VeeamとAWS S3の活用

はじめに

この記事では、「Veeam Backup & Replication」と「AWS S3」の活用法について説明していきます。Veeam Backup & Replicationについてはオンプレミスのみで、AWS S3は別途クラウド用として使っているという方も多いかもしれませんが、これら二つを利用することで容易にバックアップやリストアが可能になり、利便性が飛躍的に向上します。まずは、Veeam Backup & ReplicationとAWS S3についてもそれぞれ説明していきます。

Veeam Backup & Replicationとは

「Veeam Backup & Replication」とは、Veeam Software社が提供する、物理・仮想環境やクラウドをバックアップ、レプリケーションなどをするソフトウェアです。Veeam Backup & Replication単体ではオンプレミスにおいて、サーバ等のバックアップを行う際によく利用されています。この記事では主にAWSでの利用方法に関する説明を行っていきます。

AWS S3とは

「AWS S3(Amazon Web Services Simple Storage Service)」とは、Amazon社が提供するAWSクラウドのデータストレージサービスで、容量無制限に利用することができます。AWSで何らかの構築を行う際には必ずと言っていいほど利用されているサービスです。AWSでストレージ利用を行う場合、使用したストレージ容量による従量課金制(1GB単位)となります。料金は1GBあたり約0.02USD(約2円)で契約することが可能です。また、AWSからインターネットに1GBを超えるデータ転送を行う場合には別途料金が発生しますので注意が必要です。上述のVeeam Backup & Replicationと併せた利用方法を後述します。

Veeam Backup & Replication for AWS

Veeam Backup & Replicationは前述したように、様々な場面のバックアップなどで利用されています。
AWSに特化した「Veeam Backup & Replication for AWS」があります。Veeam Backup & Replication for AWSは、主にAWS EC2のバックアップにおいて活用できます。通常のVeeam Backup & ReplicationよりもAWS EC2に対して安全に、ローリスク・高速でバックアップや復元が可能となっています。AWS EC2インスタンスが停止したり誤操作によって削除された際にも数分でリカバリーが可能です。また、それぞれシームレスにバックアップとリカバリーが可能になっており、設定の時間を含めても高速にシステムを利用することができるため、利用者としては非常に便利なものとなっています。VeeamとAWSを利用している方にとってはこれ以上ないソフトウェアといえるでしょう。

プランは有償と無償があり、無償の場合はバックアップできるEC2インスタンスに10台までの制限があります。復元は無制限に可能です。また、有償の場合はソフトウェアに何らかの問題が発生した場合でも、24時間365日Veeam Software社がサポート対応してくれるため、安心してソフトウェアを利用することができます。無償ではこのサポートは受けられないため、注意が必要です。

Veeam Backup & ReplicationのバックアップをAWS S3と連携

前述した「Veeam Backup & Replication for AWS」ではなく、通常のVeeam Backup & ReplicationでバックアップしたデータをAWS S3に保存することができます。先日リリースされた「Veeam Availability Suite」にて、AWS S3だけでなくAWS S3 Glacierにも対応できるようになりました。今後も対応できるAWSストレージなどの種類が増え、導入できる環境が広くなることも予想されます。費用はVeeam Backup & Replicationのみを利用していた場合よりもかなり大きくなる可能性が高いですが、それを考慮しても利用する価値はあります。オンプレミス環境とクラウド双方の管理ができる点は非常に大きいといえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。2つのシステムを利用することで、高速バックアップもメリットの一つですが、Veeam Backup & Replication側に問題が発生した際にはVeeam Software社が、AWS S3側にはAmazon社がサポート対応してくれるため、より安全にバックアップを行うことができる点は非常に大きいです。

Veeam Backup & Replicationのみの環境とほぼ同様の操作感で利用でき、今までよりもさらに高速かつ安全にバックアップやリストアを行うことができますので、仮想、物理問わずこれまでVeeam Backup & Replicationを利用していた方は、「Veeam Backup & Replication for AWS」やAWS S3も併せて利用してみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です