAWSはVPCを利用しています。 VPCは設定していない場合デフォルトVPCを使用することになります。AWS VPCの特徴は、ネットワーク設定を簡単にカスタマイズすることが出来る点です。インターネットへのアクセスがあるウェブサーバーのサブネットを作成して、インターネットへのアクセスがないプライベートサブネットに配置することができます。セキュリティグループやネットワークアクセスコントロールリストなど、非常に強力なセキュリティを使って、Amazon EC2インスタンスへのアクセスをコントロールすることも可能です。
AWS VPCの料金
AWS VPCは無料で作成・使用することができます。 VPNへの接続とNATゲートウェイの利用したときなどには料金が発生し、VPNに接続している間は料金がかかります。VPN 接続経由で転送されたデータは、標準の AWS データ転送料金で課金されます。
<VPNへの接続料金>
・VPNに接続した時間について料金が発生します
・接続していた時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の料金が課金されます
・VPNに接続して転送されるデータに対して、AWSのデータ転送料が発生します
<NATゲートウェイの利用料金>
・VPC内にNAT ゲートウェイを作成した場合、NATゲートウェイがプロビジョンされて利用可能であった時間分の料金が請求されます
・NATゲートウェイの利用時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の料金が課金されます
・NATゲートウェイで処理されたデータ量に対しても、ギガバイト単位で料金の計算が行われます
AWSの無料利用枠
VPNへの接続とNATゲートウェイの利用以外でもAmazon EC2 やRDSなどの他のアマゾンウェブサービスを使用することによってそれらの料金が追加されます。しかし、AWSの各サービスには無料利用枠が設けられています。この範囲内であればVPCと様々なAWSサービスを使うことができます。代表的なEC2・S3・RDSの無料利用枠についていくつか確認しみましょう。
Amazon EC2
・1 か月あたりンスタンスの使用量 →750時間
※無料枠で使用出来るインスタンスタイプは決まっています。
Amazon S3
・5 GB 標準ストレージ
・20,000 件の Get リクエスト
・2,000 件の Put リクエスト
Amazon RDS
・Amazon RDS Single-AZ db.t2.micro インスタンスの使用→750時間
・DB Storage: General Purpose (SSD) または Magnetic の任意の組み合わせ →20GB
・バックアップ (RDS Magnetic ストレージを使用)→20GB
・1,000 万 I/O
無料利用枠には12ヶ月間無料、無期限無料、無料トライアルの3種類あります。上記3つは12ヶ月限定で無料なため1年を超えると料金が発生してしまうので注意しましょう。
料金の注意点
VPC自体は無料で作成・使用することができますが、VPCは「ユーザー専用のプライベートなクラウド環境を提供するサービス」で通常AWSサービスと一緒に使うことになります。そこでいくつか注意すべきポイントを抑えておきましょう。
課金が発生してもお知らせは来ない
通常料金が発生したときには通知やお知らせが来ることが多いですが、 AWSのデフォルト設定では通知やお知らせはありません。間違えてサービスを使用してしまった場合にはいつの間には高額な請求が来る可能性もありえます。
無料利用枠の条件
「無料」という言葉で安心して後で後悔しないように、何が無料利用できるのかを確認しておきましょう。例えばAmazon EC2は12ヶ月の無料利用枠が設けられていますが、条件は1ヶ月で750時間+Linux、RHEL、または SLES t2.microもしくはWindows t2.microインスタンスの限定条件です。24時間×30日=720時間なので、1台のインスタンスをずっと起動させていても750時間を超えることはありませんが、2台同時に起動させてしまうと無料利用枠を超えて料金が発生し続けてしまいます。利用枠無料を使用するときは条件をしっかり読んで理解しておきましょう。
リージョンへの注意
AWSの右上に表示されているリージョンに注意しましょう。現在、20ほどのリージョンが存在しますが意識せずにインスタンス立てると、レイテンシーで困ってしまうことがあります。リージョンによってはリリースされていないサービスもあり、値段も異なるので少し注意が必要です。
請求アラート機能
Amazon CloudWatch を使用することで、 AWS 予想請求額をモニタリングすることができます。AWS アカウントに対する予想請求額のモニタリングを有効にすると、予想請求額が計算されてデータとして CloudWatch に 1 日複数回送信されます。請求ダッシュボードから請求アラートを受け取るよう設定することができるので、ぜひ設定しておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。VPCはAWSに欠かせないサービスであり、無料で使うことができます。しかし、VPCはAWSの他のサービスを使うことが前提なため、各サービスの料金を確認しておく必要があります。無料利用枠を使うときには条件など間違えないよう、うまくAWSのサービスを使っていきましょう。