Amazon RDSで選択できるリレーショナルデータベースエンジン(Amazon Aurora・PostgreSQL・MySQL・MariaDB・Oracle データベース・SQL Server)について

はじめに

Amazon RDS(Amazon Relational Database Service)とは、クラウド上のリレーショナルデータベースのセットアップ・オペレーション・スケールが簡単に行える完全マネージド型サービスです。
そのAmazon RDSで選択できるリレーショナルデータベースエンジンには、Amazon Aurora・PostgreSQL・MySQL・MariaDB・Oracle データベース・SQL Serverの6つがあります。どのリレーショナルデータベースエンジンも基本料金は無料で使用した分だけ料金が発生するシステムになっています。具体的な料金設定は細かく分かれているためここでの紹介は割愛します。料金設定の詳細はAWSの公式サイトをご覧ください。それではそれぞれのリレーショナルデータベースエンジンについて簡単にですが説明していきます。

Amazon Auroraについて

Amazon Auroraは、Amazonによって開発されたMySQLおよびPostgreSQLと互換性があるクラウド向けの独自のリレーショナルデータベースです。標準的なMySQLのデータベースと比較し最大で5倍、標準的なPostgreSQLのデータベースと比べて最大で3倍高速なスループットを実現できます。また、商用データベースと同等のセキュリティ・可用性・信頼性を10分の1のコストで実現できます。

ストレージシステムは分散型で耐障害性と自己修復機能を備えているため、必要に応じてデータベースインスタンスごとに最大64TBまで自動的にスケールされます。MySQLおよびPostgreSQLと互換性があるため、既存のMySQLのデータベースやPostgreSQLのデータベースを簡単にAmazon Auroraに移行することが可能で、AWS Database Migration Serviceというサービスを使用すればダウンタイムを最小限に抑えつつ安全に移行することができます。また、既存のデータベースで既に使用しているコード・アプリケーション・ドライバー・ツールをほとんど変更せずにAmazon Auroraにて使用できます。セキュリティの性能に関しては、Amazon VPCを使用するとDBインスタンスを専用の仮想ネットワークの中に隔離でき、既存のITインフラストラクチャにIPsec VPNを使用して接続することもできます。また、ファイアウォールを設定してDBインスタンスへのネットワークアクセスを制御することもできます。そして、KMS(AWS Key Management Service)により作成および制御されるキーによる保管時の暗号化と移動中データのSSLによる暗号化も行われるため、高い安全性があります。

PostgreSQLについて

PostgreSQLは、最先端のビジネスアプリケーションおよびモバイルアプリケーションを実行するオープンソースのリレーショナルデータベースです。Amazon RDSでは、クラウド内でPostgreSQLのデプロイを簡単にセットアップ・運用・スケールをすることができます。AWSマネジメントコンソールで容量などを選択するだけで本番環境ですぐに使えるPostgreSQLのデータベースを数分で起動して接続可能です。PostgreSQL メジャーバージョン12に対応しているため、既存のデータベースで使用しているコード・アプリケーション・ツールをAmazon RDSで使用することができます。

高速で予測可能なストレージオプションとして汎用(SSD)とプロビジョンドIOPS(SSD)があります。自動バックアップ機能により、DBインスタンスのポイントインタイムリカバリが可能で最大で5分前までの保持期間内(最大 35 日間)の任意の時点にDBインスタンスを復元することができます。セキュリティに関しては基本的にはAmazon Auroraと同じ性能です。

MySQLについて

MySQLは、世界で最も人気の高いオープンソースのリレーショナルデータベースです。Amazon RDSでは、MySQLのデプロイをクラウド内で簡単にセットアップ・運用・スケールをすることができます。AWSマネジメントコンソールで容量などを選択するだけで本番環境ですぐに使えるMySQLのデータベースを数分で起動して接続可能です。MySQL Community Edition バージョン5.5・5.6・5.7・8.0に対応しているため、既存のデータベースで使用しているコード・アプリケーション・ツールをAmazon RDSで使用することができます。

ストレージオプション・バックアップや復旧のオプションは基本的にはPostgreSQLと同じ性能です。セキュリティに関しては基本的にはAmazon Auroraと同じ性能です。

