AWSで使える「コンテナ管理サービス」=Amazon ECS。主な機能とおすすめ料金プランについて。

そもそもコンテナとは何か?

「コンテナ」というのは、Web上で使用するアプリケーションのソースコードや構成を1つの塊として扱い、パッケージしたものだと認識しておくと良いでしょう。ある1つのアプリケーションに関わるソースコードなどをコンテナ化しておけば、このコンテナを指定すればアプリケーションの実行までを1つのまとまったプロセスとして扱うことが可能になります。一貫したプロセスとして扱われるため、基本的に動作が保証されることになり、しかもコンテナそのものが1つのプログラムであるかのように扱われるため、実行が迅速で安定した稼働が実現できます。

アプリケーションの実行環境をコンテナ化しておけば、アプリケーションの実行に関わるプログラムを全て一箇所にまとめて管理でき、このことがセキュリティの確保とコンテンツの管理をより容易にしてくれます。AWSの場合はコンテナそのものにセキュリティ更新プログラムを実行するので、重要なコンテナデータの保護が保証されることになります。

Amazon AWSのコンテナサービスが信頼性に優れているという評価を得られている理由として大きなものは仮想サーバーを含むインフラが22にも及ぶリージョンに分散していることです。リージョンが分散していることに加えてそのリージョンが横断してバックアップ体制を取っているため、仮に現在接続しているリージョンで何らかの問題が起きたとしても、横断して動いている他リージョンがカバーできる体制が整っています。このため、コンテナ化されたアプリケーションは丸ごと別リージョンからバックアップして実行することが可能になるので、セキュリティ面での不安がほぼ無くなると言われているのです。

Amazon AWSはコンテナサービスに関する「サーバーレスコンピューティング」であるAWS Fargateに加えて、コンテナ管理サービスであるAmazon ECSも提供しており、コンテナ環境の運用に対してユーザーの利便性を高めるサービスを幅広く提供しています。

コンテナ管理サービス「Amazon ECS」とは?

では、Amazon ECSとはどのようなサービスなのでしょうか?

Amazon ECSというのは、仮想サーバーの構築に必要なAmazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)のインスタンスを利用し、仮想サーバーを構築する際に使われる「Dockerコンテナ」を運用管理するためのサービスです。

DockerはWindows、Linux、MacOS含めた様々なOS環境での動作に対応したコンテナサービスで、DockerUIなどに代表されるGUIを使った操作が可能です。そのためコマンド入力が必要だった従来型の操作方法よりも直感的な操作が可能なので、様々な担当者が利用する可能性があるクラウド型サービスでのコンテナ管理に適しているとされ、世界的に利用者が拡大しています。

Amazon ECSはこのDockerコンテナに対応しているため仮想サーバーの構築にGUIが使えることになり、管理の利便性と運用時の簡便性に大きなメリットを持っているのです。

Amazon ECSの主な機能

Amazon ECSが持つ主な機能としてあげられるのは様々なコンテナをタスク=Taskとして管理する機能です。既にご説明したように、コンテナはアプリケーションの実行機能を1つのプログラムとして扱う機能ですが、Amazon ECSはこのコンテナを単一のものでも複数にまとめたものでも、Taskとして管理します。さらに、コンテナインスタンス内に余裕があるケースでは複数のTaskを並行して動作させることも可能です。

また、複数のTaskをまとめたClusterを構成することができ、複数のTaskを自動配備したり、自動復旧させることができる機能を持っています。これはSchedulerによって管理されていて、それぞれのTaskにエラーが起きるなど不具合が発生して本来実行されるべき機能が実行されなかった場合などは自動的に配備・復旧を行い、再作成する機能を持っています。

サーバー運用で課題になりがちな負荷の集中が起きる場合に備えた機能として、Application Load Balancerがあり、この機能を使うことでTaskが一定以上重複した時に発生する負荷の分散を行うことが可能です。

セキュリティ管理機能も充実していおり、Amazon ECS でClusterを構成する場合、自動的にAmazon VPCを構築し、アクセスコントロールリストかセキュリティグループを作って管理することで、安定したセキュリティ管理を適用することが可能です。

Amazon ECSでできること

Amazon ECSで実現できることを簡単にまとめると次のようなことがあげられます。

まず、様々なアプリケーションを簡単にコンテナ化することができます。近年のクラウドをベースにした各種サービスは長時間継続して実行されることが前提になっていることが多く、複数の機能が並行して実行されるものも増えています。このようなケースでは複数のコンテナを簡単に作成できるAmazon ECSの特長が活かされることになります。

ここまでの項目でご紹介してきたように、Dockerコンテナもサポートしているので、Amazon ECSは拡張性に優れているという高い評価を受けています。拡張性という観点では操作性の部分にもその拡張性の高さが活かされており、GUIによる操作が可能であると同時に、AWS Command Line Interface=CLIを使って、GUIではなくコマンドラインのみでAWSの操作を行うことも可能です。

AWS CLIは複数のOSに横断して提供されているツールであるため、AWS CLIを使うことで様々なOS上で同一の操作を行うことができるようになり、操作性が上がると同時に管理の手間が省力化できます。そのため全体的な作業をスピードアップさせることができるようになり、業務効率が格段にアップします。

Amazon ECSの利用料金

Amazon ECSは有料サービスなので利用料金がかかりますが、料金体系は2種類あります。「Fargate起動タイプモデル」「Amazon EC2起動タイプモデル」の2つがあるのですが、おすすめは「Amazon EC2起動タイプモデル」でしょう。

「Amazon EC2起動タイプモデル」がおすすめな理由は従量課金制であることです。月額の最低利用料などはかからず、初期費用なども発生しません。課金されるのはAWSのリソースをどれだけ使用したかという総量に対してのみなので、提供する自社サービスをユーザーが長時間継続して利用する場合には安定した売上が期待できますし、短時間しか利用しないユーザーにとっては余分な支払いを発生させずに済むというメリットも提供できます。

まとめ

ここまで、Amazon ECSとはどのようなサービスなのかについてご紹介してきました。端的に言えばAmazon ECSは「コンテナを管理するサービス」ということになります。Dockerコンテナに対応し、複数のTaskをまとめて処理することができる多機能なコンテナ管理サービスです。料金体系も、2種類とシンプルながらユーザーの利用状況に応じてメリットを提供できるわかりやすい体系になっているため、コスト計算もしやすいのが評価されているサービスです。今後のサービス展開において、自社で活用できるポイントがあるかどうか、しっかりと検討してみてください。

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