Amazon CloudWatchとは

Amazon CloudWatchとは、AWS上の各種サービスを監視するサービスです。システムの規模が大きい場合や、重要度が高い場合、システムの安定稼働のためにシステム監視は重要になってくるでしょう。

今回は、Amazon CloudWatchについて解説します。

Amazon CloudWatchの概要

前述したとおり、Amazon CloudWatchはAWS上の各種サービスを監視するサービスです。AWSクラウドリソースやAWS上で実行しているアプリケーションから発生されるログやメトリクスを取得、保存し監視することができます。さらにヘルスメトリクスを 1 秒単位まで収集することもできるため、サービスのパフォーマンスやオペレーションの状態を最適化することが可能です。

またAWSの各サービスとの親和性が高いため、他のシステム監視ツールよりもAWSサービスを監視するには最適です。

・Amazon EC2

・Amazon DynamoDB

・Amazon RDS

・AWS Fargate

・AWS Lambda

上記を含めて70を超えるAWSのサービスを監視できます。またCloudWatchが取得したログやメトリクスは、15ヶ月間保存および保持できます。

Amazon CloudWatchのメリット

導入が容易

導入するためのスキルが不要であり、全てブラウザで完結します。またAWS内での作業になるため、新たにミドルウェアや機材を購入する必要がなく、すぐに導入できます。

設定は直感的にできるため、EC2のCPU 使用率やディスク使用率等の各種メトリクスをはじめとした、さまざまなサービスを簡単に監視できます。

運用工数の削減

通常各種リソースやパフォーマンスを監視するとき、例えば監視ツールを使う、または自身でログを出力するスクリプトを作成する、といった方法が必要です。

しかしAmazon CloudWatchは特別な設定を行わずに、ほぼリアルタイムでシステムの稼働状況をグラフィカルに表示できます。これにより、すばやく状況を把握でき、原因の特定が早まります。さらに人手を介していないので、ログの信頼性が高まり、かつ運用のための工数も少なく済みます。

標準メトリクスは無料

あらかじめ備わっている標準メトリクスと、カスタムメトリクスがあり、標準メトリクスにはCPU使用率など一般的なメトリクスはあるため無料で使うことができます。

標準のメトリクスだけでよければ、簡単に設定が行えるので運用スキルは必要ありません。

統合管理が可能

個々のシステムやサービス、アプリケーション (サーバー、ネットワーク、データベースなど) のリソースやログを一つのコンソール上で確認できます。

特定のサービスの監視も可能

Amazon RDSのような監視ツールのエージェントを入れられないようなサービスもAmazon CloudWatchであれば、監視することが可能です。

Amazon CloudWatchのデメリット

AWSのサービスの1つであること

Amazon CloudWatchはAWSのサービスの1つです。つまり、AWSのサービスそのものが止まってしまうと共倒れしてしまう可能性があります。

またAWS以外のシステムを含めて統合的に監視したい場合、Amazon CloudWatchのみで監視することは難しいため、他の監視ツールを利用した方が良い場面があります。

Amazon CloudWatchの応用

ログ解析

ログを解析するためには経験や専用の解析ツールが必要です。しかしAmazon CloudWatchには、高機能なログ解析ツールが用意されているため、比較的容易に分析することができます。

また、ログの解析をAWSの専門家に依頼するサービスが利用できるため、経験やスキルが浅くてもログの内容を知ることができます。

運用者への通知

閾値を設定することで、超過した場合はAmazonSNSを利用してメールやSMSで運用者に通知することができます。

オートスケール対応

サーバの負荷が高くなれば自動的にサーバの台数を増やし、負荷が下がれば自動的にサーバの台数を減らす、ということもできるため、突然のイベントにも対応ができるようになります。

また、障害が発生した場合にはサービスを停止することなくそのサーバーを切り離すことも可能なため、システムの稼働率の上昇にも繋がります。

まとめ

本記事では、Amazon CloudWatchのメリットや、デメリット、Amazon CloudWatchの応用ついて解説しました。Amazon CloudWatchはメトリクスとログを関連付けし、グラフィカルに表示できるため、障害や問題が発生した際の全体的な平均解決時間 (MTTR) の短縮になります。

ミドルウェアを追加することなく各種サービスを監視できるため、非常に便利なサービスになっています。

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