AWSダッシュボタンとは

はじめに

Amazonでは、いつも使用しているヘルスケア製品やパーソナルケア製品、ペットフード、洗濯用洗剤などの日用品の備蓄が少なくなった時に、パッと買えるボタンがあります。今現在ではもう利用が停止していますが、本記事では、ボタン一つで先ほど説明したような事を可能にするAWS ダッシュボタンについて説明していきます。

AWS ダッシュボタンとは

AWS ダッシュボタンは、上でも話したとおりボタン一つで特定の商品を購入できる物理的なボタンとなっています。購入方法としては、まず前提としてプライム会員のみが購入可能となります。そして、Amazonで購入(税込み500円)することが出来、そのダッシュボタンから商品を注文することで、初回注文の商品代金から500円が差し引かれ、実質0円でダッシュボタンを手に入れることができます。

ダッシュボタンの設定方法は、ダッシュボタンを自宅のWi-Fiネットワークに接続し、Android/iOS端末でAmazonショッピングアプリを利用して、再注文したい商品を設定することで完了します。また、プライム会員向けに提供されている、お急ぎ便を含む各種配送特典も利用することができます。ダッシュボタンを通じて注文が行われると、注文した商品内容、配送日や価格の確認通知がアプリに送信されます。そして、注文内容を確認したうえで、変更やキャンセルも行うことができます。

ダッシュボタンは米国での販売に続き、様々な国と地域でも販売開始され、ダッシュボタンプログラムに参画するブランド商品数も拡大を続けていました。米国ではこのプログラムが飛躍的に拡大し、ボタンを通じた注文数は前年比で5倍以上になっていました。

なぜAWS ダッシュボタンはなくなったのか

これほどまでに人気であったAWS ダッシュボタンが何故サービス終了に至ったのでしょうか。その背景には、ダッシュボタン以外にもダッシュボタンと同じ働きができる機能が追加されていったことがあります。ひとつはダッシュボタンと同じ機能をWebサイト、もしくはスマートフォンアプリから利用可能な「バーチャルダッシュ」、もうひとつは、ネットに接続した家電自らが必要になった消耗品を発注するサービス「Amazon Dash Replenishment」といったサービスが台頭してきたことがあります。ボタンを物理的に押さずに注文できたり、もはや家電自体が商品を注文したりといった、いわゆるネット家電というものが出始めており、わざわざ物理的なボタンを保つ必要がなくなったのが大きな要因です。

またもうひとつ大きな要因があります。それは音声での注文が増加しているという点である。昨今、アレクサなどのスマートスピーカーや、音声アシスタントからのショッピングがとても大きな人気を呼んでいます。Amazonはダッシュボタンのサービスを行った際に、いつも使うものには補充注文が入るということに気づきました。その補充注文という点に絞って考えた結果が、ダッシュボタンのサービスを組み込みつつ他に別なサービスをくっつけるという手法であったのでしょう。なので、ダッシュボタン自体は悪くない、むしろ画期的なサービスであったと言えます。

AWS ダッシュボタンの後継機

こうしてサービスの終了したAWS ダッシュボタンであるが、実は同じようなフォルムの機械が登場しています。それがAWS IoT ボタンです。このAWS IoT ボタンは、Amazon Dash Button ハードウェアをベースとしたプログラミング可能なボタンです。特定のデバイス向けのコードを記述する必要がなく、AWS Lambda、Amazon DynamoDB、AWS IoT Core、Amazon SNS、などの多くのアマゾンウェブサービスを使用する開発者向けな設計となっています。クラウド内のボタンのロジックをコーディングすることで、アイテムのカウントやトラッキング、呼び出し、開始や停止、サービスのオーダーを提供するように設定することができます。例えばアイテムのカウントや使用量を追跡、呼び出しや警告、インターネットに接続されたデバイスの開始や停止といったものまで、様々なシチュエーションに対応することが可能なボタンとなっています。プログラミングが可能な分、ダッシュボタンに比べて柔軟性が非常に高いという利点があり、とても使いやすい物となっています。

まとめ

ダッシュボタンの現在や、無くなった背景、新世代のボタンについて詳しく説明してきましたがどうだったでしょうか。ダッシュボタンの元の機能はAmazonのひとつの柱として今もなお活躍し続けています。ネット家電や、アレクサなどのスマートスピーカーには無くてはならない機能には、ダッシュボタンという背景が合ったことがわかったかと思います。ダッシュボタンの物理的なボタンの部分に関しても、今はAWS IoT ボタンとして活躍し続けています。これらの元を作ったダッシュボタンは今はもうありませんが、Amazonを支えていく上でとても大きな役割を果たしたのではないのでしょうか。

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