MariaDBについて

MariaDBは、MySQLの開発者が作成したオープンソースのリレーショナルデータベースです。Amazon RDSでは、MariaDBのデプロイをクラウド内で簡単にセットアップ・運用・スケールをすることができます。AWSマネジメントコンソールで容量などを選択するだけで本番環境ですぐに使えるMariaDBのデータベースを数分で起動して接続可能です。MySQL Community Edition バージョン10.0・10.1・10.2・10.3に対応しているため、既存のデータベースで使用しているコード・アプリケーション・ツールをAmazon RDSで使用することができます。

ストレージオプション・バックアップや復旧のオプションは基本的にはPostgreSQLと同じ性能です。セキュリティに関しては基本的にはAmazon Auroraと同じ性能です。

Oracle Databaseについて

Oracle Databaseは、米国のOracleが開発した世界初の商用リレーショナルデータベースです。Amazon RDSでは、Oracle Databaseのデプロイをクラウド内で簡単にセットアップ・運用・スケールをすることができます。指定したエディションのOracle Database ソフトウェアに直接アクセスできるため、これまでと同様にアプリケーションにシームレスに接続することができます。「ライセンス込み」か「Bring–Your–Own–License (BYOL)」の2つの異なるライセンシングモデルで実行することができます。「ライセンス込み」のサービスモデルでは、ソフトウェアのライセンスをAWSが取得しているためOracleのライセンスを別途購入する必要はありません。

ストレージオプション・バックアップや復旧のオプションは基本的にはPostgreSQLと同じ性能です。セキュリティの性能に関しては、Amazon VPCを使用するとDBインスタンスを専用の仮想ネットワークの中に隔離でき、既存のITインフラストラクチャにIPsec VPNを使用して接続することもできます。また、ファイアウォールを設定してDBインスタンスへのネットワークアクセスを制御することもできます。さらに、Transparent Data EncryptionおよびNative Network Encryptionをそれぞれサポートしているため、AWS Cloud HSM(Hardware Security Module)により安全に暗号化キーを生成、保存、管理することができます。

SQL Serverについて

SQL Serverは、Microsoftが開発した比較的操作のしやすいリレーショナルデータベースです。Amazon RDSでは、SQL Serverのデプロイをクラウド内で簡単にセットアップ・運用・スケールをすることができます。AWSマネジメントコンソールで容量などを選択するだけで本番環境ですぐに使えるSQL Serverの複数のエディションを数分で起動して接続可能です。SQL Server(2012、2014、2016、2017、2019)のExpress・Web・Standard・Enterpriseといった複数のエディションに対応していますが、すべてのリージョンですべてのエディションが使えるわけではありません。既存のアプリケーションをAmazon RDSに移行することもでき、その場合もアプリケーションのコードを全面的に書き直す必要はありません。指定のSQL Serverエディションのネイティブな機能に直接アクセスできるのでアプリケーションをシームレスに動作可能です。ソフトウェア・ハードウェアリソース・Amazon RDSマネジメント機能が含まれている「ライセンス込み」のライセンスモデルをサポートしています。Microsoft SQL Serverライセンスを別途購入する必要はありません。

ストレージオプション・バックアップや復旧のオプションは基本的にはPostgreSQLと同じ性能です。セキュリティの性能に関しては、Amazon VPCを使用すると、DBインスタンスを専用の仮想ネットワークの中に隔離でき、既存のITインフラストラクチャにIPsec VPNを使用して接続することもできます。また、ファイアウォールを設定してDBインスタンスへのネットワークアクセスを制御することもできます。

まとめ

Amazon RDSで選択できるリレーショナルデータベースエンジンである、Amazon Aurora・PostgreSQL・MySQL・MariaDB・Oracle データベース・SQL Serverの6つについて簡単にですが説明してきました。Amazon RDSはよく使われているリレーショナルデータベースに対応していますが、特にこだわりがなければAmazonが推奨している高パフォーマンスで低コストなAmazon Auroraを選択することをオススメします。この記事が何かのお役に立つことができれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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